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泣かない女はいない

僕はほどほどに本を読みます。
小学校の頃から親に本を読めと言われ続けていました。最初はイヤイヤでしたが、世界に入り込める感覚がいいなと気づいた時からあまり苦には感じなくなりました。ほどほどというのは「趣味は読書です」と言えるほどではないけど、何もやることなかったら読むかなくらいの程度だからです。

中高は小説しか読んでませんでした。高校の時は純文学と言われる昔の小説をよく読んでいた気がします。入試の時に有利かもとか、教養的に知っておきたかったからです。今思えばあの時の自分ナイスだったなと思います。大学に入り、新書にハマりました。より現実的な、物事を解説する書き方にどこか興味を惹かれたからです。

最近久しぶりに買った小説の中に「泣かない女はいない」という本があります。恋愛系の小説は高一ぶりくらいで久しいのですが、あまり好きではないなと思いました。物語の展開についていけなかったと言う方が正しいかもしれません。主人公の睦美は四郎と三年弱同棲しているのですが、職場の先輩樋川さんに惹かれてしまいます。そして四郎に打ち明けてしまいますが、樋川さんは離職しその後は描かれないまま終わると言う内容でした。

僕なりに反論したいこと。
三年同棲しているのに何もアクションがないこと、職場で恋愛に発展するという人の性、その後を何も描かない作者の意図。社会人で同棲している期間が2年を超えているならその後別れるか結婚するかちゃんと決めたほうがいいと思います。世間的には、僕の周りでもバイト先で恋愛関係に発展するケースは多いですが、僕は職場で恋愛モードになる気持ちがわかりません。一緒に働く姿が素敵に見えるのは当然ですが、あくまで仕事を介した人間関係であってそこに気持ちを持ってかれるのが理解できないからです。百歩譲って別れたとしてもその後を描かないのはずるいと思いました。

一人一人いろんな生き方があります。本の良いところは一冊に一つの人生が描かれていて、読むという行為からその世界に没入できる点です。それが自分の感性に沿っているかは関係ありません。全く共感できない時もあるし、感動で読みながら泣いてしまう時もあります。そういう経験が自分自身のセンスを磨くし、人生観や価値観を作り上げるきっかけをくれるのかなと思います。

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