【レース回顧Vol.302】第83回皐月賞
レース結果・収支
1着【◎】ソールオリエンス(2番人気)
2着【-】タスティエーラ(5番人気)
3着【△】ファントムシーフ(1番人気)
・・・
9着【○】フリームファクシ(4番人気)
・・・
13着【△】タッチウッド(6番人気)
・・・
17着【▲】ホウオウビスケッツ(7番人気)
・・・
馬複10点ハズレ 3連複6点ハズレ
レース収支:-1,600 累計回収/投資:30,260/52,700(57.4%)
率直な感想
ソールオリエンスは能力は抜けている。内からどう乗るかだけ。・・・ほう、最初から外に行ったか。でも後ろから4頭目。これはマズったね。アカン、3コーナーで押してるのにまだ後ろ。トップナイフにも先に行かれた。無理矢理4コーナーで一気に動いて大外の大外の更に外。オワッタ。滅茶苦茶。こんなところからは絶対無理。届く訳無い。・・・ん?おあ?え?なんだコレ?差し切った?あり得ない!一点の隙も無い完璧な競馬をしたタスティエーラが皐月賞馬になってないとおかしいでしょ(謎の怒り)!桜花賞に引き続き、事前の想定を無にする意味不明な脚アゲイン。
テーマの振り返り
テーマ無しにつき省略。
トラックバイアス分析・展開予想の振り返り
レース前の見解
今週は金曜まで晴れ。火曜に芝刈り、火曜と木曜に散水を実施。しかし土曜は一日中雨が降り続き、土曜朝の時点で重。含水率は4コーナー14.9%、ゴール前14.4%、日曜朝時点のクッション値は8.0。前日より1.3ポイントも悪化。
中山は今週が3回開催のラスト。Bコースは3週目。土曜の芝は直線で内を通す馬はまばらで、専ら中央より外に持ち出してスパートしていた。日曜の4レース・8レース共に直線外に持ち出した馬が勝利しており、間違いなく外有利。ただあくまで外有利であって、後ろから外を回すようでは間に合わない。あのドウデュースですら届かなかった。外枠で差しに回りそうな馬は見送り。
ペース想定:速いが実質平均(58秒台、タッチウッド以降60秒台)
グラニット陣営から大逃げ宣言が出ているが、1,800MのスプリングSでも直線で脚が上がっていたので存在自体を無視。タッチウッド単独2番手の平均ペースを想定。ショウナンバシット、フリームファクシ、トップナイフなど内枠先行馬もインを取り切り好位を形成。外枠の馬は押して行かないと一段後ろの位置取りを強要されそう。武豊騎手のペースメイクなら速くならないので一応は前有利。先行馬が多い布陣で、前の踏み始めが早いと外差し(4角外前)が威力を発揮する。
レース指標
LAP:12.3-10.9-11.9-11.6-11.8-12.4-12.5-12.7-12.5-12.0
勝ち時計:2.00.6(重) テン3F:35.1 上がり3F:37.2
レースの振り返り
ソールオリエンスはスタートを決めて前付けしてくるかと思いきや、下げて他の馬を行かせた上で一気に外へ。内がヤバいのはリサーチ済みで、距離ロスを被ってでも外というのは分かる。まあいいんじゃないのと思ったが、1コーナーで後ろから4頭目にいたのを見てこりゃ無理だと思った。後ろ過ぎる。これでは間に合わない。
グラニットの逃げは速く、タッチウッドが我慢できずにグラニットに絡んでいって前掛かりな流れ。これは差し展開か?しかしソールオリエンスはまだ後ろ。出遅れて後ろから行ったトップナイフに先に動かれ、最内を通ったマイネルラウレアを除いて実質最後方。4コーナーを大急ぎで捲り上げてまたドリフトのように外に吹っ飛んでいって、大外の大外をぶん回したシャザーンの更に外を回す無茶苦茶な競馬。来れる訳がない。
前では4コーナー外前から真っ先に抜け出したタスティエーラが内で追い縋るショウナンバシットを突き放して1馬身強抜け出し。もう坂は上り切った。メタルスピードもファントムシーフも届かない。おめでとう、君が皐月賞馬だ。と、思ったら外から朝日が昇ってきて2着。そんなバカな話があるか(謎の怒りアゲイン)!タスティエーラの追走スピード、位置取り、スパートタイミング、抜け出した後の脚はどれを取っても完璧だった。月並みながら産まれた時代が悪かった。
1,000M通過58秒5、後半1,000M62秒1という強烈な前傾ラップ。にも関わらず、ラスト3ハロンのラップ推移は12.7-12.5-12.0。ハイペースで最後はキツいはずなのに加速。この展開でラスト1ハロンを12秒フラットで上がられたら他の馬はひとたまりもない。京成杯も加速ラップだったが、あのレースは1,000M通過62秒2で特に驚きは無かった。
ファントムシーフは中団追走から4コーナーでシャザーンの捲りに反応して一緒に外をぶん回し、シャザーンより一足早く反応。ただすぐ前のメタルスピードが外に張って外差しに持っていけず、メタルスピードの内から差し込んで届かなかった。メタルスピードが真っ直ぐ走らないのは今に始まった話ではなく、ファントムシーフにとってメタルスピードが前にいたのは不運だった。仮に外から差し込めたとしても、ソールオリエンスの破壊力の前には無力だった。
4着メタルスピード、6着シャザーン、7着トップナイフは上位3頭と同じく4コーナーで外を回したが、5着ショウナンバシットは内を通ってポジションを押し上げてきた。してやったりかと思ったが、タスティエーラとの追い比べで脱落。見た目には完敗だったが、これは評価しておいたほうが良い。
グラニット逃げ、タッチウッド絡みかけのハイペースでこれに付いていった先行勢はタスティエーラを除いて壊滅状態。スプリングSでも先行していたホウオウビスケッツはともかく、スタートから出していったベラジオオペラは完全に裏目。4コーナーで既に下がり気味、最後はバテバテで外に振ることすら叶わなかった。フリームファクシもこの展開で前付けではひとたまりもなかった。
タッチウッドは共同通信杯でわがままを許したことで抑えが効かなくなってしまった。レッドベルオーブの二の舞。このままのレースをするなら今後この馬絡みの馬券を買うことは無い。いくら素質があっても、自らそれを摘むような走りをする馬に大事なお金は託せない。
最後に今回の予想構築について記しておく。競馬予想はまず能力比較を行って、展開やトラックバイアスで強弱を付けるというのがオーソドックスなやり方。今回はGI馬不在、かつ重賞を複数勝った馬もいないということで潜在能力の見極めが主要テーマだった。となると、毎回レース回顧をやっている身としてはソールオリエンスを推さざるを得なかった。中山でドゥラメンテみたいな挙動をして2馬身半も突き抜ける馬なんて基本的に存在しない。展開や馬場でマイナスが付いてもまだソールオリエンスが最上位という見立てだったがやはり正解だった。2023年の皐月賞でソールオリエンスに◎が打てたのは今後の自信にしたい。
共同通信杯は巷で言われているほどハイレベルではなく、ファントムシーフがタッチウッドの無茶逃げをチョイ差ししただけ。これは今回の予想の中でも触れた。スプリングSにしても冷静に見ればハイペースが嵌っただけのことで、どうしようもないという感じではなかった。だったら変な挙動で突き抜けたソールオリエンスのほうがヤバいでしょって話。GI、それもクラシックを勝つ馬というのはヤバいエピソードの1つや2つはないと務まらない。
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