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【レース回顧Vol.4】第37回フェアリーS

外差し馬場!なんて言ったら内が来るなんてのはもはやお約束。この日最初の芝のレース(未勝利のマイル戦)は内を通った馬のワンツースリー。10R迎春S(4歳以上3勝クラス/芝2,200M)もドスローに陥って内枠先行馬のワンツー。

しかしいずれも逃げ馬不在でスローの予兆はあった。迎春Sは差し馬が人気の中心だったので内枠先行2頭から買ってみたのだが、結果は前述の通り。フェアリーSもどちらかと言えばスローだろうとみていたので、迎春Sの結果から当たる気がしなくなった。結果はやはりハズレだったが、内が残るという見解の変更もハズレ。もう踏んだり蹴ったり。

『強烈内前バイアス』の中京の芝ばかり見ていて中山の芝を観察できていなかったので、改めて初日からの中山芝のレースを全部見直してみた。う~ん、外差しやね。というか内が伸びない。4コーナーで外を回してもそのまま外を通せば勝ち負けできちゃう馬場。

半分ビンゴ。ペース次第でどうにでもなるというのが正解。中京の内前は強烈だったが、中山はペースによって内外を見定める必要がある馬場。言い換えればフラット。今回は道中譲り合い仕掛け合いでペースアップ、結果として外差しになっただけ。何事も決め付け(思い込み)は良くない。

昨年はスマイルカナという明確な逃げ馬がいたが、今年は目ぼしい逃げ馬が見当たらない。一応の逃げ候補はダートの短距離を逃げ切ったばかりのプリティインピンク、つわぶき賞で3番手を追走して2着のネクストストーリーか。過去10年で1,000M通過が最も遅かったのは'19年の60秒7だが、今回は何かが行って何かが突く展開で60秒前後の平均ペースと予想する。

ハズレ。展開予想は一番難しいが、ここが読めれば的中確率がグッと上がる。今回のように何が行くのか分からないレースが一番難しい。キャリアの浅い3歳牝馬限定戦の展開を読み切るのは至難の業。クールキャットが向こう正面で一気に動いて先頭、なんて読めません。4ハロン目が11秒0、1,000M通過は58秒6。全体的に前掛かりになり、外の差し馬が台頭した。

1着-ファインルージュは後方馬群の中で折り合いを付けながらの追走。前の出入りが激しくなってもお構いなし、3コーナー過ぎから徐々に進出。馬群の外を通ってポジションアップ、直線は馬場の中央から末脚全開で突き抜けた。内外の馬場差と展開利の影響を差し引いても完勝と言える内容。

2着▲ホウオウイクセルは外に壁を作れず、ファインルージュの外で行きたがるのを抑えながらの追走。外からクールキャットが動いて行ったところで付いて行きそうになったが何とか堪え、その後はスムーズ。大外をぶん回し、直線も手前が何度も替わりながら良く伸びた。

3着-ベッラノーヴァは先行争いに加わらず控えて後方からの競馬。とにかく抑えて、直線に向いた当初も最後方付近にいた。大外に振り出しての追い込みで末脚全開、上がり3ハロン34秒9はメンバー最速。他馬より一回り小さな馬体で、馬群を割れないようだと先々しんどそうではある。

4着◎テンハッピーローズは好スタートを切って前に行きたいのを抑えたところ、首を上げて掛かってしまった。3コーナー手前から動いていったが、これでギリギリまで待ったほう。4コーナーから直線の入りはスムーズに行ったが、直線ではもう脚が残っていなかった。この枠、この展開で行きたがるというのは想定外。

9着○シャドウファックスは好スタートからジワジワと加速が乗り、抑えを利かせつつ単独2番手。ただ途中からクールキャットがタイニーロマンスを引き連れてペースアップ、これを追いかけて2番手へ押し上げ。直線はこの馬なりに走っていたが、外の勢いが良過ぎてお手上げ。これは仕方ない。

10着△クールキャットの仕掛けがこのレースの趨勢を決めてしまったと言っても過言ではない。馬群後方から外に出したところ、何の前触れもなくいきなりスピードアップ。鞍上は抑えている素振りはなく、作戦だった模様。結果的にハイペースを作出しての自滅。しかしここで過剰に騎手を批判してしまうと恐縮して無難な競馬しかしなくなるので、個人的にはノーコメント。

12着△オプティミスモは行き脚が付き過ぎて、前に行きかけながらその後下げての追走。4コーナーで先頭集団の直後、前走と同様に内突きに賭けたがサッパリ伸びず。粘るなら内だが、差すなら外。今の中山は内突き仕様ではない。この馬の場合は距離も長かったか。

15着△カラパタールは外で折り合いを付けながらの追走も、我慢し切れず外から前へと上がっていった。横山武史騎手の手綱は抑え切り。クールキャットの「強襲」でペースが上がり、4コーナー3番手でも既に脚色一杯。直線半ばで追うのを止めてブービー負け。枠も展開も何もかも向かなかった。

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