見出し画像

【レース回顧Vol.138】第63回アメリカジョッキークラブC

レース結果・収支

1着【-】キングオブコージ(3番人気)
2着【-】マイネルファンロン(11番人気)
3着【△】ボッケリーニ(4番人気)
・・・
5着【◎】ポタジェ(2番人気)
6着【○】オーソクレース(1番人気)
・・・
10着【△】ラストドラフト(5番人気)
11着【▲】アンティシペイト(6番人気)
馬複4点外れ 3連複6点外れ
レース収支:-1,000 累計回収/投資:9,430/11,500(82.0%)


率直な感想

ポタジェとオーソクレースの二択に落とし込んだ時点で負け。トラックバイアスが明確に外差しに振れていた点をもっと追求すべきだった。ノリさんの後方待機にマイネルファンロンの決め打ち、内ラチ一杯のボッケリーニ。うーむ、総流しにしないと獲れないよこんなの。


テーマの振り返り

GII以上のレースを経由した馬が強い→ハズレ

「格下げ効果」は抜群。GIII以下のレースを経由して勝ったのは2018年ダンビュライトのみ。同馬はクラシック皆勤出走後、自己条件のサンタクロースS(現・3歳C、阪神芝2,000M)を勝っての参戦だった。なお、GIII以下のレースを経由して3着以内に来た13頭のうち9頭は既に重賞を勝っており、ここが重賞初出走という馬は皆無。全くの格下では苦しい。

今年は中日新聞杯組のワンツースリーだったが、全て重賞勝ち馬。4着アサマノイタズラもセントライト記念勝ち馬。一方で5着ポタジェと6着オーソクレースはGIを経由したというだけで重賞未勝利の言わば格下。東海Sもそうだったが、過去に重賞を勝ったことがある馬が軽んじられている時ほど穴が開くような気がする。まあ、要するに人気が無かったらつべこべ言わずに黙って買えということ。


トラックバイアス分析・展開予想の振り返り

先週の京成杯は平均ペースながら4コーナーで外を回した馬によるワンツー。3着馬と4着馬も直線で外に持ち出しており、終始内を立ち回った馬は伸びを欠いた。土曜のメイン・初富士S(4歳以上3勝C・芝2,000M)はレッドライデンが逃げ切った一方、最後方から大外をぶん回ししたパラダイスリーフが僅差の2着。差しが効く馬場という見立てで良さそう。キャッスルトップが仕掛けるだろうが芝ではスピードが足りず、ダンビュライトが内を絞りながら前へ。スマイルが外からこれに続き、ポタジェが内からこれらの直後に入る。オーソクレースは中団後方からの競馬になりそう。1,000M通過は61~62秒台、ゆったり流れての内前決着が濃厚。これに外差しがどう絡むか。

レース指標

LAP:12.5-11.4-12.6-12.3-12.4-12.1-11.9-11.8-11.8-11.7-12.2
勝ち時計:2.12.7(良) テン3F:36.5 上がり3F:35.7

振り返り

キャッスルトップが果敢に逃げ、途中からダンビュライトが先頭を務めたことで道中全く緩まなかった上、先行勢が早めに動いたことで後方待機勢に展開が向いた。そもそも先週の段階で既に外差しが目立っていて、ここも例に漏れず外差しワンツー。大外から飛んできたアサマノイタズラも僅差の4着に来ており、展開とトラックバイアスが結果に大きく作用した。競馬というものは展開とトラックバイアス次第で幾らでも結果が変わるということがよく分かるレースだった。


好走・凡退馬寸評、補足

1着【-】キングオブコージ

ザ・外差し。キングオブコージ(赤矢印)1着、マイネルファンロン(青矢印)2着。
アサマノイタズラ(緑矢印)は僅差の4着。

浮き上がるようなスタートで1馬身ほど出遅れ。早々にリカバリーを諦め、抑えて後方待機に切り替え。ただ最後方ではなく、アサマノイタズラより3馬身ほど前に位置。前が固まって、後方はマイネルファンロン、キングオブコージ、アサマノイタズラが等間隔で続いた。3コーナー過ぎで前が仕掛けて忙しくなったところを大外から楽々差し切った。この馬が差し向けることは計算に入れていなかった。思い返せば目黒記念も後方一気だった。

2着【-】マイネルファンロン

行こうと思えば行けたかもしれないが当然のように控えに回り、4コーナーでスマイルの直後から上手く抜け出せた。ただ直線は外に張り気味で、トップスピードに乗り切れないままレースが終わってしまった。予想において「新潟記念は後方で脚を溜めて突き抜け。今回も大外から再現狙うか。」と評価した一方、「中山内回りで後方一気は現実味に乏しい。嵌っても善戦まで。」とみて馬券から外したが、ものの見事に外差しを決められてしまった。外差しバイアスなら黙って買い、だったのか…。

3着【△】ボッケリーニ

4コーナーで外が完全に壁になるボッケリーニ(赤矢印)。この後意を決して内に入っていく。

スタートから内に寄せて前に行く気満々。その甲斐あって馬群の中5番手を確保。しかし周りを囲まれ、4コーナーで他馬が動き始めたところでも出すところが無かった。結局ガラ空きになった内に入れてスパート。積極的に内に行ったというより、外が壁でやむを得ず内に行ったというのが実情。レース後、横山武史騎手は「内を突くつもりはなかったのですが、外の方がゴチャついていて詰まりそうでした。内が悪いのは承知で行ったのですが、直線の反応は良かったです。うまくいったと思ったのですけどね」と述懐。完全外伸び馬場で内から一旦抜け出すところまで行ったのは評価しておきたい。

4着【-】アサマノイタズラ

ゆっくりとしたスタートから後方待機へ移行。後方待機を決め込んだキングオブコージよりも後ろ、ポツン最後方を選択。完全なる決め打ち。4コーナーで迷いなく大外をぶん回し、直線大外の更に外を通ってスパート。ただ道中自身より前にいたキングオブコージに勝ち切られてしまい、大外一気とまではならなかった。もう一段前か…。こういう競馬をするキャラなんだということは覚えておいて損はない。どこで厚く買うかという話。

5着【◎】ポタジェ

元POG馬でデビューからよく見ている馬だが、とにかく鈍い。スタートから馬なりで行く気をみせず、1コーナーで包まれて6~7番手。外をオーソクレースに張られたのを見て終わったと思った。3コーナー過ぎからのペースアップで相対的に置かれ始め、直線に向くところで馬群の後ろ。通過順6-7-10-8が全てを物語っている。直線は手綱による扶助だけで押し上げてきた。最後にグーッと伸びてきたが当然間に合わず。今回のような外差し一気の展開ではとてもではないが抗えない。

6着【○】オーソクレース

スタートから馬のほうが行く気満々で、ルメール騎手が上手くたしなめながら好位の外6~7番手を確保。3コーナー過ぎで馬なりのままポジションアップ、4コーナー手前でGOサインを送って早くも先頭。しかし抜け出せそうで抜け出せず、坂に差し掛かったところで失速。勝ちに行っての負けで悪く言いたくはないが、4角先頭から勝てるほど強くはなかった。結果論だが、後方待機から外差しに向けていればどうなっていたのだろうか。

10着【△】ラストドラフト

行き脚は悪くなかったが馬群に入れて後方待機を選択。道中外目の追走で、前にオーソクレースを見る位置でレースを進めたが、4コーナーで不意に手応え劣勢になり、直線も窮屈な競馬を強いられて完敗。見どころが無さ過ぎた。

11着【▲】アンティシペイト

スタートして外に飛び、内に入れて位置を取りにいくところでボッケリーニに先に入られ、1コーナーで馬群の中。前と外を張られて結局馬群の一番後ろ。脚が溜まるからまあいいかと思ったが、3コーナーから4コーナーにかけて更に置かれてしまい、アサマノイタズラにも抜かれて最後方まで下がってしまった。追い鞭が入っても進んでいかず、直線に向くまでに勝負あり。不利らしい不利もなく、太め残りだったことを差し引いても負け過ぎ。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?