歪んだ背中で結婚式　歪みを隠すためにしていたこと

私は、側わん症であることを友達に話した事は1度もない。

高校の頃、集会で後ろに座っていた無邪気な子から、左右の肩甲骨の盛り上がりが違うことを指摘されたことはある。きっと皆、気付いているんだろう。

イベントの写真で自分の後ろ姿が写っているのを見つけたときは、スタイルの悪さにいつもがっかりする。

肩が内側に入らないように姿勢を正したり、ジャケットスタイルやカーディガンを肩からかけてみたり、列に並ぶときは極力後ろへ。側わん症と気付かれないように、あれこれ工夫していました。

歴代彼氏には、側わん症であることを話したことはありません。

生理痛で嘔吐する私の背中を擦ってくれた彼は、付き合って3年目で初めて、背中の凹凸具合に驚いていました。私自身も吐きながら、彼が今まで気付いてなかったことに驚きました。近すぎて見えないこともあるんだな、と。

そんな私も、年頃になり結婚。…背中を擦ってくれた彼とは違う人です。

結婚が決まり、まず思ったことは、

「ウエディングドレスどうしよう」

「バージンロードで後ろ姿を見られたくない」

結婚式を挙げないことも考えたけれど、親のため、相手の家族のことを考えると、一通りのイベントはしておきたい。

背中の隠れたウエディングドレスを選び、試着をしてみるも、合わせ鏡で歪んだシルエットを見ると悲しくなる。