よう実2年生編8巻&9巻の感想&考察
随分と間が空いてしまっていましたが、久しぶりに投稿する時間ができました。
久しぶりの記事はよう実の最新刊2年生編9巻と8巻についての感想とちょっとした考察についてです。
では、早速8巻の方から述べていきます。
■8巻
■感想
8巻は修学旅行回で、綾小路の希望通りにはならず行き先は北海道になりました。更にグループ分けによってAクラスの鬼頭とCクラスの龍園が同じグループになり、案の定揉めたりして大変そうでした。
しかし、何だかんだ言っても高校生らしさが垣間見えたのが、枕投げでどちらが勝つかという勝負をした鬼頭と龍園。寝る際には鬼頭が目指している夢について知ることができ、これまで語られてこなかった意外な一面も見えて読んでいて面白かったです。
また、須藤が今まで思いを寄せていた堀北についに告白するイベントもあり、青春っぽさを感じさせられました。受け答えする堀北も告白する側の須藤もどこか初々しさが表れていて読んでいてほっこりしました。
そして、修学旅行が終わりを迎える頃、一之瀬と綾小路が2人きりで話す所や、一之瀬がこれからのクラス間競争でどうすれば勝てるかを1人で悩み苦しんでいた事など、確実に次巻以降の展開が面白くなるだろうとわくわくさせてくれるそんな巻だと感じました。
私事ではありますが、今巻で堀北の好感度がかなり上がりました。
自分を好きになってくれる人からの告白が嬉しいものだと分かっていながらも、自分が本能から誰かを好きになる瞬間を待っていると答える堀北の考えは、自分に正直に生きていること、告白を断る勇気と力強さを感じることができ、これは堀北鈴音の今まで蔑ろにしていた他人とのコミュニケーション能力の成長が垣間見えた場面だと感じました。
■考察
今巻では、今までずっと考察されていた神崎のことについて明かされました。
神崎は昔に綾小路父に会ったことがあり、以前に一之瀬が神崎から教えてもらったという言葉は神崎が綾小路父と出会っていたからこその言葉だということが分かりました。なので、神崎はホワイトルーム生などではありませんでした。
また、1年生の石上という生徒は綾小路父に心酔しており、綾小路父の命令ならば清隆を退学させるという意思も見え、これからのライバルとして頭角を現してきた感じです。
また、修学旅行前にホワイトルーム関連のことで、七瀬が綾小路を退学させる為ではなく、綾小路を守るもしくは監視するための生徒として在籍しているのではと綾小路は考えていました。(正確には明言されていませんが)
少なくとも七瀬には他の目的があること、綾小路父は清隆を退学にさせることが目的では無いという可能性も出てきました。
これらのことを踏まえ、私の予想としては、八神&天沢はいわゆる表のホワイトルーム生として綾小路と接触させ今の綾小路の実力を測る為に入学させられ、月城はその2人の監視役で七瀬は月城の命令で綾小路が本当に退学させられないかを阻止することが目的なのではと考えました。
八神&天沢にとっては綾小路を退学させることができれば綾小路を超えたことになる、ホワイトルーム側はそれを確かめることと並行して綾小路の実力の確認することの2つを目的にしているのではないかと。
つまり、ホワイトルーム側の目的は八神&天沢を使い、綾小路の実力を測り再稼働したホワイトルームで新たな指標にでもしようとしたのではないかということです。月城は万が一のことがあってはよくないと考え、綾小路を守るナイトとして七瀬を綾小路の傍に仕向けたと考えます。そして、本当に綾小路を退学させる為ならば月城やホワイトルーム関係者のみが知る綾小路父に心酔している石上を仕向けるのではと考えられます。
綾小路父の目的は当初は清隆を退学させホワイトルームに帰すことでしたが、坂柳理事長との話し合いからそれが難しいと判断して、退学にするのではなく高度育成高等学校を利用して清隆の実力がどの程度のものなのかを観察する目的に変え、卒業と同時にホワイトルームに何かしらに方法で帰すのではと思います。
ここにきて、ホワイトルーム側の目的が変わっているのではという伏線と、高度育成高等学校でのクラス間競争の激化など、より面白くなりそうだなと感じました。
続いて9巻の感想&考察です。
■9巻
■感想
9巻は修学旅行明けで冬休み前の2学期末期末試験があり、それと同じくして一之瀬に依存しない神崎達のグループについてや一之瀬の変化など一之瀬クラスがメインの巻でした。
最終的には一之瀬はAクラスへ上がることを諦めた訳ではなく、自分達のクラスメイトと一緒にAクラスを目指すことと、綾小路を手に入れたいという2つの目標に向けてこれから戦うことを決意しました。その一之瀬の変化は綾小路や坂柳だけでなく、龍園も気付き始め、2年生3学期から始まる一之瀬の動きに注目したいと思います。
また、南雲が生徒会長の任期を迎えるということで、新しい生徒会長を誰にするかや、南雲達3年生がもうすぐ卒業という時期になってから桐山が南雲に対して鬼龍院をけしかけた本当の理由など3年生には3年生の戦いがまだ残っていそうです。
■考察
9巻でもっとも重要な出来事はやはり一之瀬クラスの改革に尽力する神崎達と一之瀬帆波本人の変化です。
神崎をはじめ、姫野、渡辺、網倉と一之瀬クラスを変えようするグループができてきてることは明らかではありますが、それと同時に一之瀬自身が変化しているということに気付けているかが鍵になりそうです。
一之瀬クラスはその名の通り一之瀬がリーダーとして指揮、監督などをしてある種の信仰のような形で戦ってきました。しかし、一之瀬の考えが激化する2年生のクラス間競争で勝ち上がるには通用しないことを神崎が理解し始め、ついには一之瀬自身もその考えを改める必要があると感じたのでしょう。これはある意味似たような考えであり、どちらも「変化」を求めており改革のために内部での紛争も起こるかもしれません。
そもそも、一之瀬の決意したこととは何なのか。
Aクラスに上がること、綾小路を手に入れること。
この2つを達成するにあたって今のままの一之瀬では難しいことは明らかです。
ですが、修学旅行で一之瀬が一時的にいなくなったことで様々なクラスメイトを動かしたことからも分かるように、一之瀬がこれまでに積み上げてきたもの、それは信頼です。
信頼があるからこそ、一之瀬のクラスメイトは一之瀬にポイントを預けることができ、信頼されているからこそ一之瀬の戦略がどんなものでもクラスメイトはついてきてくれる。
それを一之瀬が理解し打算的に利用することにしたのであれば、今までと違い攻撃的な戦略を仕掛けてくることも可能なのではないかと考えられます。
現代社会においても信頼はとても重要です。
信頼があれば取引先とも上手くいくだけでなく、その取引先から新たな取引先を紹介されたり企業間の重要な情報を手に入れることも可能であり、その情報を元に様々なことができるようになります。他にも銀行から融資を受けたり、自分の代わりに動いてくれる人がいればその人を利用したりできるなど恩恵は計り知れません。
一之瀬が持つ信頼というものは、幅広い分野で応用が利くものであり、クラス間競争で生徒同士の壁がある高度育成高等学校において一番手に入れ辛いものであり、それを自ら積極的に行使するのであればこれから一之瀬クラスは大躍進を遂げるのではと考えられます。
■気になった所
8巻は分かりやすい巻だったので気になる部分はほとんどありませんでしたが、9巻は今まで明かされなかった部分が明かされて考察好きとしては最高でした。
まず、南雲がどうやって3年生を統治していたのかが具体的に判明した所で、朝比奈の友人である須知という生徒が退学したことです。その友人は重大違反を犯したので退学になったとのことでしたが、私はこの部分が気になります。
重大違反とは一体どんなことだったのか、須知のクラスメイトも朝比奈には何も伝えなかったり、知らないといった様子で、学校側からも須知の退学理由は明確に示されませんでした。
その後に朝比奈から南雲がどのように3年生を統治していたかが判明し、その契約内容が明らかにされ、毎月得られるプライベートポイントの75%を南雲に譲渡したり、南雲に敵対しないことや、2000万のクラス移動チケットを獲得できる条件などが決められています。
この契約内容に何かしらの抜け穴のようなものがあるのではないかと考えており、今後の展開に注視していきたいです。
また、綾小路達2年生にとって高度育成高等学校に居られるのは残り1年と少ししか無く、2年生も残すところ冬休みと3学期しかありません。3年生になると競争が激しくなろうとも稼げるポイントにも限りがあるので1つ1つの試験がより重要になっていき、綾小路や堀北クラスがどのような活躍をするのか非常に楽しみです。
■最後に
よう実の生徒の思考は、少し大人じみていると感じていたのですが8巻の修学旅行回でそういえば高校生なんだなぁと思い出させてくれたのが個人的に良かったです。
学生から大人、社会人になるのは一瞬ですが、今にして思えば学生の頃の思い出は良くも悪くも尾を引くものなので、学生の皆さんは悔いの残らない学生生活を送ってほしいなと、自明の理ではありますが私からも送ります。
次巻は9.5巻ということで、冬休み期間の話になります。
冬休みは夏休みと違って短い休みですが、こういった短い期間で3学期に行われる学年末試験に向けて綾小路達はどう行動するのか注目して見ていきたいです。
では、また。
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