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【レース回顧Vol.11】第35回根岸S

今回はレース傾向から予想を構築。読みは概ね正しかったのだが、結論が下手過ぎてハズレ。実に勿体無い。先行争いが想定より激しくなり、例年並みの差し決着。展開読みの精度が低かったと言わざるを得ない。

このレースで上がり3ハロン最速をマークした馬は勝率54.5%、単勝回収値397円、複勝回収値224円というとんでもないことになっている。なお上がり3ハロン最速をマークした11頭は全て4コーナーで5番手以降、うち9頭は10番手以降からの差し込みだった。「後ろから速い上がりを繰り出しそうな馬」を買えば儲かるのでは、という仮説を立ててみる。

結果的にビンゴ。勝ったレッドルゼルは上がり3ハロン2位、2着ワンダーリーデルは最速。勝ち馬へのアプローチも限りなく正解に迫れていた(後述)だけに実に勿体無い。

昨年のフェブラリーSと武蔵野Sでタイムフライヤーに先着しているワンダーリーデル、カペラSで居残りワンツーに後方から割って入ったレッドルゼル、今回と同じコースで速い上がりを繰り出したブルベアイリーデも後ろから速い上がりをマークしている。ヘリオスとテイエムサウスダンは先行でマークした数字なのでここでは信頼度が落ちる。

これも結果的にビンゴ。ワンダーリーデルとレッドルゼルを言い当てているにも関わらず、何故かワンダーリーデルが無印…。ブルベアイリーデが5着に喰い込んで、ヘリオスとテイエムサウスダンはそれぞれ凡退。これは来年以降も使える根拠。使い回し決定。

距離短縮馬の複勝率35.9%は同距離組(17.2%)の約2倍、距離延長組(9.4%)の約4倍。'18年は距離短縮組のワンツースリーフィニッシュ。この年はハイペースで流れてレコードの差し決着だった。

ビンゴ。勝ったレッドルゼルこそガーネットSからの距離延長だったが、2着ワンダーリーデルは武蔵野S、3着タイムフライヤーはチャンピオンズCから距離短縮。距離短縮組がワンツースリーを決めた'18年と同様「ハイペースで距離短縮がハマる」というのは覚えておきたい。

以上を踏まえた上で今回の展開予想。明確にハナに立ちたいという馬は見当たらない。斤量を背負っているアルクトスが出していくか、それとも前走芝カマシで今回内枠のダイメイフジが仕掛けるか?前に行きたい馬は揃っているので展開的にはフラット。1,000M通過は例年通りの59秒前後を想定。前付け~中団待機が優勢。

これがドボン。「前に行きたい馬は揃っているので」の後がイケてない。競り合いの可能性は読めなかったのか。サクセスエナジーが出鞭を入れて先制、これにメイショウテンスイやダイメイフジ、スマートセラヴィーらが絡んでテン3ハロン34秒4。これは過去10年で'18年に次ぐ2番目のハイラップ。この時点で先行勢は全滅確定。

1着▲レッドルゼルは馬なりで前に出られたが、先行激化を見越して下げて中団の内。馬群の中で砂を被りながら脚を溜め、直線に向いても周りが壁。タイムフライヤーとテイエムサウスダンの間を抜けようとしたが狭くて中断、タイムフライヤーが抜け出した後、外に出して追撃。実質的にまともに追えたのはラスト200M。結果としてギリギリまで脚を温存出来たのが勝因。

2着-ワンダーリーデルはスタート正常でも周りが速くて自然と最後方付近。3~4コーナーでも最後方、直線に向いてステルヴィオの外に持ち出して進出開始。ラスト200Mで内の争いをまとめて交わしたが、寸前で抜け出したレッドルゼルだけは捉え損ねた。完全追い込み型で展開次第、今回は前半のハイラップが味方した。

3着△タイムフライヤーは前を意識して上がっていったものの、前が速過ぎて中団で自重。距離短縮でハイペースでも余裕の追走、直線に向いてからも追い出しを待つ余裕があった。すぐ前にいたテイエムサウスダンが内に寄って前がフリーになったところでスパート、一旦は完全に先頭に立ったが差し込み2騎にやられた。決め手では見劣らざるを得ない。

4着△アルクトスは外から若干行き遅れ、前の争いから引いて5~6番手の外を追走。4コーナーで馬群に入れ、直線は内から抜けてくる算段。しかし内は混雑していて追い出し保留、直線半ばでサクセスエナジーが抜け出した後の内に入れてスパート。グイグイ伸びてきて流石と思わせたが、外の勢いに呑まれてしまった。斤量と先行策を考えればこの馬も強い競馬をした。

7着◎デザートストームはいい感じでゲートを出たが、そこから引いていつも通りの後方待機。3コーナーから外を通って押し上げ、馬群の後ろから直線へ。しかし外はステルヴィオがいて出せず、前もヤマニンアンプリメがいて追えず。三浦騎手は大外から白い帽子が抜けていったのをチラ見していたが、内心「しまった!」と思ったはず。結局まともに追えたのはゴール手前。脚を余しての負けだったように思う。

15着△メイショウテンスイはスタートからガシガシ押してハナを取りに行く構えを見せたが内スマートセラヴィー、外サクセスエナジーがいずれも譲らず、3頭が雁行状態での逃げに突入。一旦引いたかと思いきや3コーナーでまた集まっていったのでダメだと思った。

16着○スマートセラヴィーは重心が後ろのタイミングでスタートが切られて半歩出遅れ、そこから快速を効かせてメイショウテンスイを交わしてハナを奪取。しかし終始メイショウテンスイとサクセスエナジーからプレッシャーを受け続けて余裕無し、直線に向いてからは全く追わずに流していた。

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