負けず嫌い

3年前に取材した、新潟の伝統工芸士さんを再び訪ねた。

穏やかで、芯の強い、素敵な蒔絵師さんで、伝統をリスペクトしながら、それだけにこだわらず、自分の好きや得意を交えながら、全く新しいカタチにつくりあげる柔軟さを持っている。

そして、とにかく「負けず嫌い」である。彼女のものづくりの魅力は、そこにあるのかもしれない。

悔しさを力に変えて技術を高め、最終的には批判したさえ人もファンにしてしまう。そして、そんなすべての経緯を「ありがたかった」という。

負けず嫌いは、その人の魅力の根源にもなるのだ、と初めてわかった気がした。


新幹線の車窓からの景色は、普段見慣れぬまっしろけ。駅を出たとき、雪がふわりふわりと浮かぶように降っていた。スローモーションのような雪を見るのは初めてで、時空を違えたような不思議な感覚。つい足を止めて見入ってしまった。

新潟駅の万代口バスターミナルの鄙びと雪景色がまたなんともよい。ピョイとそこいらのバスに乗れば、勝手に雪深い湯治宿まで連れてってくれそうだった。

たった5時間程度の滞在だったけれど、この景色を見れただけで、満足してしまった。

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