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うちの幹部は「決断」と「実行」が遅いんです【情熱社長倶楽部】VOL.171

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【今週のご相談内容】

組織を成長させるためには「決断」と「実行」が
とても大切かと思いますが、
そのような力を持ち合わせている社員が少ないと感じています。

一般社員はともかく、幹部クラスにも
「決断力のなさと、実行スピードの遅さ」を感じている
ので
どうしたものかと思っています。

幹部たち本人はおそらく、彼らなりにやってくれていると思いますし、
私も「さぼっている」とは思っていないのですが、
彼らの行動や実行までのスピードは、私からしたら“遅い”のです。

そのせいか、実行スピードが遅い一般社員にも、
特に指摘をすることなく関わってしまっているような現状です。

もちろん、私は都度、幹部に「もっとこんな動きをしてほしい」
というリクエストを出しているのですが・・・

どのような仕掛けをすれば「決断力と実行スピード」は
向上するでしょうか??

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【今週の回答】

ご質問いただきましてありがとうございます。
大阪拠点責任者の城が回答いたします。

「幹部に任せている領域が多いのに、
 何故、即実行・即決断できないんだ?」

そのような経営者様のお気持ち、大変理解できます。

信頼しているからこそ、決めきれない・実行しないという様子は

“幹部としての役職を全う出来ていないのではないか?”
“幹部に向いていないのではないか?”と、

もどかしさを感じてしまうことでしょう。

このような状況に陥ってしまう要因は、
【経営者と幹部の視点の差】から生まれるギャップだ
私は考えています。

幹部の方は、ご自身の部署に関する
“目の前の領域”であれば、

物事を決めたり、判断することが
出来ているのではないでしょうか。

しかし、経営者様として求めていることは、
【部署としての最適な判断】ではなく、
【会社としての最適な判断】でしょう。

そのため、もしも幹部の方が
【部署としての視点】で物事を見ているのであれば、

【会社としての視点】を持っている経営者様からは
スピードが遅く見えたり、期待通りでない判断だと
感じてしまうのです。

また、今回投稿いただいた内容に

「私は都度、幹部に『もっとこんな動きをしてほしい』
というリクエストを出しているのですが・・・」

とありましたが、この声かけは、恐らく
幹部の方にスピードの乖離を感じる場合や、
判断ができていない場合に実施されているのでしょう。

しかしそれによって、幹部の方の中には、

「結局、社長が指示を出してくれる」
「社長の指示通りに動いた方が間違いない」

などといった“甘え”が生じ、
次第に自分たちで決めることなく
経営者様からの指示を待つ姿勢になってしまう可能性もあります。

では、どのようにこのような状況から打破すればいいのか、
ここからはそのプロセスをお伝えいたします。

そのプロセスとは、

①経営者様が見えている“会社視点”に立ったときの状態や情報を
 幹部の方に伝える
②その上で、幹部の方に判断と実行をしてもらう
③実行した内容やプロセス対して経営者様は口を出さず、
 幹部同士で確認し合ってもらう

というものです。

特に重要なポイントは、①と②です。

経営者様は、当然“会社視点”を持っているので
すぐに判断して、指示を出したくなってしまうかと思います。

しかし、そこをぐっとこらえていただき、
幹部の方が会社視点になっていけるよう、

・経営者様から見たら、組織は今どのように見えるのか
・何が一番の課題だと感じているのか
・今後どのようなことが起こりそうだと想定しているのか

など、経営者様から見えている組織の状態や情報を
共有することに徹してみてください。

一番避けていただきたいことは、
“共通の組織状態や情報”を持ち合わせていないままで、
幹部の方に決断を求めてしまうことです。

そうなってしまえば、幹部の方が決断したとしても、
経営者様が想像しているものと違う結果になってしまったり、

幹部の方の中にも、少なからず“不安”が残ったり
“納得感”が伴わないので、実行スピードは上がりません。

幹部の方が決定事項に納得していなければ、
当然、現場には浸透しません。

そのため、①と②は
是非妥協なく行なっていただきたいと思います。

③の「実行した内容やプロセス対して社長は口を出さず、
幹部同士で確認し合ってもらう」に関しては、

プロセスに口を挟み、
指示を出した経営者様に責任がつくことを
避けるために実践していただきたいプロセスです。

経営者様に責任がついてしまえば、
「社長が言ったからやったのに、上手くいきませんでした」
といった状態にもなりかねません。

そのため、極力プロセスの部分は幹部の方々に
委ねていくことをお勧めいたします。

以上が、幹部の方の決断力・実行力を上げるためのプロセスです。

当然、初めからこのプロセスが上手くいくわけではありません。

上記の①~③を繰り返す中で、
だんだんと幹部の方の強みや弱みが見え、
経営者様ご自身も、関わり方に工夫が生まれてくるでしょう。

そして、そのような過程を踏むことで、
幹部の方々の中から頭角を表し、
幹部陣をリードしてくれる人が現れてきます。

そのときにようやく“組織が上手く回り始めてきた”
という実感を持つことができると思います。

組織づくり、幹部育成には時間がかかります

きっかけを掴むまでは、
経営者様が我慢しなければならない瞬間が多いと思いますが
長期的に見ると、とても大切な時間です。

是非、幹部の方々が中心となる組織を
目指してみてくださいね。

最後までお読みいただきありがとうございました。

城 麻実


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