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【116話】【ネタバレ】俺だけレベルアップな件【翻訳】

「兄貴、昨日ゲートが出現しました。まだ確定じゃないですけど、俺たちへの許可は難しいそうです。 協会で測定したところ高い魔力が検出されたそうです。」

「S級ゲートなのか?」

「そこまでじゃないんですけど、A級の最大値が出たそうです。」

「そりゃ諦めるしかねぇな。間違って潜ったらみんな一緒にあの世行きだ」

騎士団ギルドのマスターである板東は、部下の千代田の言葉を聞いてあっさりと諦めを口にした。

「S級だときっぱり諦められますけど、A級だとそのへんの扱い微妙ですよね。5大ギルドの中の一つなのにA級ゲート一つクリアできないのかって言われるかも知れないし···」

「一般人はABCDEなら、みんな同じだと思ってるからな。それが問題なんだよ。」

「俺たちが手離したらきっと明星のヤツらの手が上がると思いますが···」

「うちのシマに出たゲートを町田の野郎にくれてやろうってか!?」
それまで冷静だった板東は明星のギルド名を聞いた途端に金切り声をあげた。

「だってそういうことでしょう?兄貴」

「数でも質でも、うちのA級ハンターは国内の他の大型ギルドと比較しても、決して低い水準じゃねぇ。 ただS級一人、その一人がいないだけで大きな格差を生むなんて···」

「それなら他のギルドと連合組んで潜ればいいじゃないですか」
千代田とは別の声が進言する。

「俺らだけじゃ無理だから連合したいなんて狙い、他のギルドにも筒抜けなはずなのにあえて手を組もうとするか?」

「ギルドを引き込むのはちょっとあれなら、個人はどうです?」

A級ヒーラーのチョン·イェリムは、快活な口調で答えた。

「最上位のA級ゲートに潜るのに、個人取り込んで何の助けになる···」
言いかけて、板東がハッと何かに気づく

「お気づきでしょう?」

「そうか、水篠ハンターのことか。
他のギルドと手を組むと汚名がつくが、彼と協力するとかえって注目されるだろう。
さらに、今回のように危険なレイドを無事クリアできる確率も上がる。水篠ハンターは今なにやってんだろうな」

「この前、道路に出現したゲートをクリアしたというニュース以外は耳にしませんね。俺が連絡先を探ってみましょうか、兄貴」

「よし、電話は入れとけ。こんな重要なことを電話一本で済ますのもなんだろ。一度会いに行ってみるか」

「「アジン」ギルドはどうかな?」
騎士団ギルドで自分の名前が出ているとは思いもよらない旬は、事務所で賢太にギルド名を報告していた。

「ほ···本当にいい名前ですね、兄貴! ギルド名はそれに決定で!」

(ソロプレイじゃなければなら何でもいいんだけど)

賢太は心底ホッとしていた。

「じゃあギルド名はそれに決めるとして……創立メンバーの後1人か」

「昨日の向坂ハンターとはどうなったんですか」

「向坂ハンターは俺が望むようなメンバーじゃないから無理だ」

(S級で、若く、実績も優れていて、美人なのに…志願者の中で向坂ハンターより適正な人なんているのか?)

「あの、兄貴。それならどんな人を求めてるんですか?」

「ハンター資格所持者で···ギルド活動に全く関心がないけど、それでも信頼できる人かな?」

「思いつく人が何人かいるんですけど…」

賢太が記憶を探っていると、事務所のドアがノックされた。

「どなたですか?」
旬が扉を開ける。

(まさかまた向坂ハンターか)

「こんにちは。騎士団ギルドマスターの板東と申します」

『あれ見て、あれ。 撮ってる?』
『わぁ!でかくね?あり得る?』
『大きい?ゲートなんだよな?』
板東の持ち込んだノートPCの中の映像には、巨大なゲートとその近くで撮影する野次馬たち様子が映し出されている。

「ゲートの大きさとランクが必ずしも一致するわけではありませんが、見たこともない大きさらしく、魔力もすごい勢いで出ているそうです」

「S級が出ましたか」

「ギリギリ測定不可とまではいきません。 ですが今まで関西に現れたゲートの中で一番大きいそうです」

(関西か…せっかくだし観月さんに会って刺身おごってもらおうかな)

「先ほどのニュースでもご覧になったと思いますが、協会から許可証がもらえないんです。うちの騎士団にはS級が1人もいないので、協会の立場では任せにくいみたいで。
そこで水篠ハンターが我々の攻撃隊に合流していただければ、我々も今回のレイドを担当できると思い伺った次第です。
待遇は最大限のことをさせていただきます。」

(サインお願いしたら、してくれるかな?)
チョンイェリムは2人の話を聞き流しながらそんなことを考えていた。

「普通、大型ギルドがダンジョンを攻略する際、S級ハンターの取り分は10%前後ですが、今回のダンジョンは20%にさせていただきます。」

「五分五分で受けましょう」

「へ?」

「俺個人ではなくギルドとして扱っていただけるのでしたら、ご協力いたします。 ちょうど「アジンギルド」という名前で設立中なんです」

「ではせめて4対6で…」

「俺は騎士団ギルドと交渉をしようとしているのではありません」

(くそ、これは…若く見えるからって舐めてたぜ)

「分かりました。その代わり、ボス級モンスターは 水篠ハンターが倒していただけますか?」
交渉に持ち込むのは無理だと判断した板東は、少しでも条件を上げようと進言した。

「了解致しました。」

「ゲートが見つかってから時間が経っています、遅くても明日にはレイドを始めなければなりません。 むしろ私たちの車で一緒に行かれてはどうですか」

「いいえ, 明日お会いしましょう。 今日の夕方に用事がちょっとありますから。それでも時間には十分間に合うようにします」

板東と旬が握手を交わしたその直後、後ろに控えていた千代田から見た板東の影が小さく揺らめいた。

「あれ?さっき影が動いたみたいでしたけど…?」

「千代田お前···酒飲んでんのか…?」

手に持っていたスマホが着信を知らせる。
画面には登録されていない番号が表示されている。
(誰だ?)

「ちょっと電話に出て来ます」

「あ、はい」

「はい、もしもし」

『旬?』

「母さん?携帯電話買ったの?」

『うん、携帯電話が手に入ったらすぐに息子の声が聞きたくて電話してみたのよ。
もしかして忙しいのにお母さんが電話して邪魔しちゃったかしら』

「いや全然」

(母さんだったのか。俺は何を期待してたんだ)

「母さん、せっかくだし今日の夕方俺とデートしようよ」

『いいわね!分かった準備しておくわ』

翌日、関西地方大阪府

「ああ…昨日無理にでも連れてくればよかった。まさか遅刻するんじゃないだろうな?
畜生··· 5分後には出発しなきゃなんねぇのに」

不安そうに時計を見つめる板東の気も知らず、旬は自宅である集合住宅の玄関にいた。

(天気が悪いな。葵のやつ傘を持ってったか?そろそろ行っとくか…)

「影交換」
言葉を発した瞬間、影が旬の体を取り込んでいった。


「これ完全に職権濫用じゃね?」
「だな」
「美術の先生は、なんで自分がやるべきことを、 俺たちにやらせるんだよ」

学生3人は文句を言いながらも指示された通り学校の美術準備室に向かっていた。

「石膏像何個持って来いって言ったっけ?」

「全部で6グループだから6つだろ」

「あ〜、一体ずつ持って行っても もう一回来ないといけないじゃん」

「じゃあお前が4つ持って行くか」

「あ、ほこり。 ここ掃除してからどれくらい経ってんの?」

「うわ。学期中に入ったことも無いんじゃね?」

「え?」

「おい、これ···。 ゲートじゃね?」

準備室の隅に、青白く光るゲートが発生していた。

1人がゲートに近づく
「何びびってるんだよ。 こんなに小さいゲートは安全だよ。 ハンターたち以外は中に入ることも、中にいるヤツが出ることもできないんだから。ゲートが開かれるのは1週間ぐらい経たないとありえないし。」

「ところでここ学期中ずっと放置されてたって言ってなかった? 今まで見つからなかったってことは…」

言いかけた次の瞬間、ゲートがガラスのように砕け、中から人の腕とは比べ物にならない太い腕が飛び出して来た。

「ジュンソク!」

飛び出して来た腕はジュンソクと呼ばれた学生の頭を片手で掴んで持ち上げる。

「も、早く···! 助けて!」
ジュンソクが必死に振り解こうとしてもその腕はびくともしない。

「ジュンソク!!」

抵抗むなしく頭部を握り潰された学友の名前を叫ぶ声が準備室に響いた。

※始まりましたね、オーク編。
おい旬様よ、カッコよくて強くて、しかも母親想いとか😭😭😭
こんな息子にデートしようとか言われたらお母さん失神しちゃうわ……
めっちゃいい子やん。
騎士団の人たち待たせといてお母さんに
「全然忙しくなかったよ」
って、騎士団の扱いwww

あ、観月さん、台詞だけだけど出て来ましたね‼️
あんなにウブだった旬が、寿司奢ってもらおうなんて…いつのまにそんな人たらしになったの?😭😭
今の旬に会ったら観月さん、目があっただけで妊娠するんじゃ…

さてさて、次回は騎士団との共闘どうなる?そして学校どうなるの⁉️

予定は9月3日更新ですね‼️

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