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【レース回顧Vol.127】第16回阪神C

古馬混合のGIIにおいて、負担斤量を定量としているのは札幌記念と阪神Cの2つのみ。定量戦では格上も格下も同じ斤量を背負わされるので、普通に考えれば格上が断然有利。今年の札幌記念も上位3頭はいずれもGI馬だった。まずは格上にフォーカス。

えーっと、グレナディアガーズはGI馬ですけど。何で買ってないの?うん、分からない。ラウダシオンは買ってたけどアカンかったね。

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ラウダシオン、シヴァージが出遅れ。大外の2頭もフワッとしたスタートで後手。ダイメイフジが抜群のスタートから半馬身先制。

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しかしファストフォースが速く、内から早々とハナ確定。ホウオウアマゾンは控えて内の3番手、ダノンファンタジーも反応良く3番手につける。

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ホウオウアマゾン、ダノンファンタジーは下げ、ラウダシオンが前に出る。外からはルークズネストも前へ。あ、ヤバい。めっちゃいい感じだ。ソングラインは付いて行かされている感がアリアリ。

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あれ?グレナディアガーズ?抜群に折り合ってるやん。これは・・・。

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ファストフォースが単独先頭、好位からラウダシオンが抜け出してくる。ダノンファンタジー(緑)はその後ろ、ホウオウアマゾン(青)はその側で外の進路を模索中。グレナディアガーズ(黄)が外から差し込み態勢。

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ファストフォースがラチ沿い一杯で粘る。まああと1ハロンあるし止まるでしょ。ラウダシオンは右鞭に反応して外に張って失速、ダノンファンタジーのほうに寄ってくる。ガラ空きの内からはホウオウアマゾンが伸びてきた。

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ところであの緑の帽子は何?スゲー勢い。勝たれた。・・・グレナディアガーズ。ああ、やっぱり。あれだけ完璧に折り合われたらお手上げ。

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そりゃゴール前でガッツポ出ますわ。ダノンファンタジーは内を突いたホウオウアマゾンにも届かず3着。

ファストフォースがここも果敢にハナ奪取。ホウオウアマゾンは無理せず2番手追走。セイウンコウセイ、ラウダシオンがこれに続く。ダノンファンタジーはこれら先行集団をすぐ前に見ながら追走。グレナディアガーズは例の如く外から抑え切れない感じで上がってきて、ソングライン、ルークズネストは中団後方を進むことになりそう。ファストフォースのマイペース逃げでテン3ハロンは例年並みの34秒台前半を想定。直線は内が伸びないのでラチを頼りに残したい先行勢は厳しそう。馬場中央からのチョイ差しが理想で、4コーナー10番手ぐらいからの外差しに注目したい。

ただ一箇所を除いてビンゴ。しかしその一箇所の読み違いが致命的でハズレ。グレナディアガーズは1ハロン延長の締まった流れで完璧に折り合い、4コーナー10番手から外差しに向けて突き抜け。チョイ差しのダノンファンタジーを巡る争いで、相手は外差しと読んでいたが2着は内突きのホウオウアマゾン。

1着-グレナディアガーズはスタートで立ち遅れながらも楽に中団までリカバー、外にサウンドキアラを置いて抜群に折り合っての追走。勝手に前に取り付いていったマイルCSとはまるで別馬。中団外から直線外に持ち出し、上がり3ハロン最速の脚(34秒0)で突き抜け。溜めて差す競馬で勝ったというのは先々明るい材料。今後もこの勝ち方ができるかどうか。

【-】グレナディアガーズ
マイルCSは緩い流れで前に出てしまい、直線でサックリ差されて終了。先行勢が内枠に集まったここも先を越されて追いかけて前走の二の舞か。

2着-ホウオウアマゾンはスタートから行き脚が付き、一旦は3番手に取り付きながら外の馬に行かせて6番手付近を追走。そのまま内を通り続け、直線はラチから少し離れたところを通っての追い上げ。土が掘れるほど悪化した馬場の内を通って上がってきた。上手く溜めて乗った坂井騎手の好騎乗。内外フラットの馬場ならこの馬が勝っていたはず。

【-】ホウオウアマゾン
スワンSは差し決着の中で唯一前付けの3着、マイルCSは他に行く馬なくマイペース逃げで5着。今回は他にも同型がいて苦しい競馬になりそう。

3着◎ダノンファンタジーはスタートを決めて馬なりで前へ。ラウダシオンらに行かせて6~7番手を追走、直線に向いてから外に持ち出すソツの無い競馬を展開。外に張るラウダシオンの外から力で捻じ伏せに行ったところ、外からグレナディアガーズに並ぶ間もなく差し切られた。スワンSで負かし、自身より内を通ったホウオウアマゾンに先着を許した以上、力負けの感は否めない。

【◎】ダノンファンタジー
昨年のこのレースは前付けから難なく快勝。今回も前を見ながら進める好枠をゲット、実績ある舞台で連勝・連覇の目は十分。

5着△サウンドキアラはスタートを決めた上で他に行かせて中団後方の外を追走。4コーナーで外から押し上げていき、直線外に持ち出して差し込みを図ったところ、更に外からグレナディアガーズに交わされ、これに追い縋る形でフィニッシュ。3歳馬との勢いの差を感じた。

【△】サウンドキアラ
スワンSは内枠から行き脚が付き、経済コースを立ち回っての2着。勝ち切れないのがもどかしいが、前過ぎず後ろ過ぎずの位置からの差しは有効。

9着○ケイデンスコールはスタート後間もなく手綱を引いて明確に後方待機を主張。控えてもいいけど控え過ぎだろ・・・。前はそれほど速くないのに、後方2番手の内を走っていたのを見てダメだと思った。今回は一応内から鞭を入れて追い上げていて、納得が行く負けだった。

【○】ケイデンスコール
マイルCSは中団の内から直線も進路があったにも関わらず、何故か鞍上がスパートせず凡退。外差し勢の中ではGIIを勝っている格上だけに期待したい。

11着△ラウダシオンは1馬身ほど出遅れた後、押してリカバーしてそのままどんどん前に出ていって2番手。4コーナーを持ったままで回ってきて、直線に向いて外に持ち出しつつ前に迫っていったが、坂の上りで外に張って間もなく失速。積極的に行った分、ラストでツケを払わされた形。レース振りは悪くなかった。

【△】ラウダシオン
レース中の不利が相次いで走る気を失くしたのかスランプ気味。父はこのレース連覇、自身も芝1,400Mでは【3・1・0・0】。まともなら勝ち負けだが。

15着▲ソングラインは若干行き遅れ、外から押し上げて中団。前走に比べ行きっぷりが悪く、4コーナーで早くも押っ付けて防戦一方。直線は内に入れての追い上げで、途中までは差し込めていたが坂を上り切ったところで完全に失速。外枠が云々以前の問題。右回りアレルギー?

【▲】ソングライン
富士Sは軽く出遅れながら楽々押し上げ、直線進路を確保して突き抜け。ハイペース追走は問題無いものの枠が外過ぎ。位置を取りに行けるかどうか。

印を回さなかった馬についてもコメント。

【-】ルークズネスト
スワンSは行き脚今一つ、かつ道中不利で後ろに下がってしまい、直線もモタついて詰め切れず。後手確実のこの枠からどれだけ詰められるか。

5番人気17着。今回もスタートで出負けして、外から押し上げていく形。馬なりで前に取り付いていくのをみてやられたと思ったが、直線サッパリ伸びず。この枠から終始外を回らされたらやはりこうなる。

なお、直線に向いたところで競争を中止したベストアクターは右第1指関節脱臼のため予後不良となってしまった。合掌。

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