19歳 音楽と漫画が好き

19歳 音楽と漫画が好き

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砂時計

舞い降りた天使は小さなゆびで、宵の空に浮かぶ数多の星に触れた 星の光が天使の羽に反射して、七色にきらめく 暗闇に閉じ込められたこどもたちも顔を出して 一際明るく美しい天使を みつめて 追いかけて 憧れて 「あなたたちは何でもできるのよ!」 「何にでもなれるのよ!」 世界の"美しさ"だけを詰め込んだような天使が、自由を説いている 皆、彼女の言うことを信じた 真実に気づいているひとりの少年は、天使の言葉を聞いて思わず耳を塞ぐ 天使の言うことは、少年にとっては大嘘 堅苦し

    • 蒼の陽炎

      忘れたと言い張っていることは 本当に忘れてしまったのか 忘れたいと思っているからそう言うのか それとも、忘れたくない思いと混在しているのか なかったことにしようと思うけれどそうはできない、そんな記憶の一つや二つくらいきっと誰にでもあるだろう 学生時代のきらびやかな記憶は、それが春夏秋冬どの季節のものであろうと、全てひっくるめて「青春」と呼ばれる 春は始まりと終わりの重なりだから、人生の中ではっきりと残るものの象徴なのかもしれない 青春の眩しい記憶はきっと大人にな

      • 寂寥

        時計の針が0時を回った時、 嬉しい日と嫌な日があって 時計の針が12時を回った時、 もう今日はあと半分しかないのかと思う日と あと半分も残っているとうんざりする日がある 世の中は暖かく冷酷であるから、 本当に最初から最後までうまくいく人と 本当に最初から最後まで何もうまくいかない人がいる 「頑張り続ければ必ず成功する」 そんなわけないよなぁ 必ずだって言うんだったら、何も怖くないじゃない 約束されていないものに自分だけが立ち向かわなくてはいけないから、挑

        • ファンタジー

          まるで夢のよう 貴方という人に出会えたこと、貴方という人を知れたこと いつかその似合う場所で輝く貴方を、この目ではっきり見てみたい 暖かい色で綺麗なものを写真と心に収めるその感性、とっても素敵でまっすぐ 貴方のことを本当に心から尊敬しているし、心から大切に思っている  知れば知るほど優しくて、そのまなざしも言葉も まるごとぜーんぶ、だいすきでたまらない 鋭い言葉に惑わされる日、 人々の期待に応える気力がない日、 どうやって自分を動かせばいいのか分からない日

        砂時計

          脆い

          脆く痛い夜 脆くいたい夜 眠れない、闇に飲まれて 心のどこかに大きくて薄い不安が潜んでいて 安心が恋しくてたまらないから 眠れない 脆い自分も愛せなくて痛い 脆い自分さえ大切にしていたい わからない 未来がわからない わかりたいけどわからなくていいとも思う 私はどうやって生きるのだろうと疑問に思うと、 もう眠れない 何も上手くいっていない未来だったらどうしようか? 道を作る力も勇気もないさ できれば夢の中で生きたいのです だめですか、そうか で

          にんげんのうた

          人は美しいけれど それだけじゃなかなか上手くいかなくて 汚いところもあるんだな 変なプライドや意地が 割り込むように入ってきて ほんとうのきもちなんて放ったらかしで だからさ もし綺麗なことばっかり書いてたとして そのひとつひとつは 本当に逃げ場を探している人には 伝わらないことばってことになる 人間くさいものは 鬱陶しいと誰かに蹴飛ばされたその先で 必要としている他の誰かが拾い上げる 生きている限り現実があって 現実に揉まれてぺしゃんこになって

          にんげんのうた

          ランデブー

          「いつもの場所で待ち合わせよう」 今日はとっておきの日、とくべつな日 せまい空間を抜け出して 太陽がいちばん眩しくて熱い時間 これからのすべての季節に すべての唐突な絶望に 飽き飽きしてしまう日が来たって 君にだけは死んでも飽きたくないから 眺めのいい電車に乗ろう どこまでだって乗り継いで ほかの人たちは知らない ほかの人たちには分からない 秘密の森へ出かけよう だからほんのちょっと、すこしだけ 呆れないで待っていて ちゃんと上手くいくからね

          ランデブー

          仮想空間

          雲に隠れ 月光を避け ひとり、静かに生きる 夢見たその空想が 空回りすることがないように ゆっくり、ゆらゆら近づいて まるで触れていないかのように 繊細に ゆるやかに その手をにぎれば ほんのちょっと、見えないくらいすこしでも 夢をみることができるでしょうか 花を想いながら 風を聴くように 星を唄いながら 月を呼ぶように わたしはわたしを 染め上げる 揺れる橋を渡る 落ちないように、慎重に その胸の高鳴りがおさまったら 透明の花が咲い

          仮想空間

          よりどころ

          夜のような人になりたい 夜更けにひとりぼっちで目が覚めても なんにも寂しくないように 水のような人になりたい 喧騒も悲鳴も飲み込んで 全て洗い流してしまえるように 歌のような人になりたい 痛みを乗り越えられなかったときも 傍らにあった幸せをいつしか逃したときも 逃げたその先に行き着く、あたたかい場所であるように 陽だまりのような人になりたい 暗い闇の中に迷い込んでも 目に映るものの一つ一つが冷たく見えても その光の真ん中に座り込んで、息を整えることが

          よりどころ

          失落

          それは、実に絶望的なことだと思う。 ひょんなことから、何かを失くすことは残酷なことだと、そう知ったから。 大切な本を失くした時には、心を満たしていたものがひとつ欠けて、色を霞ませる。 お菓子の袋は、中身をぜんぶ食べてしまえばそこにある意味を失くしてごみになる。 お金をたくさん握った日には歯止めが効かなくなって、自分の欲を無意識に晒すようになる。そうしてそのうち、本質を忘れる。 何か大切な気持ちを失くした時には、そこにぽっかりと穴があいて、冷たく刺さるような風が吹き抜

          煌めく星々に花束を

          音楽というものは、本当にすごい。 その世界は、なんでもありなところ。 自分で好きにやっていい。何をしてもいい。 歌わなくてもいいし、アカペラでもいいし、いきなりとんでもない転調を入れてもいいし、なんか違うと思ったら何度でも書き直していい。 自由すぎてどうしようもなくなるくらい、全てが何にも縛られない世界。 今年も日々を彩ってくれた自由な世界へ、下手くそな文章で気持ちを贈ろうと思う。 たぶんそういうこと 音楽は「音を楽しむ」と書く。 縛られるものがないことは、音楽

          煌めく星々に花束を

          色彩

          とても疑問に思う。 「色褪せた街」を表現するとき、 「光のない目」を表現するとき、 「曇った気持ち」を表現するとき、 どうして、灰色という色が使われるのか。 灰色が暗く見える人が多いのかな。 褪せたものみたいに見えるのかな。 今まで幾度となく考えてきたけれど、私にはそう思うその考えがよく分からない。 否定じゃない、分からないだけ。 街が灰色だったからといって、褪せているのか。 確かに、赤や青みたいなパキッとした色と並べてみたら、少し味気ないというか、薄く見え

          二度目の秋

          大切な、愛する貴方へ。 貴方に出会ってから、今日で2年が経ちました。 辛い時も、上手くいかない時も、苦しい時も、いつだって私を支え続けてくれたのは間違いなく貴方です。 貴方がいなければ私はとうに倒れていて、起き上がる気力さえなかったように思います。 今日だけは、貴方と出会えた幸せについて、少しお話をさせてください。 はじめまして 2年前の9月23日。 カムバックをしたばかりの、活動真っ只中の貴方に私は出会いました。 銀と紫がグラデーションになったような鮮やかな

          二度目の秋

          信じる

          ずっと前から思ってること。 貴方は、誰かのことを信用できていいね。 人に対して真っ直ぐにぶつかっていけていいね。 心を許せる親友がいていいね。 我ながらひねくれてる。性格悪いと思う。 いつもそうだった。 仲良くしてくれる友人のことも、10年近くの友人のことも、心から信用できない。 誰かが私に向かって言う優しい言葉も、信用できない。 全部が上辺だけだと思ってしまう。 私は、誰のことも信じられない。 裏切られたとき、人はとても悲しい気持ちになる。 信じていたの

          信じる

          金木犀

          秋が香る。 学校から帰るとき、いつもみたいに自転車で田舎の道を通った。 向かい風になびくポニーテールは、自分で言うのもなんだけどちょっといい感じだった。 少し夏の蒸し暑さが残った、九月十日 金曜日。 風に乗って、金木犀の香りが飛んできた。 はっとして、思わずブレーキをかけた。 昨日はこんな匂いしなかったのに。 きょろきょろと辺りを見回すと、家の庭に立っている一本の木。 宝物を見つけた気分。 金木犀の自然な香りに包まれるあの瞬間が好きで、私が秋を生きる理由はそれし

          金木犀

          心の鞄

          私の鞄  重すぎて持てないくらい 入れたいものを何もかも詰め込んだ   そしたらパンパンに膨らんで 重くなっちゃった 心の鞄、素敵な鞄 きらきらおしゃれな鞄 じゃあ、そんなはなしをするね 弾ける 私の鞄には、四季が入ってる そんなわけって思うかもしれないけど、本当 鞄を開けたら風が吹くの いろんな色した、虹の七色も超える風 春は鞄の中がピンクでいっぱいだし、  夏はガラスの砂浜に桜色の貝殻と琥珀色の貝殻が散らばってる 秋はオレンジの葉が風に乗って揺れて

          心の鞄