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【レース回顧Vol.3】第55回日刊スポーツ賞シンザン記念

うん、内前が残るのはリサーチ済み。でもね、ピクシーナイトがハナに立つとか読めなかったッス。距離は違えど中京で新馬勝ち、秋明菊賞でハイペース追走経験ありが拾える根拠だったのかな。というより福永さん上手過ぎ。日本人騎手の中で一番クレバーな騎手ではないだろうか。

やはり内と前を意識した馬ばかり来ている。マイルを超える距離のレースでも概ね同じことが言える。この2日間で外を回して勝ったのは万葉Sのナムラドノヴァンぐらいで、2着馬と3着馬は内を立ち回っていた。

当然の如くビンゴ。相変わらずの強烈な内前バイアス。9R渥美特別は内を通った馬のワンツースリー、10R新春Sは内ピタ先行の行った行った。馬券を買う側は当然の如く内前一択。問題は騎手の皆さんがどれだけ内前を意識してくれているかどうかという点だった。

9R渥美特別で15番枠のナリタザクラが2着に来たのだが、鞍上の福永騎手はスタートしてから最初のコーナーまでに内に大きく切り込み、ラスト200Mを切ったところでも内に進路を採っていた。正直ここまでやるか?という位の徹底した内狙い。それだけこの強烈な内前バイアスを理解していた。

コース形態とトラックバイアスを把握した上で展開を予想する。う~ん、京都金杯と同じで逃げ馬が見当たらない。オーソドックスに内前意識で候補を挙げていく。スローが見込まれるため、前後半で後半が速い流れ(後傾ラップ)に実績のある馬を重視したい。

この見立てはハズレ。確かに行く馬はいなかったが、馬にスピードがあって鞍上が促せば前に立てる状況。バスラットレオンが行くのではないかと考えたが、よりスピードがあって鞍上が計算高かったピクシーナイトがハナを取り切った。しかも緩めず1,000M通過58秒1。京都金杯(58秒5)より速い流れ。基本的に前が止まらない馬場なのでこのペースは妥当。

中京の芝は厳冬期に連続して使っているので大分傷みが進行している。向こう正面では砂埃が舞って、4コーナー付近の内はボコボコ。勝ち時計1分33秒3は京都金杯(1分33秒1)とほぼ同等でも力の要る状態になっている。キレよりもパワー重視、それがロベルト系モーリスのワンツーという結果に表れていた。キレの象徴・ディープインパクト産駒は全体的に不振で、ロードマックスは何とシンガリ負け。他にもこの日はそこそこ人気を集めながら大敗するケースが目立った。

1着-ピクシーナイトは上述の通り、前走でハイペース経験&鞍上の意識の高さでハナを取り切り、内ピタで綺麗に回ってきて押し切り。536kgという大型馬で、荒れた馬場も苦にしなかった。距離が延びてもいいのなら皐月賞でも期待したくなる。

2着-ルークズネストは先行争いに加わらず中団後方の内を追走、4コーナーは外に出さず馬群の中で我慢。直線で外に持ち出し、ジワジワと加速しながらラストで突っ込んできた。上位に来た馬の中ではこの馬だけが外差し。負けはしたが今回最も強い競馬をした。

3着◎バスラットレオンはピクシーナイトに先手を奪われながらも次第にスピードが乗って2番手。余裕で追走できていたので勝ったと思った。しかし直線で追い出しても一向に差が縮まらず、逆に離されてしまった。詰める脚が無いのがこの馬の弱点。

4着△ククナは好スタートを切ったものの内に入れることはできず、ポジションを落として後方から内を通しての追走。完全に内突きの構え。直線で前が綺麗に開き、馬場の中央から次第に内に入れて追い上げたが届かなかった。枠と位置取りで詰んだ形。4着は大健闘。

10着△レゾントゥスリールは出負けしていきなり最後方に置かれた時点で詰み。ペースも速くて付いて行くので精一杯、結局何の存在感も示せないまま敗れ去った。これでも前走より1秒以上も速く走っている。昇級初戦で人気して転ぶ典型的なパターン。

11着○ダディーズビビッドはスタートからいきなり掛かり癖全開。道中嘶くような感じで首を上げて折り合いを欠いていた。4コーナーから直線に向くところで手応え良く上がってきたように見えたが、やはり追って伸びなかった。スロー想定で重い印を打ったので、真逆の展開ではお手上げ。

14着▲カスティーリャもダディーズビビッドほどではないにせよ若干行きたがりな追走。4コーナーの時点で追い鞭が入って既に一杯、直線でロードマックスに前をカットされたところでやる気を失って後退。今回14kg馬体を増やしても446kgしかなく、同じモーリス産駒でも500kg台のピクシーナイトやルークズネストとは違って力強さに欠けていた。

15着△ロードマックスは馬なりで上手く前に誘導、バスラットレオンに併せられてヒートアップしながら3番手。ずっとバスラットレオンに併せたまま直線に向き、さあこれからというところでスッと離されて自らはフラついて失速。前付けでゴリ押しする力はなく、攻めた騎乗でシンガリなら納得。


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