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mirumeのお茶の特徴

mirume深緑茶房の店長まつもとそうまです(店舗はまだ無い)。4月下旬ごろに名古屋市那古野1丁目にて新店舗オープン予定です。

突然ですが、お茶屋さんのお茶の名前ってわかりづらくないですか?

「煎茶」「上煎茶」「特上煎茶」「極上煎茶」という上下の序列だったり、お茶屋さんによってはウチのように「茶寿」「千寿」「深緑」みたいに名前が付いていたり。

お茶って実はだいたいが「やぶきた」という品種です(全国生産量の8割)。『え?じゃあ「やぶきた」って呼べばいいじゃん』という話なのですが、それはそれで困るんですよね。

栽培方法、加工方法、焙煎度合い、萎凋、地域差、摘み取る時期などなど…の要因によって同じ品種でも全く違う味になるからです。

品種名で呼んでしまうと皆同じ名前になってしまうから、それぞれお茶屋さんは自分たちのお茶の特徴を表現するために、オリジナルの名前を付けました(たぶん)。

そうじゃなくて、『色んな品種の違いを楽しもうよ!』ってなってるのが最近の『日本茶シングルオリジン』ですね。
有名所で言うと『東京茶寮』『煎茶堂東京』さんですね。
※ちなみにウチも単一農園/単一品種という意味ではシングルオリジンです。香小町もウチの農園で育てて品種は1つなので。
※ちなみにこの場合の「単一農園」の定義はだいぶ微妙で、他者の生の茶葉を仕入れても自社工場加工の場合には単一農園としている場合がありますが、それはまた別の話で書きますね。

そんなこんなで、深緑茶房としては7品種くらい育てているのですが、mirumeでは基本的に「やぶきた」のみを取り扱います。

それはお茶農家だからこそ出来ることを考えた時に、『技術で味を変える』ということを伝えたいからです。

で、ちょうど新パッケージに印刷する文章を書くためにそれぞれのお茶の特徴をまとめていて、『あれ?これ今までまとめた事ないし公開すればいいかも』と思い立ちnoteに書くことにしました。

メモ書きなので分かりづらかったらすいません。
【お茶名】
(現在の文言イメージ)
<特徴>
です。

【茶寿】
0.3%の選ばれた畑でのみ作られる繊細な新芽。
極浅蒸しの上品な旨味と甘みが特徴

<特徴>
• 極めて浅蒸し
 →生葉の香りを感じてもらえる
 →非常に若い芽を使うので長く蒸してしまうとボロボロになるし、せっかくの若い芽の香りを損なう
• 10日ほど被覆栽培
 →濃厚な旨味と甘みが特徴
 →被覆栽培する事で旨味の強いお茶になす
 →カフェインの多いお茶になる(日光によってカフェインは減少する)
• 基本的に若い芽のお茶ほどカフェインが多い(日光が当たる時間が短いので)
• 選ばれた畑でのみ栽培されるお茶
 →生産量比較(茶寿の収穫量:荒茶で40〜50kg
 →一番茶の0.15%(一番茶:約32㌧(32,203kg)
 →全体の0.064%(全体生産量:77㌧(77,668kg)
 →栽培面積比較(茶寿の畑:10a)
 →全茶畑:30ha(3000a)
• このランクのお茶を年間商品として出しているお茶屋さんは非常に少ない
 →このランクのお茶は非常に若い芽をつかうので畑あたりの収穫量が少ないが、価格がそれに比例しないので農家の収益が減るから(1/3しかとれなくても価格は3倍にならない、もしくはそんなに量を販売する事ができない)
 →もっと成長してから畑あたりの収穫量を増やした方が儲かる
 →通常は新茶の贈答用などに少量生産するのが一般的


【千寿】
伊勢志摩サミットでも評価された
渋みの少ない芳醇なかぶせ茶
<特徴>
• 7日ほど被覆栽培する
 →被覆栽培する事で旨味の強いお茶になす
 →カフェインの多いお茶になる(日光によってカフェインは減少する)
• 基本的に若い芽のお茶ほどカフェインが多い(日光が当たる時間が短いので)
• 選ばれた畑でのみつくられる
 →その年の天候によって微妙に変わる事はあるが、ほぼ同じ畑でとれたお茶をつかう
• 伊勢志摩サミットのファーストレディーのランチ会で千寿を提供
• 天皇杯を受賞した時につくったお茶。人気のため今でも続いている
 →天皇杯受賞は2006年

『天皇杯』
天皇杯とは国内最高の賞ともいわれ、その年の農林水産大臣賞に選ばれた300以上の優秀な生産者から各部門において最も優れたものに与えられる賞のこと。※お茶は『地域特産』という分類になるためお茶農家が選出されない年度もあります。

• このランクのお茶を年間商品として出しているお茶屋さんは非常に少ない
 →収穫量が少ないのに価格がそれに比例しない
 →もっと伸びてから畑あたりの収穫量を増やした方が儲かる
 →通常は新茶の贈答用などに少量生産するのが一般的


【深緑】
創業当時から磨き続けてきた
スッキリとした渋みが心地よい王道の高級茶
<特徴>
• スッキリとした渋みと旨味
• 露地栽培(ろじさいばい)
 →千寿/茶寿などとは違い被覆栽培を行わない
 →(手間は掛けてますが)自然に育ったお茶
• 創業当時から改良し続けてきたお茶
• このランクのお茶を年間商品として出しているお茶屋さんは非常に少ない
 →収穫量が少ないのに価格がそれに比例しない
 →もっと伸びてから畑あたりの収穫量を増やした方が儲かる
 →通常は新茶の贈答用などに少量生産するのが一

【香小町】
3種類のお茶をブレンドする事で味の深みを出した
コクとバランスのとれた味が特徴。
<特徴>
• 3種類のお茶をブレンドした事により深みのある味に仕上げた(品種は1種類:やぶきた)
 →完成当初は深蒸し煎茶のみでつくっていた
 →スッキリした渋みを加えるために浅蒸し煎茶をブレンドした
 →その後、旨味を加えるためにかぶせ茶を追加した
 →最後に。それまではブレンドしてから火入れ(焙煎)していたが、それぞれのお茶を『ブレンドした時にすべて揃って最高の味になるような火入れ』があるのではと考え、試行錯誤を繰り返し現在の形に至った。
• 深緑茶房スタンダードであり最も売れ筋のお茶
• 本当におすすめしたくなるお茶をつくりたいとの思いから作り始めたお茶
• ブレンドする事で味の深みが増す
 →ブレンドをしていないお茶はそれぞれの特徴が際立つ(最近のシングルオリジンの傾向はコッチ)。味の深み(コク)はブレンドをした方が優れている。
• 同じ価格帯のお茶である玉緑茶などに比べても非常に複雑な味がする


【玉緑茶】
伊勢茶としては非常に珍しい
独特のすっきりとした香ばしい香りのする蒸し製の玉緑茶
<特徴>
• 玉緑茶というのはお茶の種類
 →煎茶、深蒸し煎茶、玉緑茶…みたいな
 →釜炒りと蒸し製の2種類がある(ウチは蒸し製)
 →通常は『精揉』という工程(茶葉を丁寧に揉み込んで針のように細長くする工程)があるがそれを省き、熱したドラムで煎ったり、熱風で乾かす事で香ばしい香りを出す
• 渋みが少ない
• 茶葉の形が勾玉形
• 玉緑茶は全国の生産量のうちわずか2%ほど
• 香ばしい香り
 →どこか懐かしい
 →スッキリした味
• 深緑茶房としては新しい挑戦だった。
 →本場のお茶農家に行き研究した
 →4年ほど試行錯誤を繰り返した

【茎ほうじ茶】
茎だけを強く焙じることで
焙じ香と茎の甘みを引き出します
(焙じ香と茎の甘みを引き出しすっきりと仕上げています)
<特徴>
• 茎だけをつかう
 →茎だけにする事で強く焙じる事ができ、渋みの少ないスッキリとした焙じ茶になる(強く焙じる事で茎の甘みも出る)
 →強く焙煎しているので香りが強い
 →一般的なものは葉っぱと茎が混ざったものか、葉っぱのもの
 →葉っぱが混ざっていると強く焙煎できない(焦げる)
 →葉っぱが混ぜっていると渋みが出やすい(ほうじ茶に使うのは一般的には番茶で(成長した茶葉)、番茶はカテキンなどの渋みがある)
 →葉っぱが入っていないので後味がスッキリ

以上です!!

最後まで見ていただきありがとうございます。

ただのメモ書きなので非常に見づらい&分かりづらかったかもしれません…。分かりづらい部分はコメントなどしていただければお答え致します!

また改めて機会あればまとめますね。

さて、2月も中旬になってきまして。お店の引き渡しの時期も近づいてきまして。まだまだ波乱ありそうですが、その都度情報をお伝えさせていただきますね。

いま僕はwebサイトを作りなおしたり、栄のティースタンドの緑茶メニューやお茶漬けを監修したり、新店舗の準備(デザイン、建築、詳細な運営方法などの決定)をやったりしています。

なかなか大変な時期かと思いますが、お身体には充分ご自愛くださいませ。

また次回!


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