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新築一戸建て、太陽光発電を検討する方向け⑧(オール電化にした方が良いでしょうか?)

オール電化の家にするので、太陽光発電を付けたほうがいいのでしょうか?と質問されることも多くあります。

オール電化と太陽光発電。どちらも「電」がつくので、セット品のように捉えられてしまうことが多いのですが、全く別々のものですので、やはり別々に検討する必要があります。

太陽光発電を販売している会社の中には、「太陽光発電とオール電化はセットで購入しなければいけない」と嘘をついているところもあったり、太陽光発電を販売している会社が売り上げを上げる一番簡単な方法なのでオール電化をセットで購入するべきという主張を自社サイトで伝えていたりしますので、このような勘違いが生まれてしまっているのかもしれません。

ですので、極端な話をすればオール電化だろうと、そうでなかろうとどちらでも構いません。太陽光発電システムを設置するからと言って、本当はオール電化にしたくないのにする必要は全くありません

ただややこしいのは、既にオール電化にすることが決まっている方が、太陽光発電も設置した方が良いかどうかという質問の場合は少し様子が違います。
なぜなら太陽光発電とオール電化は相性が良いので、太陽光発電を導入することによって得られる金銭的なメリットがより大きくなるからです。

少し長くなりますが説明します。
オール電化住宅にする方は須らく、電気の契約を各電力会社が用意しているオール電化用の電気プランに変更します。この電気プランは深夜の電気代単価が安く、その代わり日中の電気代単価が高いというものです。

オール電化にするという事は、ガス給湯器をエコキュートに、ガスコンロをIHクッキングヒーターに変更することを指しますが、このエコキュートというのは熱湯をタンクに貯めておいてお湯を出したい時には水で薄めて使います。ガス給湯器と違って都度加熱するのではなく、1日分を一度に沸かして貯めておくのです。その一度の湯沸かしを深夜の安い電力時間帯でやってしまうのでガスより安くなるという仕組みです。

オール電化専用の電気プランというのは深夜帯が安いのでエコキュート向きなのですが、代わりに日中の電気代単価が高いことがネックです。
ところがここに太陽光発電システムが付くと、この高い単価の日中の電気を買わなくて済むようになるので、ガス利用家庭よりも電気代削減額が大きくなります。

これが太陽光発電とオール電化が相性が良い理由です。

そうなるとじゃあやっぱり私も太陽光発電を設置するのだから、ガスはやめてオール電化にしようと考えがちなのですが、上に書いたのはあくまで太陽光発電はオール電化と相性が良いということだけです。

ご自宅がオール電化にした方がメリットがあるのかどうかはまた別の話になります。なぜなら簡単に言えば、太陽光発電システムは電気代を下げるもの、オール電化はガス代を下げるものだからです。

オール電化で金銭的なメリットが出るのは、エコキュートの部分です。ガス給湯器よりもエアコンと同じヒートポンプ機能を使って効率的にお湯を沸かすことができる、さらに深夜の安い電気を利用することができるからです。IHは別に金銭的なメリットはありません。ガスコンロの時に払っていたガス代がそのまま電気代に切り替わると考えてもらって差し支えありません。

そうなるとガスをやめてオール電化にした方がメリットが出るご家庭というのは、普段お湯をたくさん使うことによってガス代が高いご家庭という事になります。
※ガス暖房やガス床暖房を使っていてガス代が高い方ではありません。

その目安となるガス代は一ヶ月あたり約8,000円~9,000円です。各電力会社によって深夜の電気代単価が違いますので前後しますが、普段のガス代がこれ以上かかっている平均すると1万円を超えているというご家庭はオール電化にするとメリットが出ます。

家族の人数が多く、お風呂やシャワーで毎日結構お湯を使ってガス代が高くて困っている、これから子供が成長して、今までは一緒に入っていたのに個別で入りだすのでガス代が上がってきそうという方にはエコキュートは最適です。

長くなってしまったのでまとめますと、
・太陽光発電システムを設置するからと言って、したくもないオール電化にする必要はありません。
・オール電化にすることが決まっている方は、太陽光発電システムの設置は相性が良いのでオススメです。
・オール電化にするか悩んでいる方は、ガス代が普段どのくらいかかっているかをチェックし、高ければあり。安ければガスのままの方がお得です。

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