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よう実 2年生編5巻の感想&考察 ネタバレ有り

待ちに待ったよう実2年生編5巻の感想と考察を今回も述べていこうと思いますが先に言うと今回の5巻はとんでもない巻でよう実ファンとしては間違いなく神巻だったと思います。

色々話したいことがあるので少々長くなるかもしれませんがご容赦ください。

◼️感想

 今巻は2年生編になってから1番濃い内容の巻だったのではと感じました。

 高度育成高等学校で初の試みとなる文化祭の出し物決めや綾小路と軽井沢の関係が周りに周知され始めたり、新しい学校生活が始まるといった流れで体育祭の前に特別試験を実施することとなります。

 この特別試験こそが今回のメインの話になります。

 今回行われた満場一致特別試験はその名の通りクラス全員が出せれる課題に対して賛成か反対か又はどの選択をするべきかを投票で行う試験で、読んでいる側もかなり疲れました。

 この特別試験で重要な事は、制限時間以内にクリアしないとクラスポイントを300無くすことになる点、投票は完全な匿名である点、そして課題に対して選択された事に関しては必ず実行されるというもの。

 実際に行われた満場一致特別試験では全部で5問あり、初めは将来どのクラスとの対戦を希望するかや修学旅行の行き先を3択で決めるなど、簡単な特別試験だと思いますが、それによって発生する油断や揉め事などを軽井沢や平田といったリーダー的ポジションとなる人物が上手くまとめることでクリアしていきます。

 3問目ではプロテクトポイントが関係し、4問目ではクラスにとってデメリットしかない選択肢などクラスの団結力が求められる内容で多くの生徒が苦い思いをしながらもクリアしていきました。

 そして、問題となる5問目が今巻のメインとなります。

「クラスメイトが1人退学になる代わりに、クラスポイント100を得る。」

 賛成を選べばクラスメイトが1人退学になり、クラスポイント100を得る。反対を選べば誰も退学にならない代わりにクラスポイント100も得る事はできない。

 単純に考えるとこうなりますが、実際に投票された結果は賛成2票反対37票となりました。※綾小路クラスは山内が退学になったので40人ではなく39人です。

 初めは誰が賛成に入れたのだと炙り焼きをしていましたが、賛成の内1人が高円寺だと判明します。

 高円寺は山内の時も同じような考えを持っていたのでクラスポイントが入る方が良いと判断していました。また、3問目のプロテクトポイント関連の課題の際も自分にとって1番良い選択肢を選んだだけだと主張します。

 このままでは高円寺が反対票に入れることは無いと踏んだ堀北から取引を持ち込まれなんとか高円寺を反対票に入れることができました。

 しかし、そこからが厄介な展開になります。

 賛成が1票、反対が38票といった結果が何回も何回も続き、一体誰が頑なに賛成票を入れているのだとクラス内で揉め事になります。

 これに関しては本当にしつこいぐらい賛成票に入れた人物の確固たる覚悟が伝わってきました。

 そして、物語が終盤になるにつれ読者側も綾小路も誰が賛成票を入れているのかが分かってきます。

 その人物は櫛田でした。

 櫛田の目的は綾小路と堀北を退学にすることなので、クラスが制限時間内に終わらなければ300クラスポイントを失う為、その責任を堀北や綾小路に取らせようとしていました。※この件に関しては八神が絡んできているのもワクワクさせられました。

 そして、制限時間が迫ってきていた時に綾小路が動きだします。

 綾小路が今まで賛成票に入れていた人物の名前を公表すると言い、櫛田の名前が公表されました。

 もちろん、初めはクラスメイトほとんどが綾小路を怪訝そうな目で見ますが綾小路は今まであった櫛田との契約や綾小路と櫛田しか知り得ない真実を暴露することで櫛田を追い詰めます。

 決定打となったのはプライベートポイントの契約に関して綾小路が録音データがあると言ったことで櫛田に逃げ道は大幅に少なくなり、クラスメイトのほとんどが櫛田を見る目が変わっていきました。

 最終的に櫛田の本性がクラスメイト全員に暴露され、このまま櫛田が退学になるのかと思いきや、物語はここで急カーブを見せることとなります。

 堀北が、櫛田は優秀な人物だから退学させるべきではないと主張し、それに乗じるように綾小路は1番能力が低い生徒を退学させるべきだと言います。

 そして、綾小路から退学させるべきと告げられたのは佐倉愛里でした。

 ここに関しては友人である波瑠加も黙っておらず、読んでいて胸が苦しい展開で今回の5巻は山内の時と同じく誰を退学させるかを決めるという流れになり、最終的に佐倉自身が退学になると宣言することで賛成票満場一致で特別試験をクリアすることになります。

 結果的に櫛田の本性が暴露されたが櫛田は退学にならず、1番能力の低い佐倉が退学になるという結果になりました。

 これにより、綾小路グループの今後がどうなるのか、櫛田の今後どのように活躍するのかなど次巻以降への考察を深く読者に考えさせる終わり方だったと個人的には感じました。


 以上が今巻を読んでの大まかな概略と感想です。

 他にも神崎の苦悩や龍園クラスが思っていた以上に苦戦している描写、反対に坂柳クラスは難なくクリアしていた事からクラス全体としての団結力の差が如実に表れているなど話したい事はたくさんありますが、今回は綾小路クラスに関してだけ感想を述べさせてもらいました。

 正直、綾小路が櫛田へ叛逆する展開自体は本を読んで初めに見るカラー絵からも予想できましたが、まさか同じグループの佐倉を退学にするという展開は予想出来ませんでした。

 このまま櫛田を退学にしても良いのではと個人的に思っていましたが、退学者が出たクラスがどんなペナルティを負うかが未だに謎なので衣笠先生はそこはまだ隠すべき所だと判断したのかもしれません。

 また、今回の満場一致特別試験は読んでいて辛いと思わせられましたが、読者側にもどれに投票すべきかを考えさせられるように作られており、辛いと同時に楽しむことも出来ました。

 最後に根拠などはありませんが私が読了し思ったこととして、今まで綾小路とホワイトルーム生(八神拓也)の対決に注目されていたよう実ですが、今巻で衣笠先生の高度育成高等学校の試験にも注目してもらいたいという気迫がなんとなくですが伝わってきました。綾小路だけでなく、衣笠先生の実力も今巻で再認識された良い巻だったと思いました。


◼️考察

 さて、今巻はとても濃い巻だっただけに考察することも多くてよう実ファンとしてはとても嬉しいです。

 私が気になったのは大まかに3つ。

 ①櫛田のこれから、②綾小路グループのこれから、③今巻で気になった事

①櫛田のこれから

 櫛田は本性が暴露され、綾小路に最後まで抵抗していましたがそれも虚しく撃沈しました。

 堀北は櫛田の能力は高いと評価しクラスに残しましたが、櫛田自身はクラスメイトからの信頼、信用なども失い櫛田自身が思い描く学校生活を送れない事は事実です。

 今までの積み重ねがあったからこそ、今まで1年以上もクラスメイトを騙し続けてきたことに変わりは無いのでクラスメイトが櫛田の事を許す時が来るのであればその時に櫛田がクラスの対して今とは違った形で貢献すのではと予想します。

 また、櫛田を残した判断に不満がある生徒ももちろんいると考えられるので、堀北、綾小路などへのクラスメイトからの信頼も減っていくと考えられます。

 そうなった時、今後の体育祭や文化祭で今一度堀北のリーダーとしての素質が問われ、上手くまとめることができれば今回得た100ポイントも相まってAクラスに上がることが現実的となるのでそこも期待したいです。


②綾小路グループのこれから

 佐倉を失った波瑠加が今後どうなるのかは想像に難く無いと思います。

 綾小路への不信感や佐倉を退学に追いやるきっかけとなった櫛田への憎悪のようなものは今後も続くと予想されます。

 綾小路グループは事実上解散となる形が容易に想像できますが、今まで関わってきた関係を断つことで段々と疎遠になっていき、軽井沢と付き合っているという件も関係して綾小路の周りから段々と人がいなくなっていくのではと考えられます。

 高度育成高等学校では体育祭や文化祭、無人島試験などで半ば強制的にグループを組んだり関わることもある為、避けて通れない道である事も物語を進める上で成長のきっかけになるのではと期待したいです。

 

③今巻で気になった事

体育祭に来賓が来るということについて。

 これは綾小路父が来るのではと予想できますが、もしかしたら月城も一緒に来るのではと思いました。

 ⒋5巻で月城がまた会うことがあるかもしれないと言っていたこと、今回の5巻で月城の行動に疑問点があると坂柳理事長が言っていたという点から月城の狙いは最初から綾小路父を何不自由無く高度育成高等学校に入り綾小路清隆と接触させるという目的だったのかもしれません。

 そして、綾小路父が来ると言う事はホワイトルーム関係者が来ると言う事なので、八神が綾小路よりも優秀であると立証するチャンスと捉えてなにか仕掛けてくるのではと予想します。

八神拓也について

 自然と櫛田と八神が密会している場面が書かれていましたが、今回の満場一致特別試験は2年生だけ実施されているので1年生の八神が知る事は無いはずです。試験に関して告げられた次の日に早速試験なので八神と櫛田が会っていることに少し違和感を感じました。

 個人的な予想として、八神は櫛田に対して綾小路の監視もしくは綾小路を退学にさせることができる特別試験が出されたらすぐに自分に連絡をして会う契約などを結んでいるのではないかと考えました。

 また、綾小路に気付かれずに色々と試すのがマイブームだと言っていたことから八神が高度育成高等学校の特別試験などの特殊なイベントを利用して綾小路を退学に追い込んだりすることを狙っているのではと思いました。

 

◼️最後に

 今巻は本当に深い内容で面白い神巻だったと思います。

 今巻は満場一致特別試験のことがメインとなりますが、その前のメイド喫茶を計画している佐藤や松下達のメイド服のカラー絵も可愛く、なぜか綾小路がそのメイド喫茶の監督役を任されていた所は想像していると笑えてくる面白い展開だったので文化祭当日が楽しみになりました。

 また、独白パートでは茶柱先生について語られており、最後の方も茶柱先生が過去と決別する描写があり、先生を成長させるという考えは無かったのでこれからの綾小路クラスの活躍が楽しみです。


 以上、よう実2年生編5巻の感想&考察でした。

 考察に関してはいつもより浅く述べましたが、再度読み直して気が付いたことなどをまとめて書いていこうと思っています。

 今巻はどちらかというと感想の方が気になるので、読み終えた方はこう思ったとかこんな考察があるよという方は是非聞かせてください。 

 では、また。

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