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【レース回顧Vol.22】第95回中山記念

今回の予想のポイントは「内前の高速馬場をバビットがどう乗り切るか」だったのだが、バビットがまさかの暴走。内田騎手は何とかなだめようとしていたが、一度点いた火は消せなかった。

20210228中山11R(1)

バビットがすんなりとハナ。パンサラッサは躓いて後方からの競馬になったが、ウインイクシードは外から仕掛けて2番手を確保。トーセンスーリヤは仕掛けず馬なりで3番手。ヒシイグアスも全くの馬なりで4番手。イイネ。

20210228中山11R(2)

バビットは最初のコーナーまでに内を取り切ったにも関わらず後続を離しての逃げを展開。ふむふむ、高速馬場を活かした時計勝負がお望みですか。あっという間に縦長の展開。

20210228中山11R(3)

バビットの内田騎手は手綱を引き気味に持っている。どうやら力んで走っている模様。ウインイクシードも首を下げて行きたがるのをなだめながらの追走。これは予定外か?

20210228中山11R(4)

ヒシイグアスは離れた単独4番手を馬なりで追走。直後にケイデンスコール、このレースがラストの蛯名騎手騎乗ゴーフォザサミットもここにいた。クラージュゲリエはこれらの後ろ。

20210228中山11R(5)

1,000M通過57秒8のオーバーペースで、バビットは4コーナーを迎えるまでに後退。ウインイクシードがこれに替わって先頭、トーセンスーリヤもいい感じで詰め寄っていった。ヒシイグアスはケイデンスコールと並んで前を追っていったがまだ差がある。

20210228中山11R(6)

4コーナーから直線へ。ウインイクシード(緑)が内前を取り切って先頭。トーセンスーリヤ、ヒシイグアス(黄)も好位を確保できている。ケイデンスコール(青)は内を捌けるかどうか。ハイペースで後ろにもチャンスがある状況。

20210228中山11R(7)

残り200M。先頭を行くウインイクシードに内からケイデンスコール、外からヒシイグアスが襲い掛かる。トーセンスーリヤは左右から抜かれる苦しい競馬。頑張れ、ウインイクシードを交わしたらド本線だ!

20210228中山11R(8)

ゴール寸前でヒシイグアスが内の2頭を捉えて先頭。トーセンスーリヤは失速。む、無念。替わって緑の帽子が飛んできた。蛯名キター!しかしこれは届かない!

20210228中山11R(9)

入線後。厳しい競馬だったので松山騎手に笑顔無し。その後ろで蛯名騎手は笑顔を見せていた。やり切った男の顔。ゴーフォザサミットはここでは足りないとみていたが4着まで持ってきた。蛯名騎手、これまで本当にお疲れさまでした!

開幕週らしくトラックバイアスは内前。しかもかなりの高速馬場で、前にいないとしんどい。但し逃げた馬は2~3着止まり、速い時計と同時に速い上がりを問う傾向が出ている(5戦中4戦で勝ち馬の上がり3ハロンが34秒台)ので、前付け+速い上がりの2点を同時に満たしそうな馬を上位に採りたい。

ビンゴ!これは見立て通り。バビットは速い上がりに懸念があったので、前付けが出来て上がりが速いヒシイグアスを軸にしたのは正解だった。2着ケイデンスコールも元差し馬で、追い上げる競馬はいわば本職。上がり3ハロンは共に最速の34秒2。至極妥当なワンツーだった。

展開予想。バビットはテンはさほど速くないが、このメンバーなら単騎逃げが濃厚。トーセンスーリヤは最内に入ったがハナに固執するタイプではないし、パンサラッサやウインイクシードも外枠に入ってしまったので番手で落ち着くか。ペースは速くならず、1,000M通過は61秒前後を想定。

これは大ハズレ。バビットは単騎先頭を奪えたものの、ウインイクシードに外から被せられてヒートアップ。1,000M通過57秒8、11秒台前半のラップを刻んでの逃げで全く息が入らず、4コーナーを迎えるまでに後退。8歳馬3頭からも5馬身遅れての最下位に沈んでしまった。

1着◎ヒシイグアスは馬なりで前目を取れたものの、想定外の縦長の展開で実質的に中団待機。これまで体験したことのないハイペースでどうかと思ったが4コーナーの追い上げはスムーズ。直線で苦しくなって何度も内にモタれていたが、手綱を左に引いての右鞭連打で辛うじて勝ち切った。ハイペースで勝てたというのは大きい。GI戦線でも期待したくなる勝利だった。

2着△ケイデンスコールは内枠を活かしてラチに寄せて好位を確保、道中はヒシイグアスの後方に構え、3コーナー過ぎから早めの進出。直線は内を突いての追い上げだったが上手い具合に前が開き、ウインイクシードの外に持ち出してスパート。最後はヒシイグアスと並んでのゴール。惜しかった。

3着-ウインイクシードは中山金杯に続く外枠だったが、積極的に仕掛けてバビットの直後を確保。バビット徹底マークでお互いに掛かり気味という想定外はあったが、スタミナはこちらが上で4コーナーを持ったままで回ってきた。しかしラストは中山金杯と同じく決め手の差が出た。

5着○トーセンスーリヤは序盤から馬なりを決め込み、前が飛ばして縦長になっても3番手でジッとしていた。4コーナーでウインイクシードの外を回して追い上げ、ヒシイグアスが来る前に勝負に出たが及ばなかった。いくら内前有利でも、追い上げる脚が無いと厳しかった。

9着△クラージュゲリエはスタートから行く気配を見せず後方待機。しかしハイペースで脚が溜まらず、3コーナー過ぎから鞭が入るなど防戦一方。直線に向くところでも追い通し、馬群を縫って追い上げていたが勝ち負けには遠く及ばなかった。今回の馬場では後ろから行った時点で圏外だった。

10着☆フランツはスタート直後に両側から挟まれて後退して最後方からの競馬。縦長の展開で離れた単独最後方。オワッタ。4コーナーから直線に向くところでもまだ最後方、結局前から下がってきた8歳のおじいちゃん3頭と逃げ潰れのバビットを交わしただけで実質最下位の内容。穴馬を狙うセンスが無さ過ぎて泣ける。

14着▲バビットは前述の通り力んだのが全て。ハナを奪うところはスムーズだったものの、ウインイクシードに外に張り付かれてプレッシャーを受け続けてしまった。自分を見失った逃げ馬は沈没するのが定め。マイペース逃げが打てればまた復活するはず。逃げ馬はマークが緩んだ時が一番怖い。

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