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LA-3Aのお話

 雨が止まずにうんざりしますね。。うんざりした気分を跳ね除けるために、パンチのあるサウンドを持ったコンプのお話したいなーって思いました。

LA-3Aって?

 光学式コンプの代表といえば、Teletronix LA-2Aではないでしょうか。その影に隠れて目立たない製品ですが、2Aとは違った良さを持つ製品がLA-3Aです。2Aよりパンチがあるので、こちらの方が好きだと仰っているプロの方もいる程です。

 1969年にLA-3AはTeletronix LA-2Aのソリッド・ステート版として、1969年UREIにより製造されました。UREIがTeletronixの社名と製品の権利を買っていた為、販売が可能だったわけです。ちなみにUREIは1176を作った会社で現在のUniversal Audioにあたります。

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イタリアのOverloud社がLA-2Aと3AをエミュしたComp LA。WavesやUADやBlackRoooster Audioなどからもエミュされている。


LA-3Aの仕様

 LA-2Aが真空管だったのに対し、LA-3Aはトランジスターを使用したソリッドステート式になりました。結果として、2Uのハーフラックという縮小化とコストダウンに成功しました。

 3Aは2Aと同様に極めてシンプルで操作するのは以下の2つのみです。


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Universal AudioのLA-2Aは三種類に分けられている。T4オプトモジュールの品番の違いなどユニットの差を細かくモデリングしている。

 ここで感の良い方なら、アッタックタイムはどうするの?って思いますよね。このLA-2Aも3Aもアッタクとリリースの設定がありません。つまりこのコンプはアタックを捉えることを目的にするには不向きなのです。

 しかしアタックもリリースも存在しないとなると、コンプとして成り立たないわけで、ちゃんと存在します。アタックタイムは1.5msからそれ以下、リリースタイムは50%リカバーするのに大体60ms、完全リカバーしようとすると0.5〜5s(ソースのかかりの深さによってオートで変わる)となります。

 意味不明!!って思った方も心配しないでくださいね。実際に数値を覚える必要はありません。もし必要だとしたら、他のコンプで3Aと同様の効果を狙う時ぐらいでしょうから。

 アタックタイムは1.5ms。これは1176のアタックの一番遅い設定より遅いです。しかし兄貴である2Aと比べるとかなり早いです。そしてリリースタイムですが、これもかなり遅めです。76のリリースだと、3と書かれたあたりが3Aの最速時だと思ってください。

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Universal Audioの1176 Rev Aで参考までに上記の設定。1176は数字が1に行くほど遅くなる。左に回すと早くなる。アタック7、リリース7が最速になる。

 不思議な事を最後に書きました。ソースのかかりの深さによって変わる。
必ずしもリリースタイムは一定のままになるわけではないという事なんです。これはProgram Dependentと言われるもので、LA-2Aや3Aに限らず他のコンプもそうだったりします。

 ではどうしたら設定できるの?って質問には、私の知る限りできないので他のコンプを使ってください(笑)


 

 



 


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