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【レース回顧Vol.9】第62回アメリカジョッキークラブC

降雪予報は外れたようで、通常通りの開催。しかし断続的に降り続く雨でお昼前に不良の発表。開催最終週でボコボコになっているところへ雨ザーザー。こうなったら馬場の巧拙とか関係無い。強い馬が勝つ、それだけ。じゃあその強い馬はどれなんだよ?教えろよ。というか教えてください。

上記4レース(※土曜の芝のレース)の勝ち馬はいずれも直線に向いて前の集団の一角(3~6番手)に付けていることが分かる。4コーナーで外前にいる馬が勝ち負けすると推測してみる。いくら外差しと言えど、4コーナーで後ろからでは前で先に抜け出した馬を捉え切れない。

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ビンゴ。ヴィクトリーロードは外前。1着アリストテレス(黄)と2着ヴェルトライゼンデ(青)は当初からこの位置にいたのではなく、4コーナーで外を捲ってこの位置を取りに行っている。馬場の悪い内を避けると自然とこの作戦になる。ルメール騎手はともかく、池添騎手もその辺りを弁えていた。枠は関係ない。当初から先行したピンクの帽子は揃って内を通っていた。3着ラストドラフト(緑)は緑の帽子ステイフーリッシュ(5着)の後ろからの追い上げで、上位2頭とは僅かな位置取りの差が明暗を分けた。

1着○アリストテレスは軽く抑えて中団、2コーナーから向こう正面に向くところでフリーの位置を確保。3コーナー手前で外から来たナイママに合わせて進出開始、これを先に行かせた上で4コーナーにかけて外から捲っていった。直線は芝が掘れていない中央外寄りのラインを通り、ゴールまできっちり脚を残した。先週は内の隙間を見逃さず、今週は冷静に外前を見極め。ルメールさんは勝ち方を知っている。

ちなみにレース後にルメール騎手は「今日はトップコンディションでなくてもGIIを勝てました」とコメントしている。これは最終追いで並走馬相手に遅れたことを指しているのだろうが、そんな状態の馬に負けた他の馬はちょっとだらしないような気がする。

2着-ヴェルトライゼンデはスタートして間もなく外に移動、アリストテレスの真後ろに入れて最初のコーナーへ。ぴったり真後ろ、いわゆるマーク競馬。向こう正面半ばで馬場の良い外に出した後も内前のアリストテレスを徹底マーク。4コーナーで外からアリストテレスに並びかけ、僅かに遅れた状態で直線勝負に出たが、逆手前のままでなかなか加速が乗らず。ゴール寸前で手前が替わったが既に遅かった。

3着△ラストドラフトはスタート直後にアリストテレスに寄られて後ろに下がり、馬群中団の外を追走。3~4コーナーで追い上げる脚は今一つで、後方外からサトノフラッグに捲られていた。直線は馬場中央のスペースから追い上げ、アリストテレスとヴェルトライゼンデの間から抜け出そうとしたが、外に張ってヴェルトライゼンデに接触して抜け出せず3着。三浦さんは何で外に張っていたのに右鞭を連打したんだろう?

4着◎ステイフーリッシュは外枠の行きたい連中を行かせて5番手の外、3コーナー手前でマイネルハニーを交わして4番手に上がったが、3コーナー過ぎの段階で手応えが怪しく、4コーナー手前で激しく手綱が動いていた。遂には追い鞭まで入る始末。何とか外前を取り切って直線に向いたものの既に余力は尽きかけていて、ゴール手前で外からの差し込みに屈した。あからさまな捲り上げの展開で、溜めを作れなかったのが敗因か。

9着△タガノディアマンテはスタートから行く構えを見せず、馬群の後ろを走らされていた。津村騎手の頭がガクガクと揺れていて、馬が走りにくそうにしていた。3コーナー過ぎで後ろから2頭目、4コーナーの追い上げはスムーズだったがいかんせん後ろ過ぎ。直線も一応いい脚は使っていたが前の争いには全く加われず。

10着△サンアップルトンは腹を括って最後方からの競馬。この馬場で真後ろからって、ヨシトミさん大丈夫?サンアップルトン絡みの馬券は全て電子屑確定。サトノフラッグの外を回したタガノディアマンテの更に外を回しての進出では間に合わないよ…。

11着▲サトノフラッグは想定通り一旦下げて後方から外に取り付く作戦も、後ろから2番目になり早くも終了気配。こうなるのが分かってて、何でこの馬を評価したのか自分でも分からない。3コーナー過ぎから加速して4コーナーでいつもの捲り上げを披露したが、これで余力が尽きてしまった。今日の馬場で真後ろからではまず無理。

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