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【レース回顧Vol.140】第36回根岸S

レース結果・収支

1着【-】テイエムサウスダン(6番人気)
2着【△】ヘリオス(4番人気)
3着【◎】タガノビューティー(2番人気)
・・・
5着【○】オメガレインボー(3番人気)
6着【△】タイムフライヤー(7番人気)
・・・
8着【△】スリーグランド(8番人気)
9着【▲】ソリストサンダー(1番人気)
馬複5点外れ 3連複10点外れ
レース収支:-1,500 累計回収/投資:9,430/14,000(67.3%)


率直な感想

テイエムサウスダン。餅は餅屋、1,400Mならこの馬だったのか…。持ち時計無い上に昨年13着の馬は買えなかった。それでも6番人気で単勝11.5倍って、みんな馬券上手過ぎ。タガノビューティーは何の不利も受けなかったけど後ろ過ぎた。津村騎手は代打騎乗だったけど、この馬の持てる力を出し切ったと思う。


テーマの振り返り

前走から距離短縮となる馬が活躍→ハズレ

昨年は距離短縮組が3頭出走し、10番人気ワンダーリーデルが2着、2番人気タイムフライヤーが3着、6番人気アルクトスが4着と準パーフェクト。但し勝ったのはカペラSから距離延長だった1番人気レッドルゼル。ちなみに距離延長で3着以内に入った5頭はいずれもカペラSを経由しており、カペラS組はここ3年連続で連対している。

今年は同距離組がワンツースリー。距離短縮組は1番人気ソリストサンダーが9着に沈むなどボロボロ。たまたまなのか、それとも…。

前走で速い上がりを繰り出していた馬が強い→ハズレ

過去10年で4コーナー7番手以下にいた馬が8勝。毎年のように差し決着になっているレースらしく、前走で速い上がりを繰り出していた馬が勝ち負けしやすい。今年の前走上がり3ハロン3位以内馬は内から順にスリーグランド、オメガレインボー、タガノビューティー、ソリストサンダー、エアアルマスの5頭。

今年も4コーナー7番手の馬が勝利したが、前走で園田を使っていたテイエムサウスダンはノーマーク。2着ヘリオスも前走で逃げ勝っていた馬で、今年は定石が通用しなかった。何故このような結果になったのかは次の「トラックバイアス分析・展開予想の振り返り」で検証したい。


トラックバイアス分析・展開予想の振り返り

土曜のダートを見る限り、クラスや距離に関係なく前残りと追い込みが混在していてバイアスはみられない。例の如くリアンヴェリテがハナを主張し、ジャスティン、ヘリオス、ジャスパープリンスは様子を見ながら追走。トップウイナーの出方が気になるものの、リアンヴェリテ主導の逃げでテン3ハロン34秒台前半ぐらいの平均ペースを想定。ただ直後がビッシリで緩むところはなく、例年通りの差し優勢でみておきたい。

レース指標

LAP:12.2-11.0-11.2-11.8-12.0-12.2-12.7
勝ち時計:1.23.1(良) テン3F:34.4 上がり3F:36.9

振り返り

出所:JRA公式馬場情報(東京競馬場)1月30日現在

リアンヴェリテが遅く、ジャスティンが単騎逃げから僅差の4着に粘り込んだ。過去10年との比較でテン3ハロンは2位タイだったが、上がり3ハロンは最も遅かった。前後半3ハロンの落差(前傾)が2秒5となったのも過去10年で最大。これは前に行った馬が頑張って、後ろから行った馬が届かなかったという結果とリンクする。少なくとも10日間降雨が無くパサパサになっていた上に27日に凍結防止剤が撒かれており、力が要る馬場状態になっていた。ダートのトラックバイアスを検証するにあたり、ダートコースの含水率・凍結防止剤の散布状況はしっかりチェックしていくことにする。


好走・凡退馬寸評、補足

1着【-】テイエムサウスダン

4コーナー付近。テイエムサウスダン(赤矢印)は包まれることなく、外への進路を模索。

スタートを決めた上で内に寄せ、自ら馬群の中に潜り込んで中団を追走。4コーナーの追い上げもスムーズで、外からやってきたエアアルマスを簡単にあしらいながら直線へ。岩田康誠騎手が繰り出す等間隔の右鞭に応えて確実に差し上がってきた。持ち時計の乏しさは前述の力の要る馬場状態でクリアできたとして、差し構えるというのは想定外だった。岩田康誠騎手は勝利騎手インタビューでマイルでも問題無いと言っていた。次走も要注目。

2着【△】ヘリオス

直線。ヘリオス(赤矢印)の前も外もガラ空き。ソーシャルディスタンス?

先手を主張する馬が多い中、馬なりで4番手を確保。人馬共にハナに行く気は全く無かった。単独4番手でリラックスして進み、直線に向いてもゆったりと走っていた。昨年は内に馬が殺到して詰まったが、今年は前も外も開いていて、ノープレッシャーで持ったままを継続。テイエムサウスダンがやってきたところでスパートしてこれに喰らい付いていったが、ジワジワと離されてゴール。並ばれて差し返す脚は無かった。

3着【◎】タガノビューティー

最後方から大外をぶん回すタガノビューティー(赤矢印)。愚直なまでに自らの競馬を実演。

スタートで若干行き遅れ、行く気をみせず最後方待機。4コーナーで大外をぶん回したのをみて腹を括ったな、と思った。この位置なら前が詰まる心配はない。直線半ばまではいい感じで追い上げてきたが、途中で勢いが無くなって流れ込むような感じでゴール。左鞭で内にササるのを修正しながらの追い上げで、一杯一杯の競馬だった。

5着【○】オメガレインボー

直線でヘリオス(緑矢印)の外から交わしにかかるオメガレインボー(赤矢印)。
しかしテイエムサウスダン(青矢印)が内に切り込んできてスペースを閉じられてしまう。

スタートして隣のジャスティンに離されたところを2つ隣のヘリオスに先に入られ、更にテイエムサウスダンにも先を越されて中団。これは望まざる後方待機。直線は馬群の切れ間を模索しつつ、ヘリオスの外に1頭分のスペースを見出したものの、テイエムサウスダンに外から来られて割れず。結局この後も前が割れず、後追いで終わってしまった。今回は消化不良と力負けが半々といった感じ。

6着【△】タイムフライヤー

直線に向いて早速外に持ち出そうとするタイムフライヤー(赤矢印)。
しかしタガノビューティー(青矢印)が外を張り、サクセスエナジー(緑矢印)との間が塞がる。

出遅れた上にサクセスエナジーに締められ、早々と後方からの競馬が確定。道中は終始外を通り、直線に向いたところで大外一気の構え。しかし同じことを考えていたタガノビューティーに外を張られ、サクセスエナジーとの間のスペースを割れなかった。直線半ばでようやく外に持ち出してスパートしたが時既に遅し。末脚に勢いがあっただけに勿体無かった。

8着【△】スリーグランド

内から追い上げるスリーグランド(赤矢印)。前が詰まることはなかったが…。

内枠3頭のスタートが良くなく、ラチに寄せて楽に好位を確保。ヘリオスの直後を馬なりで付いていった。直線に向いてからも内を通り、距離ロス無く追い上げてきたが及ばず。詰まるところもなく、純粋に力負け。

9着【▲】ソリストサンダー

前が開かずスパートできないソリストサンダー(赤矢印)。
すぐ前のテイエムサウスダン(青矢印)がこの前を横切っていく。

スタートしてすぐに内にヨレ、タガノビューティーに接触。すぐに立て直したが行き脚は良くなく、後方からの競馬。テイエムサウスダンの後ろに付けて出し抜く算段だったが内は割れず、外から交わしに行こうとするとエアアルマスがガード。最後の最後に進路を確保したがエアアルマスを交わすのがやっと。今回は位置取りからしてマズく、力を発揮できなかった。戸崎騎手は「久々の1,400Mに戸惑ったのかも」とコメントしていたが、やっぱりなといった感じ。ここを使ってどれだけ変われるか。

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