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【レース回顧Vol.190】第72回安田記念

レース結果・収支

1着【△】ソングライン(4番人気)
2着【○】シュネルマイスター(2番人気)
3着【-】サリオス(8番人気)
・・・
6着【▲】ダノンザキッド(7番人気)
・・・
10着【◎】ロータスランド(11番人気)
・・・
15着【△】ヴァンドギャルド(番人気)
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馬複10点的中!(17.4倍)
レース収支:+740 累計回収/投資:68,440/72,000(95.1%)
※ノーベット収支:0 ノーベット累計収支:+2,980


率直な感想

昨年のNHKマイルCの入れ替わりワンツー。ソングラインは最初から進路確保で順当勝ち。シュネルマイスターは力だけで持ってきた。サリオスはレーンさんが乗ると別馬になる模様。買った人気薄は来なかったけど、切った人気どころ(イルーシヴパンサー、ファインルージュ、セリフォス、ソウルラッシュ)も全部飛んだので予想としては満足。


テーマの振り返り

マイルGIに出走経験がある馬を狙え→ビンゴ!

このレースは毎年のように変なの(失礼)が上位に喰い込んで荒れているが、殆どの馬は着順はどうあれマイルGIに出走したことがあった。リピーターが多いのもこのテーマから導ける。「前にボロ負けしたから要らない」ではなく、「マイルGIの流れを経験しているから注意した方がいいな」という感性を持つことが重要。

ソングラインとシュネルマイスターは昨年のNHKマイルCでワンツー、シュネルマイスターは安田記念3着、マイルCS2着とマイル路線でグランアレグリアと接戦を演じていた「エリート」。サリオスも2歳時に朝日杯FSを制し、その後もマイルGIの常連。一方でイルーシヴパンサーはGIIIの東京新聞杯を勝っただけの格下なのに1番人気。4連勝中で買いたくなるのも分からなくはないが、このテーマに従えば「危険な人気馬」だった。イルーシヴパンサーは今回の経験を糧に、来年人気が落ちたところで買い。


トラックバイアス分析・展開予想の振り返り

先週から引き続きCコース使用。この中間は火曜と金曜に弱い雨が降り、晴れた日は散水を実施。クッション値は土曜朝が9.0、日曜朝が9.5。レースまで雨は降らない予報。前日は馬場の中央から差し込んで勝つ馬が目立ったが、内も使えなくはない状態。外を回すとしんどそう。内からホウオウアマゾン、ロータスランドが前へ。外からはレシステンシアとセリフォスが仕掛けて前に行きそう。全体的に後ろから行く馬が多く隊列は縦長。直線中団外からの差し込みが最有力だが、馬場が良くて縦長、時計が速いとなると先週と同様に内を通る馬に注意。

レース指標

LAP:12.2-11.0-11.5-12.0-12.0-11.2-11.0-11.4
勝ち時計:1.32.3(良) テン3F:34.7 上がり3F:33.6

ホウオウアマゾンがハナに立つも飛ばさず、ダノンザキッドも競りかけずスロー。縦長にならず一団で推移して、直線に向いてヨーイドンという展開。勝ち時計1分32秒3は過去10年で良馬場で行われた9回の中では2番目に遅く、テン3ハロン34秒7は3番目に遅く、上がり3ハロン33秒6は最速。流れが緩くて上がりで差が付かず、真後ろからでは届かなかった。


好走・凡退馬寸評、補足

1着【△】ソングライン

馬群の後ろに入れて折り合い重視で進むソングライン(赤矢印)。
当初の位置取りのまま直線外に持ち出すソングライン(赤矢印)。
2着シュネルマイスター(青矢印)、3着サリオス(緑矢印)も外。
内はガラ空きで、騎手の判断は「外差し馬場」。

スタートしてレシステンシアとサリオスに前に入られながらも、内に寄せて先行集団の直後を確保。3コーナーでサリオスの後ろから外の進路を確保し、直線も自然な流れで外へ。緩い流れで今回のウイニングゾーンは中団外からの差しだったが、まさにその位置でレースを進めて完勝。終始外を回らされたものの、終始芝が綺麗なところを通ることができたメリットのほうが大きかった。GIという大舞台で自分のしたい競馬が出来るのも実力のうち。

2着【○】シュネルマイスター

セリフォス(青矢印)が邪魔で外に持ち出せないシュネルマイスター(赤矢印)。
この後3コーナーにかけて内に戻っていく。
直線も外前は他馬が占拠、最終的に内に向けるシュネルマイスター(赤矢印)。

五分のスタートを切っても外から入り込まれて中団馬群の中。ただ馬群の切れ間から外へと誘導、外に出し切りたかったがセリフォスが邪魔で出せずこの後ろへ。その後また馬群の中に戻っていって、思うようなポジションが取れないまま直線へ。外めに誘導しても前はサリオスらがいて抜け出せず、内で凹んだレシステンシアの前に出る形で内に入れてスパート。終始一段後ろからの競馬を強いられ、力だけで2着に持ってきた。ソングラインとは枠順の差。今回は運が無かった。秋のマイルCSは輸送競馬に不安があるソングラインよりこちらのほうが上位。

3着【-】サリオス

4コーナーで楽に外前を取りに行くサリオス(赤矢印)。
ソングライン(赤矢印)も外から付いてくる。今回のウイニングゾーン。

前走でスプリント戦を使ったからか、行き脚が良く簡単に前に行ってレシステンシアの後ろを確保。流れも緩み、前で脚を溜められる絶好の展開になった。馬群の外を通らされたものの、外側の芝は綺麗で走り易く、持ったままで直線へ。手応えが良過ぎて、勝つのはこの馬かと思った。ラストで内外から抜かれての3着だったが、このところの不振を思えばよく走った。香港でも走ったように、レーン騎手と手が合うというのは間違いなさそう。

4着【-】セリフォス

ソングライン(青矢印)のすぐ後ろで馬場の良いところを通るセリフォス(赤矢印)。
Cコースの外側で距離ロス大でも、荒れた内を通るよりはマシだった。

スタートを決めながらレシステンシアとサリオスに簡単に行かれ、ソングラインにも先に行かれてこの後ろを追走。シュネルマイスターを内に追い返しつつ、自らは馬場の良い外を追走。ソングラインに付いていく形で直線外に持ち出して大外からスパートしたが、ソングラインと同じような脚色で差を詰められないままゴール。元々差し馬ではないし、ソングラインより後ろになった時点で勝ち目が無かった。想定では前で競馬して差され負けすると考えていたが、差し構えてこの内容なら次に繋がる。

5着【-】ファインルージュ

ダノンザキッド(青矢印)と一緒に内に入っていくファインルージュ(赤矢印)。
脚色も手応えも同じで、外からの「圧力」に同調するしかなかった。

軽く出負けしながらも飛ばす馬不在で楽々リカバーして中団馬群の中。その後もペースは上がらず、馬なりでダノンザキッドの後ろまで押し上げて直線へ。ダノンザキッドの内から交わしにかかったものの突き抜ける感じはなく、ダノンザキッドに気圧されるような形で次第に内へ入っていってゴール。馬場の悪い内に入らされたとはいえ不利とまでは言えず、今回も力負けの内容。「主な勝ち鞍:フェアリーS、紫苑S」ではこれが限界。

6着【▲】ダノンザキッド

左回りのレースなら左脚が先に付くのに、ダノンザキッド(赤矢印)は右脚が先。
ソングライン(青矢印)は左脚が先。他の馬も同様。

パドック気配が凄まじく、カリカリしていたのが全て気迫に変わっていたのでこれはいい勝負が出来るのではないかと思った。スタートを決めて馬なりで前付けし、緩いペースを味方に付けて2番手まで上がっていった。楽な手応えを有したまま直線に向き、早くも先頭に躍り出るような勢い。これは勝ったかと思いきや、右手前のままどんどん内に入っていった。結局手前が替わらないままゴール。手前変換ミスはこれまでもあったが、今回は致命的。強いのに不器用。実に勿体無い。

8着【-】イルーシヴパンサー

馬群後方で動くに動けないイルーシヴパンサー(赤矢印)。
直線一気に賭ける!と考えているのは他も同じ。
直線に向いてもイルーシヴパンサー(赤矢印)の前には分厚い壁が存在。
強敵揃いのGIで「真後ろから行って前がガラ空き」というボーナスは無い。

スタートはまずまずだったが行き脚が付かず早々と後方からの競馬。緩い流れで身動きが取れず、4コーナーに差し掛かってもまだ最後方付近。追い上げようにもここから外に持ち出さなければならず、外に持ち出しても前が壁。東京新聞杯は直線に向いて外に壁が無かったが、あれは相手が緩いGIII。安田記念はGI。ここではこうなることが目に見えていたので切ったが案の定だった。GIは出るだけで経験になる。今回の結果を活かすも殺すも馬自身と鞍上次第。

10着【◎】ロータスランド

ロータスランド(赤矢印)は位置取り中途半端、直線も前が壁。
手応えもイマイチで負けるべくして負けた。収穫無しの内容にガッカリ。

微妙に出負けした後リカバーせず中団からの競馬。流れが緩んで先頭まで5~6馬身の圏内、ファインルージュに付いていく形で直線に向いたものの、前が開かず手応えもイマイチ、通ったコースも内で伸び切れないままで終わった。前付けからのチョイ差しに期待したのに、中団からの競馬ではノーチャンス。ダノンザキッドのように前に出していってもらいたかった。

13着【-】ソウルラッシュ

ロータスランド(青矢印)とダイアトニック(緑矢印)の間の
僅かなスペースに突っ込むも前が塞がるソウルラッシュ(赤矢印)。

ゲートを出てからが遅く、速攻で置かれて後方からの競馬。3コーナーでシュネルマイスターに蓋をされて荒れた内を進まされ、外の進路を閉ざされたまま直線は中央を突いての追い上げ。スパートすればいつでも弾ける手応えだったが前が壁で追い出せず、痺れを切らせて僅かなスペース目掛けて強引に突っ込んだがダイアトニックとロータスランドにスペースを閉じられ失速。その後も進路が開かず、アクセル空ぶかしのままゴール。この馬もイルーシヴパンサーと同じく、大外進路ガラ空きで重賞を勝った馬。GIになると追い出したいスペースに他の馬がいるなんてことはザラ。負けて尚強しではなく、位置を取れないと次も同じことになる。

15着【△】ヴァンドギャルド

ヴァンドギャルド(赤矢印)は通ったコースもさることながら、
この時計で付いて行けないようではマイルGIでは厳しい。

スタートは出たが位置は主張せず、好位の内で控える競馬。荒れた内を通りつつ、最短距離を通って直線に向いたものの、直線半ばで付いて行けなくなりフェードアウト。やはり時計面で明らかな壁がある。今回のペースで付いて行けないようではマイルGIでは厳しい。

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