VIVE Flow 体験レビュー
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VIVE Flow 体験レビュー

塩川 誠@xRデザイナー・UXデザイナー
VIVE Flow 外観

HTCから発売された新型VRヘッドセット VIVE Flow を購入しました。

ついに出た!という印象のグラス型VR機器です。

コンテンツをすべて試す時間はさすがに取れないので、本体と基本操作部分の良かった点、残念だった点についてレビューしていきます。

良かった点

かけやすい

クマー

VIVE FlowはこれまでのHMD(ヘッドマウントディスプレイ)型のVRゴーグルと違って、サングラスのようにフレームを開いて耳にかけるだけなので、装着がめちゃ楽です。一瞬です。


軽い

左:Oculus Quest 2 右:VIVE Flow

Oculus Quest 2 エリートストラップ付きが639gなのに対し、VIVE Flowは189gしかありません。(3分の1未満)

Quest 2 では前方に重さが偏るので、装着すると頭を前に倒されるような重みを感じるのですが、VIVE Flowではそれがありません。単純に軽いのはありますが、前後の重量バランスも優れているようです。


髪がつぶれない

VRゴーグルが日常使いになるには致命的な弱点が、髪がつぶれることでした。

これ、男性の方はあまり気にしない人も多いのですが、女性の方何人かに聞いたところ、髪つぶれの時点で全員NGでした。

VIVE Flowは「頭にかぶる」のではなく「耳にかける」ので、髪はほぼ乱れません。これはVRが日常化するにはかなりのプラスポイントだと思いました。

VRゴーグルで避けられない髪つぶれ
つぶれなーい


顔に優しくフィット

VIVE Flowの顔が当たる部分の素材はとても柔らかく、鼻まわりも含めぴったりフィット。Oculus Quest 2で起きがちな、鼻まわりの隙間からリアル部屋が見えてしまって急にさめることはありません。

またこの柔らかさは、メイクをしている女性にも配慮されたつくりだと感じました。今回のVIVE Flowは女性が日常使いすることを強く意識して開発されたように思えます。


レンズが曇らない

VIVE FLowは換気システムがついており、起動してから1分もしないうちに換気が始まります。密着度が高いので構造的に曇りやすいのですが、この換気システムのおかげですぐにレンズの曇りがなくなります。

最初は「面白いなぁ」くらいの感想だったのですが、後日この威力を実感したのが、お風呂上がりで湯気ムンムンの状態でかけても曇らず、またマスクをしながら使用しても曇らなかったのです。これには驚きました。

VIVE Flowは「リラクゼーションとウェルネスのためのVRデバイス」という触れ込みらしく、風呂上がりにリラックスVRを体験なんていうシーンが思い浮かぶステキ機能なのでした。

VIVE FLow 内側
上に見える穴が換気口、レンズまわりの数字が焦点調整


メガネ・コンタクトなしで使える

視力の悪い人(僕もそう)にはめちゃ嬉しい機能として、VIVE Flowのレンズには焦点調整機能が付いています。しかも片眼ずつ別々に設定でき、レンズを回すだけで可能です。

僕は視力がかなり悪く、0.01と0.03くらいしかない上に乱視なのですが、VIVE Flowは裸眼で綺麗に見れました。なかなか感動します。

やはり、風呂上がりにメガネ(またはコンタクト)を外した状態ですぐ使えるというシーンを想定しているように思えます。画期的な機能が盛りだくさんでテンション上がりますね。


持ち運びがしやすい

左:Oculus Quest 2 ケース 右:VIVE Flow ケース

VIVE Flowはただでさえ小型ですが、フレーム部分が折り畳めるのでこんな小さなケースに入ります。

ケースのサイズは直径10cm、高さ20cmの円筒です。リュックでなくても、小さなポーチですら入りますね。

念のため よっちゃん丸との比較も載せておきます

残念だった点

とはいえ良い点ばかりではありません。残念だった点も挙げていきます。

Android必須 / 一部機種しか対応していない

Android スマホが必須で、かつ こちらのページ に記載のスマホしか原則対応していません。残念ながらiPhoneは対象外です。

元々Google Pixel 5 を持っていたのですが対象機種ではなく、泣く泣くASUS Zenfone 8 を購入しました。(価格ドットコムで約70,000円)


安くはない

Oculus Quest 2 は37,180円(128GB、税込)なのに対し、VIVE Flowは59,990円(64GB、税込)です。

ハイエンドHMDに比べたらかなり安いほうなのですが、Oculus Quest 2 の性能と比べるとちょっと高く感じるのと、上記のAndroidスマホが必須のため、たまたま対応機種を持っていなければスマホ購入費もかかり、結果的に10万円越えとなります。


外部電源が必須

この状態でないと使えない

VIVE Flowは単体では電源すら入りません。Androidスマホ、またはモバイルバッテリーなどにUSB-Cケーブルで有線接続しなければ使用できません。

ケーブルが抜けたら(あるいは外部バッテリーが切れたら)即座に落ちるのか?  というとそれはないのが救いですが、外部電源がなくなると5秒のカウントダウン後にシャットダウンするので、あまり時間はありません笑

軽量化、本体の価格低減のためなど理由はあると思いますが、Oculus Questでケーブルレスを味わってしまうと、ちょっと残念です。


スマホによるコントロール

VR内で表示されるスマホ

VIVE Flowには専用のコントローラーはなく、Androidスマホをコントローラー代わりに使用します。

これが非常に使いづらいです。

まずAndroidスマホとVR内のスマホの位置が合っていません。やや離れた位置にあるように感じるため、操作がうまくできません。

またスマホ画面の4エリア(上、右、下、左)のどこをタップするかによって機能が変わるのですが、右をタップしたつもりが上部分だった… などが頻発します。これは早い改善が望まれますね。


VIVEPORT VRのUX(ユーザー体験)が悪い

まずVIVE Flowを起動すると、白い部屋から始まります。

起動直後の部屋

ここで試したいアプリなど選ぶのですが、VIVEPORT VRというところになぜか移動せねばなりません。

VIVEPORT VRどこそれ問題

僕はHTC ViveというハイエンドHMDからHTC製のVRを体験しているので、なぜVIVEPORTに移動するのかわかりますが、VIVE Flowで初めてVR体験する人にこれは意味不明だろうなと思いました。

白い部屋からいきなりダークシティへ移動

その点、OculusのUXはやはり良くできていますね ↓

Oculusでのホーム
ホームにいながらストアでアプリを見て、購入などできる
(Oculusでは体験が途切れない)


ではいざアプリを選択して、VIVEPORT VRに移動すると、選択したアプリが表示されたりされなかったりします。

↓「STYLY」を選んだのに、なぜか「GORILLA TRAVELS」が表示される

他にもちょっとバグっぽい挙動も多く、まだまだ発展途上だなという印象です。Oculusに比べると、HTCが提供しているプラットフォームとしてのソフトの品質が低いですね。
(各社が提供しているVRコンテンツとは別の話です)


コンテンツが少ない

VIVE Flow本体の性能の限界と、発売されて間もないので仕方ないですが、コンテンツが少ないです。

ざっと数えると、41コンテンツ(2021/11/27現在)だけでした。

  • A Gorilla Travels

  • The hydrous presents: EXPLORE (Flow)

  • The Turning Forest

  • VIVEPORT Video

  • VIVEPORT VR

  • DEEP

  • PAINT VR

  • VESTIGE

  • Holofit

  • Laver Cup

  • ClearVR Player

  • Headjack Link

  • mobfish VR STUDIO

  • VeeR: 映画、ドラマ、動画プレーヤ

  • Virti

  • VR-Suite by present4D

  • 3D Organon VR Anatomy

  • GRID - Sculpt The Sound

  • KnowFlow

  • Primitive

  • VirtualSpeech - VR Courses

  • VIVE SESSIONS

  • Horizons VR

  • Jam Studio VR - Education & Healthcare

  • ゲゲゲの鬼太郎 魂とアート VR魂の送り火

  • Interior VR

  • The Holy City - Jerusalem

  • Cosmic Flow: A Relaxing VR Experience

  • TRIPP

  • Visitations

  • Wonder Atlas: Moments

  • Mona Lisa: Beyond The Glass

  • MasterWorks: Journey Through History

  • ENGAGE

  • VIVE Sync (Mobile VR)

  • Art Plunge

  • Dinosaur Safari VR

  • The paper-cut museum

  • Uptale

  • VRidge Beta

  • STYLY:VR PLATFORM FOR ULTRA EXPERIENCE


目が乾く

換気システムはとても優れていますが、その分換気が強力なため、しばらく使っていると目が乾いてきます

これの解決法をTwitterで やのせんさん が教えてくださいました。ありがとうございます!


スクリーンショットや動画の転送が不便

Oculusのように専用ソフト(Oculus Developer Hub)があるわけではなく、手持ちのパソコンにAndroid File Transferアプリをインストールしないと、VIVE Flowで撮影したスクリーンショットや動画を取り出すことができません。

Android File Transfer
VIVE Flowの中を見るとこんな感じ

Oculus Quest 2 が特別簡単にファイルを取り出せる、というわけではないですが、Quest 2 はFacebookに投稿したりできるのと比べると、一般の方にはハードルが高いかと思います。

今後のアップデートに期待したいです。


月光仮面

どや

外で装着すると、なかなか見た目がエグいです。特にマスクと組み合わせると、古き良き日本のヒーローを彷彿とさせました。(友人には「トンボっぽい」とも言われましたw)


まとめ

  • デバイス本体は、「未来のVR機器はこうなる」というビジョンを示していてとても良い

  • Android専用なのはいただけない(世界展開を考えたらわかる気もしますが)

  • スマホコントローラーは操作感かなり厳しい

  • 頻繁に操作を必要とするようなゲームなどには向かず、映像や空間を楽しむコンテンツとの相性が良さそう


以上、VIVE Flowの体験レビューでした。

今後、個人的にはUnityでVIVE Flowのコンテンツを試作してみようと思います。お見せできるものができたら、また投稿します!

最後までご覧いただき、ありがとうございました ☆


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塩川 誠@xRデザイナー・UXデザイナー
xRデザイナー、UXデザイナー、哲学者|フリーランス13年目|ソライト代表|フルリモートワーク|主な仕事:抽象化・普遍性の発見、xR企画提案、UX改善提案、情報整理|趣味:アニメ、ゲーム、読書|元FF11、SecondLife廃人|人生略歴 http://qr.ae/TWzMt3