【競馬予想Vol.229】第27回秋華賞

今回のテーマ

※昨年と今年は阪神で代替施行。

先行脚質は苦戦

過去10年、前走4コーナーで4番手以内に付けていた馬は【1・3・3・65】、単回値1・複回値27、5番手以降に付けていた馬は【9・7・7・79】、単回値48・複回値81。

三冠レースで唯一内回りコースで行われる一戦で、4コーナーで馬群が凝縮しての差し合戦になりやすい。前走4コーナー4番手以内に付けていて勝ったのは2012年ジェンティルドンナ(前走・ローズS4コーナー2番手から勝利)のみ。桜花賞とオークスは差して勝利していた。

オークスからの直行馬が4連勝中

過去10年、オークスを経由した馬は【4・0・0・14】、単回値102・複回値40とピンパーで、目下4連勝中。ローズSを経由した馬は【3・4・7・56】、単回値13・複回値79、紫苑Sを経由した馬は【3・4・0・41】、単回値47・複回値40。

ローテーションに寡占傾向がみられる。近年は外厩が発達し、秋華賞だけに限らず前哨戦を使う意味が薄れてきている。2018年アーモンドアイ、2020年デアリングタクトもオークスから直行して三冠を達成した。


トラックバイアス分析・展開予想

木曜以降は快晴で馬場は乾燥。連日散水されても日曜朝時点の含水率は10%以下、クッション値は9.5。土曜の芝のレースは上がり3ハロン最速をマークした馬が5戦中3勝2着3回(5レースの新馬戦は上がり3ハロン最速馬のワンツー)と決め手が活きる馬場状態。レース当日も晴れ予報で決め手重視の馬場継続。トラックバイアスは内も残るがやや外差し優勢。今回はテンが速いブライトオンベイスが外枠に入り、逃げないと味が出ないタガノフィナーレとラブパイローが内、前付けで結果を出しているウインエクレール、ストーリア、スタニングローズ、アートハウス、サウンドビバーチェ、ウォーターナビレラととにかく前が賑やか。展開面からは差し一択。如何に距離ロスを抑えながら差し込めるかの勝負。


全頭分析

【-】ウインエクレール

(+)STV賞は先に動いた分の負け。1週前に栗東に入れて調整も好感。
(-)今回はやたらと同型が多い。初コース・初距離で即通用は疑問。

【-】ライラック

(+)フェアリーSは問答無用の外差し。前残りの紫苑Sでも差して3着。
(-)スタート下手。長距離輸送にも不安がありまともに走るか心配。

【-】タガノフィナーレ

(+)勝ち鞍は全て逃げ切り。同距離を逃げ切った直後で内枠ゲット。
(-)番手からの競馬では即詰み。今回他に速い馬おり内枠でも厳しい。

【-】ラブパイロー

(+)ハナ奪った時は3戦連続連対中。玉砕逃げで失うものは何もない。
(-)芝での勝ち鞍は重馬場。展開厳しい上に良馬場では太刀打ち不能。

【-】ストーリア

(+)前に付けて速い上がりを繰り出して3連勝。内枠引けたのは良い。
(-)ここ2走は少頭数で楽な競馬。相手強化で同型多数のここは辛い。

【-】メモリーレゾン

(+)札幌で古馬相手に4角捲り勝ち。阪神勝ちもあり意外と侮れない。
(-)前走4コーナーで手が動いて直線伸び切れず。距離は若干長いか。

【△】スタニングローズ

(+)オークスは唯一前で立ち回って健闘。ここも先抜け押し切り視野。
(-)今回前々で競馬する馬が多い。脚を使わされてラスト差され懸念。

【▲】ナミュール

(+)オークスは伸びない内突いて3着。一夏越して馬体パンプアップ。
(-)ベストパフォーマンスはマイル。1周コースの2,000Mは未知数。

【◎】スターズオンアース

(+)桜花賞は馬群を捌き、オークスは外差し一気。順当なら三冠。
(-)元々内にモタれるなどして勝ちあぐねていた馬。悪癖再燃懸念。

【-】アートハウス

(+)ローズSはブレず真っ直ぐ走って快勝。夏越して体幹強化感じる。
(-)緩い流れを前で押し切るスタンス。今回同型だらけで優位性消失。

【△】エグランタイン

(+)馬体増と共に劇的に成績向上。ローズSは差す競馬で上位に肉薄。
(-)前走で馬体重増止まる。7月から使い詰めで余力があるかどうか。

【-】ウォーターナビレラ

(+)桜花賞は僅差の2着。クイーンSも着順ほど大きく負けていない。
(-)距離不安を抱える上に先行脚質。前で粘り込みを期待するのは酷。

【-】エリカヴィータ

(+)新馬戦は中団外から差し切り。4年連続連対中の国枝師の管理馬。
(-)フローラSは内前決着の凡戦。フェアリーSは4角外回して凡退。

【-】ブライトオンベイス

(+)勝ち鞍は全て逃げ切り。行き脚あり外枠からでもハナ奪えそう。
(-)定量55kgで一気の距離延長。今回前に行く馬多く展開も厳しい。

【-】サウンドビバーチェ

(+)紫苑Sは実質半年振りの実戦で逃げて僅差。太目叩いてここ勝負。
(-)先行するには厳しい外枠。中団以降に置かれて付いて回るだけか。

【○】プレサージュリフト

(+)前走は外枠から積極的に行って力尽きる。差し構えで巻き返し。
(-)また外枠。16頭フルゲートの内回り周回コースで距離ロスは覚悟。


結論

スターズオンアースは桜花賞が10着までコンマ3秒差の辛勝だったが、オークスは大外枠からコンマ2秒抜けての完勝。近親にソウルスターリングがいる血統で、距離延長は歓迎材料だった。今回は400Mの短縮戦になるが、先行馬だらけで4コーナー付近が修羅場になりそうなだけに、スピードとスタミナを兼備した二冠馬の底力がモノを言いそう。

プレサージュリフトはゲート出が緩く毎回出遅れている上にまた外枠。1コーナーの入りで最後方付近に置かれるのは覚悟しなければならない。桜花賞は内前ジャスティス馬場で大外最後方では無理、オークスは行き脚強めで前付けしたのが結果的に裏目。今回は前が祭り状態で、絶好の差し切りシチュエーション。

ナミュールは阪神ジュベナイルフィリーズが出遅れ、桜花賞が中4週で馬体重減&内前ジャスティス馬場で外差し企画と敗因が明確。オークスも外伸び馬場の内を突いてのもので言い訳が付く。赤松賞やチューリップ賞の勝ちっぷりを見る限り差す展開が嵌れば突き抜けもありそうだが、ベストパフォーマンスはマイルっぽい。

スタニングローズは内回りの中山で重賞を2つ勝っており、今回の舞台設定自体は問題無い。オークスも前付けの馬としては唯一勝ち負けまで持ってきた。今回は前が手薄、せめて前後フラットなら一族悲願の3歳GI勝利が見えたが、無慈悲にも行きたい馬だらけで展開は完全に逆風。今年に入って4戦3勝2着1回のパーフェクト連対で来ているものの、今回はちょっとキツい。

エグランタインはローズSで穴馬として抜擢したが、その期待を裏切らない差し込みを披露して今回の出走権をゲット。馬体重が増え始めた4月以降は完全に別馬。まだ大衆に強さがバレていないようなので引き続き買いで良い。GIで二番手・伏兵扱い時の池添騎手を舐めてはいけない。

◎スターズオンアース
○プレサージュリフト
▲ナミュール
△スタニングローズ、エグランタイン
馬複◎流し、○-▲(計5点)、3連複5頭ボックス(10点)

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