見出し画像

よう実2年生編7巻の感想

 最近になって暑さが日に日に強くなってきましたが、そんな中で楽しみの1つであるよう実の新刊が発売されたので感想と残された伏線や展開予想などを述べていこうと思います

 ※ネタバレを含むのでまだ読んでない方は読んでからご覧ください。

◼️感想

 今巻の内容は予想外の展開が多々あったので読み終わった後も何度も読み返すほど面白かったです。

 今回は前巻から触れられていた文化祭の話です。

 高度育成高等学校で初となる来賓を迎えての文化祭ということで、綾小路をホワイトルームに連れ戻す刺客や綾小路父がもしかしたら登場するかもしれないのでかなり楽しみにしていました。結果としては、綾小路父は登場しませんでしたし、直接綾小路に危害を加えるといった展開も無かったので文化祭のお祭り感を最後まで楽しむことができました。

 また、今回の巻で大きくメインとなった話としては、『神崎&姫野による一之瀬クラスの改革』、『長谷部と三宅の復讐計画の阻止』、そして『八神の敗北』が主な読みどころでした。


 神崎は満場一致特別試験の1件で、一之瀬クラスが今のままではAクラスには絶対に行けないと分かり諦めていましたが、姫野が自分もAクラスには行きたいと自分と同じようなことを考えている同志だと理解し、一歩ずつですが一之瀬クラスの改革が始まったと感じました。

 姫野は一之瀬クラスの同調圧力に屈することが恐怖で手が出せなかったと言っていましたが、綾小路の助言でこちらも多くの同志を増やしていくことでクラス全体を変えることで一之瀬自身も変えることができると分かると神崎と共にこれからの一之瀬クラスの代表格になるのではないかと思いました。

 同調圧力という言葉は宗教関係でもよく聞く言葉で、一之瀬クラスが実際にそういった状況になっていてそれを危機と感じた神崎の行動や姫野の勇気を振り絞った発言は考えさせられるものがありました。
 こういった状況では少数派の意見は消されてしまいますが、逆に言うと少数派でなければ意見が消されることは少なくなるとも言え、これからの神崎達が一之瀬クラスをどうやって変えていくのか楽しみです。


 長谷部に関しては、佐倉が退学になったことで綾小路と堀北に復讐する予定で、三宅も長谷部についていくという展開でしたが、その復讐内容は自分達が退学になることで綾小路や堀北がAクラスに上がれなくするといった内容でシンプルでありながら1番効果的なものでした。

 しかし、綾小路や櫛田が佐倉が退学してもなお新しい道を進もうとしていることを長谷部達に知らせることで自分達が退学しても佐倉の為にはならないことや佐倉自身がそれを望んでいないことが分かると退学を辞め、自分達もAクラスで卒業しようと前を向くという話でした。

 退学してから新しい道を進むという行動はとても難しいもので、普通は挫折したまま立ち止まったりしてしまいますが、佐倉は綾小路達と出会ったことで今までの自分とは違う自分になる決意を徐々に持つことができ、その決意が揺るぎないものになったからこそ退学してなお新しい自分の道を進もうとしているのだと考えると佐倉の学校生活はとても貴重で特別なものだったと言えるでしょう。

 いずれにしろ、精神的な成長を遂げた佐倉は道は違えど綾小路達とは違う道で戦い続けているにだと考えるとなんだか応援したくなりました。

 ちなみに最初に退学した山内は今頃一体何をしているのか。成長しているといいですね。


 そして、八神の敗北について。今巻のホワイトルーム生絡みの話で遂に綾小路と八神の決着がつきました。

 綾小路と八神が面と向かって戦うのかと予想していましたが、むしろそんなことをするまでもなく八神が綾小路の策略にハマって自爆していったという結果でした。

 ホワイトルーム生との対決はそろそろ着く頃かと予想していましたが、今巻で終わるとは思いませんでした。
 八神が今まで好き勝手やってきたことのツケが回って最終的に逃げ場がなくなって自暴自棄になったところでホワイトルーム関係者に天沢と一緒に連れ戻されたという結末でした。

 最終的に1年生から退学者がでたという話は椿や宇都宮から知らされましたが、その人数は明確に明記されておらず少なくとも八神は退学させられたと考え、天沢はまだ退学していないのではと思われます。

 理由としては、天沢が残ったとしたら天沢の役目は綾小路の行動を監視したり綾小路父にそれらを報告する役割があるのではと思います。
 
 また、ホワイトルーム関係者は電話で呼ばれて生徒会室に呼ばれましたが、その電話をかけた相手は分かっておらず、綾小路に関係するホワイトルームに関する情報を八神が暴露して周知させない為に天沢自身が電話を掛けたのではないかと思い、そうなれば天沢にはまだ情報を探る役割があるので退学にはなっていないという推理です。

 今回の八神関連の話は、各登場人物の評価や見方が変わったのが特徴的でした。
 
 今まで生徒会長である南雲についてあまり好印象を持っていない読者も多かったと思いますが、今巻で南雲という人物の掘り下げが行われました。
 南雲自身が抱いている退屈感を埋める為に堀北学や綾小路といった学年を越えて戦いたいといった欲があること、同学年には自分が納得する良い勝負ができる人物が少ないなどといった南雲ならではの苦悩を持っている人物であることが明かされました。
 また、生徒会メンバーである八神が退学したことで生徒会としての地位や威厳などをどう取り戻すのかという点にも着目していきたいです。
 
 他にはホワイトルーム生である八神はこれまで綾小路以上の存在なのでないかと様々な行動を起こしてきましたが、最終的には綾小路の裏の裏を書いた戦略によって自らが退学となる道を進ませられたようでした。
 この時の八神がは一気に小物感が出ており、逆に綾小路はもっと高次元の化け物感が出ていました。挿し絵の綾小路が顔を晒していない所が特に良かったです。


 他にも茶柱先生がメイド服を着させられたり、綾小路が真顔でエロティシズムについて語っている部分などは読んでいた楽しかったです。

 今回の文化祭は次巻以降につながる伏線も多々張られた巻であり、次巻以降で明かされる事も多々あります。

 そんな中気になる点がいくつかありました。

 文化祭で坂柳と1年Dクラスが交わした契約が何なのか、八神退学後の天沢の動向及び以前天沢と坂柳が対決するのはいつ頃なのか、神崎&姫野が動き出した一之瀬クラスの今後、そして、南雲と綾小路の対決など気になる点は多いです。

 その中で個人的に1番気になっているには、天沢vs坂柳についてです。

 今回は八神が綾小路の策略にハマったという結果でしたが、それはホワイトルーム生の中での話であって、ホワイトルーム生である天沢と高度育成高等学校Aクラスのリーダー坂柳がどれほどの実力なのかが判明すると面白くなりそうだなと思いました。

 今巻で坂柳が1年Dクラスと何かしらの契約を結んでいたことも天沢との対決に向けての下準部なのかもしれません。

 本物の天才は失敗しないと言った坂柳とホワイトルームで育ち綾小路よりも下の実力と判明した天沢がどのような対決をするのか今から楽しみです。

 他には、一之瀬クラスがどんどん変革を起こそうとしている中、1年前に綾小路は一之瀬にある事を伝える為に3学期までに生き残っていろと言っており、その時がもうすぐそこまで迫っていると考えるとよう実が最終盤に差し掛かっているとも捉えられ、楽しみでもあり悲しくもあります。

 もうすぐアニメ2期目が放送され、よう実人気が出てき原作を読んでくれる方が多くなってくれると嬉しいなと思います。

 次のよう実記事は今巻の時系列に基づく解説にしようと考えています。

 原作&アニメ同様よう実を楽しんでくれる方が少しでも多くなってほしいので、よう実に関する記事も度々更新していきたいと考えていますので興味がある方は楽しみにしていてください。

 では、また。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?