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「勇者」 YOASOBI ~葬送のフリーレン OP①

葬送のフリーレン、TVアニメ第1クールのOP曲。物語に付き添った楽曲の提供を行うBOOKS第3弾。

歌詞が、素晴らしい。
主人公であるエルフ・フリーレンの勇者・ヒンメルに向けた、憂愁を感じる眼差しを見事に表現している。フリーレンは感情を滅多に表に出さないため、この歌詞が彼女の心境を表出してくれているようにも見えて、読者を感動させてくれます。

まるで御伽の話
終わり迎えた証
長すぎる旅路から
切り出した一節

「勇者」 YOASOBI

御伽(おとぎ)話という単語がまず出てきて、しっかり意味を調べてみたいと思います。

「おとぎ話」とは「子供に語って聞かせるための昔話や童話の類」のことです。

違い比較辞典

1000年も生きるエルフ・フリーレンが御伽話という表現をするかは分かりませんが、勇者・ヒンメルとの魔王討伐の10年を表現した歌詞です。16歳で勇者として旅立った若者が、10年の時を経て魔王を討伐するなんて話は、どこか空想的で現実離れした話であり、苦難を乗り越えた勇者一行の昔話と感じているのでしょうか。
また、長寿であるフリーレンが10年の旅路を長過ぎる旅路と感じるかなと思いましたが、それだけ色々な苦難というか、彼らが言うくだらない思い出が多かった旅路だということが伝わってきますね。

それはかつてこの地に
影を落とした悪を
討ち取りし勇者との
短い旅の記憶

「勇者」 YOASOBI

最後の一説、ここにフリーレンという話のテーマが出てくるなと感じます。
「勇者との短い旅の記憶」
思い返すと10年という月日はあっという間に過ぎ去り、勇者・ヒンメルとのやはり短かった旅の記憶を巡る、フリーレンの憂愁の旅なのだと感じます。

記憶。私がこれまで惹かれたアニメや文学作品も、この記憶がテーマだったと改めて気づきました。
・漫画:ぼくの地球を守って(日渡早紀)
・小説:メモリー・ウォール(アンソニー・ドーア)
ぼくの地球を守ってもTVアニメ オープニング曲は「時の記憶」でした。これも名曲。

この後の歌詞もフリーレンの想いが綴られた歌詞が続いて、
もう涙が出そうな内容ですが、これだけの歌詞を起こせるアーティストの感性にとても共感しますし、作品への読込度合いが伝わってきて、嬉しくなります。

次はまたフリーレンに関する記事を書くと思いますが、別の視点で書きたいと思います。

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