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「ソロ温泉」はアクセスのよい温泉へ

ひとりでの温泉旅行(=ソロ温泉)の目的は、一人の時間を確保し、温泉で心身のリフレッシュを図ることである。だからこそ、できるだけ長い時間、現地に滞在したい。

そこで候補地として浮上するのが、アクセスが便利な温泉地である。今回は(おもに)東京近郊からアクセスのよい温泉地を紹介しよう。

都心からなら車よりも電車が便利

「できるだけ長い時間、温泉地で過ごしたい」という人は、短時間でストレスなく移動できる温泉地を目指すといいだろう。移動時間をできるだけ短くすれば、温泉と向き合う時間を多く確保できる。

また、移動時間を楽しめないせっかちな性格の人や、何事をするにも腰が重い人、面倒くさがりの人にも、短時間で到着する温泉が向いている。いずれにしても気軽に移動できるので、ソロ温泉初心者にもおすすめである。

都心から温泉地に向かうなら、断然、電車が便利だ。車の旅も楽しいが、渋滞に巻き込まれたら時間のロスだし、ストレスもたまる。

たとえば、都心から箱根に車で向かう場合、道路が空いていれば1時間半ほどで到着するが、渋滞していれば2時間、3時間はかかる。帰りも同様である。その点、小田急線の新宿駅から特急ロマンスカーに乗り込めば、1時間40分で箱根湯本駅まで到着する。乗車中に本を読むなど、自分のしたいことに没頭できるのも電車移動のメリットである。

理想は「駅近の温泉地」

早く温泉に入りたい人にとって理想的なのは、「駅に降り立ったらすぐに温泉街」というロケーションである。

たとえば、越後湯沢温泉(新潟県)。スキーリゾートのイメージが強いかもしれないが、川端康成の小説『雪国』の舞台となったように、もともとは温泉地である。

東京駅から上越新幹線で、約1時間20分で到着する。駅から徒歩圏内に温泉宿が点在し、川端康成も入浴した「山の湯」という源泉かけ流しのすばらしい共同浴場もある。ゆっくり昼すぎに出発しても15時のチェックインまで余裕があるのは大きなメリットである。

伊豆半島(静岡県)では、熱海温泉や伊東温泉、北川温泉、熱川温泉、稲取温泉、伊豆長岡温泉などは駅から徒歩圏内に温泉街が広がる。関西圏では、城崎温泉(兵庫県)や有馬温泉(兵庫県)などは温泉街の近くまで鉄道が延びている。石和温泉(山梨県)、鬼怒川温泉(栃木県)、川治温泉(栃木県)なども都心から特急でアクセスしやすい。

1~2時間くらいで到着する温泉地なら、当日に思い立っても手ぶらでソロ温泉を敢行することができる。

意外とラクにアクセスできる山形の温泉地

穴場は、山形新幹線沿線である。この沿線はまさに温泉銀座。地理的には遠く感じるが、新幹線に乗ってしまえばそのまま温泉地まで運んでもらえる。赤湯温泉や上山温泉、東根温泉などは最寄り駅から徒歩で温泉街までアクセスできる。

駅からバスに乗り換える必要はあるが、米沢駅からは小野川温泉や白布温泉、新高湯温泉、山形駅からは蔵王温泉、大石田駅からは銀山温泉、新庄駅からは肘折温泉とメジャー級の名湯が目白押しである。

これら山形新幹線沿いの温泉は、「本格的な温泉旅を楽しみたい、でもアクセスはしやすいほうがよい」というわがままなリクエストに応えてくれる。

「空港から近い温泉地」も狙い目

自宅から空港にアクセスしやすいのであれば、飛行機で温泉地まで一気に飛んでしまう方法もある。

たとえば、東京から北海道や九州の温泉にアクセスするのは距離的にハードルが高く感じられるかもしれないが、ひとたび飛行機のシートに腰をおろせば案外近く感じるものだ。

たとえば、北海道・函館に湧くアツ湯の名湯で、海産物の食べ歩きも楽しめる湯の川温泉は、函館空港からバスで10分もかからない。羽田空港から函館空港までは1時間半弱のフライトなので、下手に東京近郊の温泉地に電車とバスを乗り継いで行くよりも早く到着する。

日本が誇る温泉地である別府温泉(大分県)は大分空港から車で30分ほど、鹿児島空港から近い妙見温泉(鹿児島県)はバスで25分ほど。四国を代表する温泉地である道後温泉(愛媛県)は松山空港からリムジンバスで40分ほどである。

飛行機を使って旅に出る場合、どうしても欲が出て観光に足が向いてしまうが、ソロ温泉は入浴がメインである。きちんと入浴の時間は確保したい。1泊2日も無理ではないが、できれば2泊以上したい。そうすれば、飛行機で遠隔地に行っても十分にひとりの時間を満喫できる。

遠くまで足をのばす旅なのに、温泉以外には目もくれない。ある意味、贅沢な旅といえるのではないだろうか。

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