【競馬予想Vol.195】第63回宝塚記念

今回のテーマ

ノーザンファーム生産馬を買え

過去10年、ノーザンファーム生産馬は【7・4・5・48】、単回値113・複回値88で現在7連勝中。ノーザンファーム生産馬が連対しなかったのは出走馬が2頭でジェンティルドンナが3着に敗れた2013年のみ。

ノーザンファーム生産馬が強いカラクリは設備が充実している外厩(天栄、しがらき)を使えるという点。ちなみにヒシイグアスはノーザンファーム生産馬だが、この中間は外厩を使わず在厩で調整されている。


トラックバイアス分析・展開予想

この中間は月~火曜に芝刈りを実施。火曜に35ミリ、水曜に14.5ミリのまとまった量の雨が降ったものの、その後は晴天が続き、木曜に散水を実施。土曜朝5時時点の含水率は4コーナー8.9%、ゴール前9.7%で先週日曜朝5時(4コーナー9.0%、ゴール前9.0%)とほぼ同じ。土曜の芝は先週と同様に内が残る馬場継続。内前から押し切り、馬群の中から直線外に持ち出しての差し、外前からの差しの順で来ている感じ。後方待機は論外。パンサラッサが単騎で離して逃げ、タイトルホルダーはパンサラッサを行かせた上で単独2番手で疑似逃げ。隊列は縦長、パンサラッサは1,000M通過58~59秒、2番手以降は60秒ぐらいを想定。時計が出る馬場だけになるべく前にいないとしんどい。狙いは前一択。


全頭分析

【-】オーソリティ

(+)凡退したレースは総じて外枠。経済コース立ち回りなら充分通用。
(-)ハイペース追走は未知数。内は内で直線前詰まりのリスクあり。

【-】アフリカンゴールド

(+)同コース施行の京都記念で逃げ切り勝ち。内枠先行で粘り込む。
(-)大阪杯は4コーナーで既に劣勢。展開&TB味方でもGIでは厳しい。

【-】メロディーレーン

(+)古都Sは積極的に行って快勝。その前に勝った時も小倉で前付け。
(-)GIどころか重賞で全く通用せず。何故出てくるのか理解に苦しむ。

【△】エフフォーリア

(+)前走勝負どころで手応え悪く直線流す。初ブリンカーで立て直し。
(-)ハイペース追走が怪しい。今回も前が飛ばす展開で凡退あり得る。

【-】アイアンバローズ

(+)阪神大賞典は先に抜けて惜敗の2着。このところ積極性が目立つ。
(-)距離短縮で行く馬多数のここは付いて回るだけで終わりそう。

【◎】タイトルホルダー

(+)阪神施行の菊花賞、天皇賞春を圧勝。道中息が入ればほぼ無敵。
(-)4角先頭以外は未勝利。追走で勝ちに行く競馬ができるかどうか。

【▲】デアリングタクト

(+)超高速の前走は適性外で度外視。距離延びたほうが競馬し易い。
(-)基本的に差し構え。前が止まらない馬場で差し込めるかどうか。

【-】ステイフーリッシュ

(+)昨年同コース施行の京都記念で2着。とりあえず前には行ける。
(-)中東の長距離戦のレベルが謎。国内GIでは決着済みで出番無し。

【-】マイネルファンロン

(+)展開とトラックバイアス全振りの追込馬。嵌れば飛んでくる。
(-)差しが効いたのは外伸びTB。今回は真逆の内が残るTBで詰み。

【○】ヒシイグアス

(+)ハイペース好位差しは中山記念で実践済み。位置取れれば有力。
(-)前走は4角外を回らされ届かず。今回も外寄りの枠で二の舞懸念。

【-】パンサラッサ

(+)逃げ一本で大躍進、遂に海外GI勝ち。とにかく逃げて残すのみ。
(-)大逃げに隠れているがラストは脚上がる。距離延長で不安顕在化。

【-】ウインマリリン

(+)前付けで重賞3勝+オークス2着。今回は1週前から栗東滞在。
(-)流れが速いと4コーナーで付いて行けない。ここも流れ不向き。

【-】アリーヴォ

(+)大阪杯は内差しで健闘。小倉で鍛えた4角加速力はここでも通用。
(-)前走のように内を立ち回れるか微妙。外に振られるとしんどい。

【-】キングオブコージ

(+)追い込みで重賞2勝。今回前付けの馬が多く流れ自体は向く。
(-)オールカマーは外差し馬場の恩恵大。今回後ろからでは出番無し。

【-】ディープボンド

(+)阪神コース5戦5連対。有馬記念も前付けから勝ちに行って2着。
(-)近走4角での反応が鈍いのが気になる。一気に来られると辛い。

【-】グロリアムンディ

(+)芝でデビュー勝ち、同コースで2着2回。ダートだけの馬ではない。
(-)相手強化で厳しく、芝のハイペースに対応できるとも思えない。

【-】ギベオン

(+)前走差し決着の中で前付けしてコンマ2秒差。積極性は常にある。
(-)前に行けるが決め手が無い。そもそも今回相手揃い過ぎで厳しい。

【△】ポタジェ

(+)ハイペースの消耗戦に適性あり。中団より前なら今回もチャンス。
(-)ズブくて後ろに置かれると厳しい。大外から位置を取れるか疑問。


結論

タイトルホルダーは4角先頭でしか勝っていないが、今回はパンサラッサが速く、どうやっても追走に回る羽目になるのでそれを逆手にとって単独2番手での「疑似逃げ」に期待したい。パンサラッサにとって今回の距離は長く、有馬記念のように追いかけずとも勝手に下がってきてくれるので2番手で何もしなくて良い。有馬記念で5着に負けた時のトラックバイアスは外、今回は明確に前。馬場状態も良好となると差すほうがしんどい。

ヒシイグアスは昨年の中山記念で1,000M通過57秒8のハイペースを4番手で追走して快勝。速い流れで前付けして勝ったことがあるというのは今回好走のための武器になり得る。大阪杯は4コーナーで外を通らされ続けた分の4着で、縦長になりそうな今回は前付けさえすれば外に振られるようなこともない。レーン騎手にはくれぐれも強気な騎乗をお願いしたい。

デアリングタクトは復帰戦に高速のヴィクトリアマイルを使ったのが吉と出そう。今回は溜めて伸ばす競馬ではなく、速い流れに喰らい付いてバテない能力が試される。秋華賞とジャパンCで前傾ラップのしんどい流れを差して好走していること、内寄りの枠を引いてポジショニングが比較的楽そうなのが良い。

ポタジェは1,000M通過58秒8の大阪杯を勝った他、1,000M通過57秒1で直線サバイバルレースの様相を呈した昨年の新潟大賞典でも2着。反応が鈍く、直線ヨーイドンだとキレ負けするがハイペースの持久戦だと粘り強さが活かせる。ここも打ってつけの舞台、のはずだったがよりによって大外枠。序盤に脚を使ってでも前目のポジションを確保しておきたいところ。

エフフォーリアは前走の敗因がよく分からないが、仮にハイペース追走に問題があったとするならば今回も追走一杯で危ないということになる。パンサラッサが流れを作った有馬記念で完勝しているので能力的には全く問題無いが、東京で強過ぎるというのも瞬発力性能の高さの現れで、速い流れに喰らい付いてバテない能力とは相反する。

◎タイトルホルダー
○ヒシイグアス
▲デアリングタクト
△ポタジェ、エフフォーリア
馬複5頭ボックス(10点)、3連複5頭ボックス(10点)

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