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【レース回顧Vol.482】第58回スプリンターズS


レース結果・収支

1着【△】ルガル(9番人気)
2着【△】トウシンマカオ(5番人気)
3着【△】ナムラクレア(4番人気)
4着【○】ママコチャ(2番人気
5着【◎】ウインマーベル(7番人気)
・・・
7着【△】サトノレーヴ(1番人気)
・・・
12着【▲】マッドクール(3番人気)
・・・
単勝1点ハズレ 馬複6点ハズレ 3連複13点ハズレ
レース収支:-2,000 累計回収/投資:71,700/139,000(51.6%)
※ノーベット収支:0 ノーベット累計収支:+2,010


率直な感想

ピューロマジックがイレ込んでいる。これは逃がすしかないだろうなぁ。でもノリさんだし、無理矢理にでも控えさせそうで手が出せない。・・・やっぱり行くしかないのか。ビクターザウィナーのほうが控えている。って、え?32.0?!速過ぎる!しかしリードがある。ピューロマジックが逃げ切・・・らずに止まって、番手追走のルガルが勝利。縦長ハイペースの可能性を追及しておくべきだった。外れたけど良い教材になるレースだった。


トラックバイアス分析・展開予想の振り返り

レース前の見解

  • 月曜と金曜に弱い雨が降り、散水は月曜と火曜のみ実施。土曜朝時点の含水率は4コーナー14.5%、ゴール前13.5%と稍重に近いコンディションでクッション値は9.4。日曜朝時点の含水率は4コーナー14.1%、ゴール前13.7%と前日とほぼ同じだったが、クッション値は10.1にアップ。馬場が乾いて再び内前が強化されるかもしれない。

  • 中山は今週が最終週、Cコース使用2週目。土曜の芝は適度に外からの追い上げが効いていて、あからさまな内前馬場ではなくなっている。とはいえ、真後ろから外を回していては間に合わない。土曜10レースの茨城新聞杯(3歳以上2勝C/芝1,200M)は1分7秒9で決しており、時計は超高速を脱したとはいえまだ普通に速い。

  • ピューロマジック、というか横山典弘騎手の出方が不明。常時ロケットスタートのビクターザウイナーが迷いなくハナ。行き脚の速さでママコチャが単独2番手、マッドクールもこれをマークしながら3番手。サトノレーヴはこれらの外で4番手まで。前は速くてもマイペース。テン3ハロン33秒台前半に付いて行けるスピードは必須。

レース指標

LAP:11.8-9.9-10.4-11.0-11.6-12.3
勝ち時計:1.07.0(良) テン3F:32.1 上がり3F:34.9

レースの振り返り

このレースの予想は本当に悩んだ。レースの展開を握るピューロマジックの鞍上がよりによってあの変幻自在男・横山典弘。この男だけは全く読めない。わざわざ長男(横山和生騎手)を降ろしてこの親父に替えるんだから、普通に逃がすとは到底思えない。いや、逆に裏の裏で逃げる?うーん、どちらかに決め打つしかない。ここはわざと出遅れてでも控えるとみて切り。抑えたらアグリの二の舞で何も怖くない。横山典弘、デュエルだ!

パドックでピューロマジックが落ち着かない。素人目に見てもイレ込んでいる。これはもう逃がすしかないんじゃないの?今日は前が残っているし、ピューロマジックも行けばワンチャンある?いや、もう切って予想を組んだし後には引けない。行けるものなら行ってみろ!横山典弘、デュエルだ!

概ね外枠が好スタート。ウインマーベルも水準以上のスタートを決めたが、外の馬が内に切り込みながら前へ。で、来ましたよピューロマジック。持ったままなのにあっさりハナ。知ってたけど速過ぎ。これにはモレイラさんも苦笑いしたに違いない。ピューロマジックが行ったのを確認してそそくさと引いていった。最高速度は驚愕の73.7km/h。超絶ハイペースの予感。

ウイングレイテスト、ルガル、ビクターザウイナーと外枠の馬が前を固める展開。ママコチャとマッドクールはその後ろ。マッドクールは外に壁無しの負けパターン。トウシンマカオがこれらの直後の内を進む。ウインマーベルはその後ろ。トウシンマカオの後ろだとしんどいな・・・。サトノレーヴはその外。レーンさんもこれは想定外の位置だったに違いない。

ピューロマジックが軽快に逃げる。ウイングレイテストに対しても3~4馬身のリード。これはかなり速いぞ・・・。さ、32.0(実際は32秒1)?!速過ぎワロタ。速過ぎて後続の押し上げが緩い。あれ?ま、まさかこれで残るとかないよね。まだ後ろが来ないよ!何やってんの!

直線に向いてピューロマジックが逃げる逃げる。ウソヤン・・・。光らない(=人気薄の)逃げ馬、買ってない。ああ、これで競馬引退か・・・。思えば競馬とは長い長い付き合いだった。横山典弘とのデュエルで散れたのは本望。介錯願います。・・・あ、坂で止まった。代わって来たのは・・・ルガル!そして内からトウシンマカオ!更に大外からナムラクレア!全部紐ォ!

ピューロマジックは2歳の時点でテン3ハロン32秒6(さざんか賞)をマークしていた快速馬で、ここで32秒台は十分想定出来た。これだけ速いと縦長は読めたはず。縦長なら枠順の差は小さくなるし、超ハイペースなら差しにも出番が回ってくる。しかし横山典弘という存在が大いに惑わせた。この日は内前がやたら残っていたし、逃げにヤマを張って展開予想すれば良かった。

ルガルは外枠好スタートの一角から押し上げて3番手。無理した感じは無く、3番手を確保してからは馬なりの追走。4コーナーでもピューロマジックから5~6馬身離れていたが、坂を駆け上がるところで一気に逆転。シルクロードSの勝ち方が鮮烈で、外枠でも前に行ければ通用するとは思った。高松宮記念で1番人気だった馬が9番人気ならそりゃ買うよねという話。マイ格言「人気→人気→人気薄」理論は簡単に大衆の裏を突ける便利ツール。

トウシンマカオはスタートを決めてインキープ。道中ママコチャが外にいたが締めに来ず、4コーナーは1頭分の隙間が空いていた。昨年ナムラクレアの進路をスマートに潰した川田さんがこんな隙を見せるとは・・・。ママコチャも余裕が無かったのだろうなと思う。縦長展開で内はガラ空き。捌く必要無しならこの位は走る。

ナムラクレアは僅かに出負け。前が速過ぎたこともあり早々に差しに切り替え。4コーナーは後方馬群の中にいて身動きが取れず、そのまま直線勝負に移行。冷静に外に持ち出し、キーンランドCで突き放されたサトノレーヴを外から交わして尚も猛追。昨年追い付けなかったママコチャも交わしてまだ伸びていたが無常のゴール。上がり3ハロンは33秒2。レースの上がり3ハロン34秒9より1秒7も速い極限の脚。何とかGIを勝たせてあげたい・・・。

ママコチャはスタート直後に若干フラついた上、前をピューロマジックに横切られて行けず、マッドクールに外から蓋をされてポジションを上げられなかった。ずっと外を意識していて、4コーナーで外に振ったのもよく分からない。詰まるのを恐れた?自身より後ろにいたトウシンマカオは内から来たのに。昨年は唸る騎乗だったのに今年の騎乗は拍子抜けだった。

ウインマーベルは休み明けでも上々のスタートを切ってよしよしと思ったが、前が速過ぎて相対的に後ろに置かれてしまった。この馬を推した根拠はテン3ハロン33秒1の阪神Cを勝った点だったが、それよりも1秒も速いとはやられた。1,400Mと1,200Mのハイペースは同じようで全く違う。レース質についてもっと追及すべきだった。

サトノレーヴは超絶ハイペースで置かれたのもさることながら、直線でナムラクレアに並ぶ間も無く交わされた辺りからしてれっきとした格負け。冷静に考えて、ウイングレイテストやエイシンスポッターに勝っただけでGIで1番人気というのはおかしいと思った。大衆はしばしば予想エラーを起こす。普段競馬をしないライト層も参戦するGIなら尚更。彼らは競馬新聞で◎が一番多く付いている馬、馬柱が綺麗な馬を買う。ルガル?馬柱が汚れているし、印も殆ど付いていない。彼らは「来る訳がない」馬なんて買わない。

マッドクールはママコチャを内に置いての競馬だったが、4コーナーで既に手が激しく動いていて早々と終戦。香港での負け方と全く同じ。予想の中でも触れたが、内で集中させないとダメな模様。かなりのムラ馬で、人気の時に買っても裏切られ続けそう。


レース結果からの教訓

  • 「人気→人気→人気薄」理論は簡単に大衆の裏を突ける便利ツール。大衆が連続で期待していたのに、突然人気が無くなるパターンは体感的にかなり来る。グレードは上がれば上がるほど期待度アップ。

  • 韋駄天がいるレースは縦長展開を想定しろ。その上で「縦長展開で来る馬はどんな馬か」を検討しろ。今回であれば内が使える馬場で、縦長でバラけるなら内の差し馬(トウシンマカオ)に狙いを向けられたはず。

  • 新興勢力の1番人気はその素性を冷静に分析せよ。「格下に勝っただけ(一線級と戦っていない)でその人気は妥当か?」と考えればサトノレーヴの1番人気は怪しさ満点だったはず。

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