見出し画像

軽出版は「腱」である

 本が動かなくなったなら、新しいものを出せばいいんじゃないか、くらいの軽いノリで出した『その後の』、この週末で40/100が売れたので、神保町PASSAGEへの出荷用10を合わせて半分が行き先が決まった。通販で月内にあと20-30は行くと見て、週明けに増刷をかけることに決定です。軽出版ならではの即断、即決。 
 破船房の名義で最初におそるおそる出したブックレットが立派になって復刊できただけでうれしいけれど、新たな読者を得て、さらに本編まで繋げられたなら、ホントにやってよかったと思える。今度も過去に出した本の復刊やアンソロジーなど、いろいろ出します。それが現実的に十分、可能だと思えてきた。
 その意味で軽出版は従来の出版の否定やアンチテーゼというより、それではカバーできなくなった領域を受けもつ隙間(ニッチ)の方法なのだと思う。あるいは筋肉と筋肉の間をつなぐ腱みたいなもの。重たい仕組み(筋肉)が必要な本も間違いなくある。でも筋肉だけで体は動かない。肝心なところは腱で締める。そうすれば動かなくなった筋肉を動かすこともできるだろう。友田とんさんの『〜代わりに読む』がガルシア=マルケスの読者を間違いなく広げたように。私の本も橋本治や、国内外の文学作品への架け橋であり、腱になれたらと思う。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?