52ヘルツのクジラたち。

 どうしてもこの映画を見たかったのだが、多忙に多忙を重ねて見れず、断念していた。U-NEXTで見ることができたので感想を書き込んでいこうと思う。









いやあ、この映画、泣ける。
何度泣いたかわからない。久しぶりに映画で泣いた。

自分に投影することができる描写もあったり、自分と重ね合わせることができる描写があったりで涙が止まらなかった。

人は誰しも「弱さ」をもっていて、その「弱さ」は果たして必要なものなのだろうか?とよく思う瞬間がある。それはなにか物寂しさを感じるときや人肌恋しいとき、一人で壁打ちに何かにいそしんでいるときなどに感じる。

しかしそれはなくてはならないものである。 
なぜなら、「弱さ」を持っている人ではないと人の「痛み」や「苦しみ」はわからないからである。

そういったことを改めて感じさせられた本作品では、ヤングケアラーや児童虐待、トランスジェンダーなどの社会的な話題について多く取り扱っていた。

実際自分もヤングケアラーをしていた経験があり、それは耐えがたくつらいものであった。逃げ出したかった。でも家族だから…という感情はどうしても離れなかった。今は行政の力を借りてなんとか大学に修学できているものの、体調不良が重なって修学上の困難は多々ある。だからこそ、この映画に深く共感できたのかも知れない。

あとは、自分が将来幸せになれるのか、幸せになってもいい存在なのかはいつも不安としてつきまとう。うつ病だからなのか、それとも生活保護世帯からの出だからなのか。それは心の片隅で蠢いていて、いつも頭の引き出しにある。

何回も自殺をしようとした。
電車のプラットフォームから飛び降りようとしたあの焦燥感と厭世観はたまにフラッシュバックして吐きそうになる。

そんな中でも地に足をつけてこの場に立っていられるのは、なかなか聞こえないその「声」を聞いてくれて寄り添ってくれた人たちがいたからだ。そうした経験を今後の人生の中で活かせれば、これ以上うれしいことはない。

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