【振動】データ取得と解析の流れ
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【振動】データ取得と解析の流れ

振動くんの独り言

 皆さんこんにちは。振動くんの独り言の投稿です。
今回は振動データの取得方法と解析の流れについて記載して行きます。後半は実機の高速ファンを用いた異常解析手順を動画付きで説明していますが、一部情報は有料となりますのでご了承の程お願い致します。

1. 振動データの取得と振動評価手順について

 まず大まかな流れをフローにしてみましたので参考にして下さい。

データ取得と評価手順

1.1 データの取得について

 振動データを取得する前に準備するものとして、測る対象機器の選定、振動の種類(速度、変位、加速度等)、計測器の選定、サンプリング周波数の決定、収録時間の決定等があります。

 サンプリング周波数の決定とは、1秒間に保存するデータの量をどのくらい取得するか、周波数の最大はどこまで解析するのかという目安と思って頂いても構いません。

 サンプリング周波数(fsという)が決定すると、解析できる周波数範囲の最大周波数(fmaxという)が決まります。これをサンプリングの定理を呼びますが、通常fmax=fs/2.56 または fmax=fs/2 で表されます。
 周波数は異常データの解析によく使用される重要なパラメータですので覚えておいて下さい。

1.2 データの解析について

 1.2.1 時間領域の解析

 データを取得した後は、解析に移りますが、解析では、時間領域の波形から最大値、平均値、実効値等を求めていきます。求め方は計測ソフト等に備わっていることが多いです。下図はその一例を示します。右側の表が数値データです。

時間領域での振動値算出

 1.2.2 周波数領域の解析

 周波数領域の波形からは、振動のピーク周波数を算出して行きます。最近のソフトでは、ピークサーチ等の機能がありますので容易にピーク周波数を算出することができると思います。

FFT解析結果の周波数特定

 特異周波数というのは、回転体自身が持っている周波数やその機器に付属している部品から生じた周波数の事をいいます。

 例えば、毎分3,600回転(これを3,600rpmとかきます。)する回転体の基本周波数は3600/60=60Hzです。もしこの回転体に扇風機のような羽根が付いていたとすると、羽根の枚数に依存する周波数が発生します。5枚の羽根があれば、60×5=300Hzの周波数も発生します。その他には、歯車がつながっている場合は、歯車の歯数に依存する周波数も発生してきます。これらの特異周波数は解析する前に、事前に把握しておくことが重要です。

 異常周波数というのは、上記特異周波数以外で予め把握できていない周波数を総称して呼んでいます。

 振動問題の解析では、FFT解析結果の周波数よりこの異常周波数を見つけ、この異常周波数が発生した原因を探していくことになります。

1.3 データの評価・判定について

 1.3.1 社内基準による判定

  機械の重要部分の振動値に対しては各社独自の判定基準を持っているところがあります。その判定基準に従って、計測した場所の振動値が良いか、悪いかを判定して下さい。

 1.3.2 ISO評価基準による判定

  社内基準を決めていない場合は、ISOの振動評価基準で判定するか、もしくは機器メーカの推奨する判定基準で判定しても良いと思います。

1.4 記録・対策案の策定について

 1.4.1 記録

 測定したデータは機器のトレンド(傾向)を表すものですので、記録帳に整理して保存していきます。記録には、対象機器名、(機器の設置場所)、測定日、時間、測定者名を記録するようにしましょう。

 1.4.2 対策案の策定

 測定したデータに異常が見つかった場合は、その内容を詳細に記録し、正常に復旧させるための方策を考えて報告することが重要です。

2、実際の高速回転ファンの不具合を解析する方法

ここからは、実際の高速で回転している高速ファンとその筐体から生じた不具合について、一連の解決方法を記載していきたいと思います。興味がある方は覗いて見て下さい。内容は目次で概ね解ると思います。

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このマガジンを購読すると、一般的な文献では得られなかった生きた現場での事象を紹介しながら、基礎から応用まで幅広い知識を習得することができます。初心者の方にもわかりやすい丁寧な記事となっていますので、皆さんから好評を得ているNote記事です。一部の現場では、機械状態監視技術の資格が必要とされていますが、現場の知識や解析の実力がなければPaper Driverと同じ様なことになります。本記事は、現場を長年経験したことをベースに記載して行きますので非常にお得な記事になると思います。

振動についての基礎知識や現場での対策方法を増やそうと思っている方、振動の計測と解析をこれから始められる方、既に現場において振動の計測と解決…

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振動くんの独り言
設備の振動問題を解決する自称プロです。コンサルタント会社の代表をしています。振動の事だけに限らず、長年培った技術や知識を投稿して行きたいと思っています。