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【レース回顧Vol.280】第97回中山記念

レース結果・収支

1着【▲】ヒシイグアス(5番人気)
2着【-】ラーグルフ(8番人気)
3着【-】ドーブネ(7番人気)
・・・
5着【○】スタニングローズ(3番人気)
・・・
8着【△】イルーシヴパンサー(6番人気)
9着【◎】ソーヴァリアント(1番人気)
・・・
11着【△】ダノンザキッド(2番人気)
・・・
馬複4点ハズレ 3連複6点ハズレ 3連単6点ハズレ
レース収支:-1,600 累計回収/投資:18,950/26,500(71.5%)


率直な感想

ゆったり流れて前残り、と読んだのに結果は差しワンツー。前で残ったのは軽視したドーブネ。軸馬ソーヴァリアントは直線ズブズブ後退の9着。パドックで太かったのを見て嫌な予感がしたけど、ここまで負けるか・・・。人気どころで切ったシュネルマイスターも内で詰まっていなければ勝ち負けだったし、何から何まで見当違いだった。


テーマの振り返り

勝利へのカギは4角4番手以内→ドボン

先行有利の傾向が明確。年明けの1回中山開催は仮柵を設置したCコース使用で、2回中山開催は前年年末開催以来のAコースを使用する関係で内前が残り易い。

4コーナー8番手のヒシイグアスとラーグルフによるワンツー。先行勢は逃げたドーブネを除いて沈没。なお、直線で内を突いて上がってきたイルーシヴパンサーとシュネルマイスターは壮絶に詰まって失速(後述)。


トラックバイアス分析・展開予想の振り返り

レース前の見解

  • 今週は金曜にごく弱い雨が降った以外は概ね好天、水曜は散水を実施。含水率は4コーナー12.1%、ゴール前10.4%、土曜朝時点のクッション値は9.9と良好な状態。

  • 前開催から1か月しか開いていないが、コースは前々開催以来のAコースを使用。土曜の芝5レースは概ね内前優勢、外差しで来たのは11R幕張S(4歳以上3勝C/芝1,600M)のフィールシンパシー(2着)ぐらい。

  • ペース想定:平均(59~60秒台)

  • ドーブネ、トーラスジェミニ、ショウナンマグマと逃げ候補は揃っているがどれも快速ではなく、何が行くにしてもレースを主導するだけ。ソーヴァリアントがこれらを見ながら好位を確保。ダノンザキッドもこの枠ならスタートが決まれば前か。淡々と進んで抜きどころが無く、例年通りの内前押し切りを想定。

レース指標

LAP:12.7-11.7-12.0-11.8-11.8-11.7-11.6-11.4-12.4
勝ち時計:1.47.1(良) テン3F:36.4 上がり3F:35.4

レースの振り返り

スタニングローズが絶好のスタートから前を伺うも、内からドーブネが先手を主張してハナ。ショウナンマグマ、ダノンザキッド、イルーシヴパンサーも前へ。ソーヴァリアントは5番手の外に入る。シュネルマイスターは中団の内、ヒシイグアスはその直後。ラーグルフはその外を追走。4コーナーを迎えたところでダノンザキッドは後退、ソーヴァリアントとリューベックが外を回して上がっていく。

ドーブネ先頭のまま直線へ。ショウナンマグマ、スタニングローズが並びかけにいくもドーブネが渋太く先頭をキープ。内からイルーシヴパンサーとシュネルマイスターが上がってくるも狭くなり失速。この間に外からヒシイグアスが急追、内の争いを一気に捉えて先頭。続いて外からラーグルフが突っ込んでくるもヒシイグアスが余裕を持ってゴール。

ヒシイグアスはスタートイマイチだったが出たなりの位置で競馬を進め、直線でスタニングローズの後ろから外に持ち出してラスト200Mで突き抜け。如何にも中山巧者を思わせる瞬間加速の脚。勝ち時計1分47秒1は一昨年に自身がマークした1分44秒9よりかなり遅いが、勝ち方は今回のほうが良かった。レース後コメントで気になったのは「風がすごい強いので」という部分。確かに4コーナーでは馬群の中にいた。

「強いメンバーがそろっていたと思うんですけども、そのなかで勝ち切ってくれて強かったと思います。ポジションは久々というのもありましたし意識していなかったんですけれども、馬のリズムを大事にというのと、あとは風がすごい強いのでできれば馬群の中でしっかり収めたいなというのは思っていました。ヒシイグアス自体はすごく能力のある馬なのであまり他馬は気にせず、とにかくリズムを大事に自分の競馬をしようと思っていました。(熱中症もあったが)大変だったと思いますが厩舎の方がうまく仕上げて下さって、きょうは返し馬に行く時もすごい良さを感じましたし、本当にうまく仕上げて下さったなと思います。まだまだこれからもやれる馬だと思います。次もやってくれると思うので応援よろしくお願いします」

レース後コメント(松山弘平騎手)
2023年2月26日の中山の天気と風向。
レースの時間帯は北西5Mの風。
コースに当てはめると4コーナーが向かい風、直線は左斜めからの風。
馬群の中に入れて強風を凌ぐヒシイグアス(赤矢印)。
外を通って追い上げた白丸内の4頭は向かい風の影響を受けたと推測される。
それでも来たラーグルフ(白丸内後方桃帽)は相当強い・・・?

1,000M通過60秒フラットの平均ペースでダノンザキッドが4コーナーで早くも失速。位置を取りに行っただけで11着はいくら何でも負け過ぎ。枠内駐立不良で1か月間の出走停止処分付き。ドバイに出走予定だったがこれで行けなくなってしまった。

「休み明けでも元気は良かったが、そのぶんピリピリしていた。いい位置で競馬はできたが、ポジションを取りに行ったぶん気負って、4角から脚が使えなかった

レース後コメント(北村友一騎手)

・ダノンザキッド号は,枠内駐立不良〔くぐる〕。
・ダノンザキッド号は,令和5年2月27日から令和5年3月28日まで出走停止。停止期間の満了後に発走調教再審査。

競走中の出来事等(JRA発表)

ソーヴァリアントは12kg増で過去最重量。見た目からして太く、残念ながら走れる状態にはなかった。絞れてくれば大阪杯でワンチャンあるかもしれないが・・・。それにしてもダノンザキッドとソーヴァリアント、いずれも中山で惨敗した経験があるというのは単なる偶然なのだろうか。

「ゲートを入ってすぐまでは落ち着いていたけど、周りがガタガタして少しテンションが上がった感じに。それでもレースではいい雰囲気で運べたが、追い出してから反応がなかった。何かあったのか。こんなに負ける馬ではないのですが…」

レース後コメント(横山武史騎手)

直線も強風が吹き荒れていたのはパトロールビデオを見れば一目瞭然。グラグラ揺れまくり。そんな強風の中、ドーブネは体を斜めにして内を2頭分開けて走っていた。そして急坂に差し掛かった辺りで急に内へモタれてしまい、内を突いて上がってきたシュネルマイスターとイルーシヴパンサーは進路が狭くなって失速。シュネルマイスターはラチスレスレのところまで押されていた。

制裁はイルーシヴパンサーのM.デムーロ騎手が過怠金1万円、ドーブネの武豊騎手は戒告。あれ?逆じゃないの?グラグラ揺れまくりのパトロールビデオをよく見ると、ドーブネが内に寄ってくる前にイルーシヴパンサーがシュネルマイスターに幅寄せしていた。その直後にドーブネが寄ってきて、シュネルマイスターは二重の不利を受けていた。これはまともなら3着は確実、2着もあったかもしれない。

・イルーシヴパンサー号の騎手M.デムーロは,最後の直線コースで内側に斜行したことについて過怠金10,000円。(被害馬:5番)
・ドーブネ号の騎手武豊は,最後の直線コースで内側に斜行したことについて戒告。(被害馬:5番)

競走中の出来事等(JRA発表)
内のスペースに先に入り込むべく内に寄せるイルーシヴパンサー(赤矢印)。
最内から上がろうとしていたシュネルマイスター(青矢印)に幅寄せしてしまう。
更にドーブネ(赤矢印)が内に寄ってきて最内の進路が詰む。
シュネルマイスター(白線内)は踏んだり蹴ったり。

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