見出し画像

歴代の本屋大賞、somaが選ぶBEST10は?


はじめに

今年も本屋大賞のノミネート作品が発表される季節になりましたね!

私は文庫化を待つタイプの人間なので、ノミネート段階で読んだことがある作品は毎年一つもないんですよね涙

Instagramで読書アカウントを始めてからは、単行本の評判もよく耳に入るようになったので、気になっている作品はたくさんあるのですが。

そこで今回は、今までの本屋大賞受賞作の中から、個人的なBEST10を選んでみました。

受賞作は全て読んでいるというわけではないので、現時点でのランキングということになりますが、楽しんでいただけたら嬉しいです。

somaが選ぶ、歴代本屋大賞BEST10!

【1位】小川洋子 『博士の愛した数式』

堂々の第一位は、小川洋子さんの『博士の愛した数式』!本屋大賞史上、最初にして最高の受賞作では?と思っている。

80分しか記憶が維持できない数学博士、その家に仕える家政婦とその息子ルートの交流を描いた、悲しいけれどあたたかい作品。

ルートの宿題を一緒に解いたり、野球を見に行ったり、誕生日パーティーをしたり。大切な思い出を一つ一つ積み重ねても、博士の中からは消えてしまう…。

博士が記憶を保てる時間がどんどん短くなっていく物語後半では、涙が止まりませんでした。

小川洋子さんの美しい文章表現にも要注目です。

【2位】辻村深月 『かがみの孤城』

不登校の中学生たちが、鏡の中の城で一年を共に過ごす物語。城の中には願いを叶える鍵が隠されているが、鍵を見つけて願いを叶えると、代わりに城の中での記憶を失ってしまう…。

私も中学時代、クラス内での人間関係には結構悩んでたので、苦しんでいた過去の自分、そして成長した今の自分を同時に救ってくれるようなラストには、本当に心が震えました!

この本に救われる中学生、高校生、そして大人たちがたくさんいるんじゃないかなと思わされる作品です。

【3位】凪良ゆう 『流浪の月』

女子誘拐事件の被害者と加害者である更紗と文。大人になってからもう一度出会った彼らはふたたび生活を共にするようになるが、世間がそれに黙っているはずもなく…。

真実は当事者にしか分からない。それを世間がうがった見方で決めつけて糾弾し、「犯罪者だから」と生活を脅かし続ける。

「もうそっとしてあげて」と、物語を読みながら何度も思いました。この作品ほど、登場人物の幸せを心から願った作品はありません!

凪良ゆうさんは『汝、星のごとく』でも本屋大賞を受賞されているのですが、こちらはまだ読めていないんですよね…。名作だと聞いているので、早く読まなくては!

【4位】宮下なつ 『羊と鋼の森』

ピアノの音色に魅せられた青年が、ピアノの調律師を目指す物語。

「羊と鋼って何だろう」と思ってしまうタイトルですが、ピアノのことを指しているんですね。

タイトルの通り、深い森に分け入っていくように、静かに淡々と努力を続ける主人公。

「自分には素質がない」と悩みながらも、自分とピアノに向き合い続けるその姿から、「努力」「情熱」という言葉の本質を教えてもらえる作品です。

【5位】佐藤多佳子 『一瞬の風になれ』

小学6年生の時、一年間だけランニングクラブに入っていたのですが、ちょうどその年(か、その前年)に大賞を受賞していたのがこの作品。大好きだった顧問の先生の机の上にもこの本が置いてありました笑

努力型の新二と天才型の連が、陸上を通して成長していく青春小説。キラキラなのにヒリヒリするこの感じは、高校生男子の特権なんですかね。

この作品を読んで以来、佐藤多佳子さんの作品はたくさん読んできたんですが、本当に青春小説の名手なんですよね。

高校生たちの心の声をそのまま書き起こしたような文体も好きです。

【6位】町田そのこ 『52ヘルツのクジラたち』

仲間たちとは違う周波数で鳴くため、どれだけ声をあげても、誰にもその声が届かない。そんな世界で一番孤独なクジラが、「52ヘルツのクジラ」。

タイトルが素敵すぎて、発売された時からずっと気になっていた作品でした。

実の家族に搾取され続けてきた女性・貴湖と、母親からムシと呼ばれ虐待されている少年・愛が出会い、苦しみの中から立ち上がる姿を描いた作品。

お互いがお互いにとっての救いの光となる、そんな相手に出会えてよかったね、と心から思いました。

誰かがあげている52ヘルツの声に、耳を傾けられる人になりたいです。

【7位】上橋菜穂子 『鹿の王』

大好きな上橋菜穂子さんの作品。映画化が決まってやったー!と思っていたらコロナが流行り始めて公開延期が決定。

やっと公開された頃はがっつりコロナ禍で、物語の中の状況とリンクして作品の印象深さがより増していたように感じます。

流行病の真相を追う若き医師と、病に感染して次第に人ではなくなっていく男が主人公。

上橋菜穂子さんの作り出す世界観はやっぱり圧巻だし、人体を一つの深い森のように描く視点も興味深い。

ただこの物語、さまざまな立場の人の思惑が複雑に入り組みすぎて、何度読んでも途中で分からなくなるんですよね涙

完全にこちらの理解力の問題ですが…。理解できてる方々に解説をお願いしたいです涙

【8位】恩田陸 『夜のピクニック』

言わずと知れた青春文学の金字塔。

高校生たちが夜通し歩く、しかも実は胸の奥底に今まで言えなかった思いを抱えている、これがエモくないはずありませんね。

実は夜のピクニックに憧れて、大学1年生の時に100km歩くサークルに入りました。(めちゃくちゃ過酷だった!!笑)

作品内で高校生が歩いてたのは確か80kmくらいだったと思うのですが、後半は運動部が走ってて、「どんな体力してんだよ」と100km歩きながら心の中で突っ込んでました。今ではそれもいい思い出です。

【9位】恩田陸 『蜜蜂と遠雷』

恩田陸さんは本屋大賞を二回受賞されてるんですよね。

つい最近、凪良ゆうさんも二度目の受賞がありましたが、恩田陸さんはかなり期間をあけての受賞、しかも作風が全然違うというところに評価ポイントがある気がしています。

こちらはピアノコンクールで火花を散らす若者たちの物語。

それぞれのバックグラウンドやピアノにかける想いに引き込まれ、めちゃくちゃ長いのにあっという間に読めてしまいました。

演奏シーンは文字の間からピアノの音が聞こえてきそうなくらい臨場感たっぷり!滅多にない読書体験が味わえる作品です。

【10位】瀬尾まいこ 『そして、バトンは渡された』

父親が3人、母親が2人。複雑な家庭環境で育ってきた少女・優子の視点で語られる家族の物語。

次々と親が変わっていく状況は、一見すると「親の都合で振り回される子どもがかわいそう」という感想を抱きがちですが、優子の場合は、本当にそれぞれの親がそれぞれの形で優子に愛情を与えているんですよね。

むしろ、たくさんの親がいるということがプラスにも感じられるほど!

そんな優子は、一体誰とヴァージンロードを歩くのか。多幸感に満ち溢れたラストシーンが印象的な作品です。

泣けると聞いていたので、「私は泣くまい」と思いながら読んだのですが、ラストシーンではたまらずに泣きました笑

おわりに

こうして作品を並べてみると、本屋大賞受賞作は本当に名作揃いですよね。

『同士少女よ、敵を撃て』『汝、星のごとく』など、気になっているのにまだ読めてない作品もあるので、今年こそは全制覇したいです。

そして今年の大賞発表も本当に楽しみ!ノミネート作品をリサーチしつつ、発表を待ちたいと思います。



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?