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純喫茶(4/13は喫茶店の日)

ある日

とある街を春の陽気を感じながら歩いていると

ふと、レトロな看板に目がいった。

看板から少し奥まった所に入口が少し見え

中がチラッと見えるとそこには

綺麗な模様のコーヒーカップが沢山

並べられ、コップと共にキラキラとしていた。

吸い込まれるように店内に入ると

看板からは想像できないくらいのスペース

木目調のテーブル

中世のヨーロッパを思わせる様な照明と

絵画の数々

暖色系の明かりが安らぎを誘う


暫くその世界に浸っていたら

ダンディな雰囲気のマスターが

おしぼりとお水をそっとおいてくださり

我に返った。


レモンティーと友達がよく食べてたロータスという

ビスケットが1つからでも頼めたので注文した。

マスターも清潔感があり、さりげない所作に

初めてのお店でも早々にリラックスできた。

気が付くと、ジャズなどが心地良く流れている。

低音も効いていて、カウンターの方を振り返ると

小さなデッキが置いてあり、スピーカーが左右に1

つずつしかなかったが、この空間には充分の音が

流れていた。

この小ささで、割と良い音に素人ながら感じられた

ので思わず、紅茶を運んでくれた時マスターに話し

かけた。

するとこのデッキだけではなく、以前使っていた

デッキの事も沢山、お話ししてくださった。

音楽も、お客さんの事を、お店の雰囲気を

考えられての事なんだなぁというのが

感じられた。

このなんともいえない心地良い空間で

暫く音楽に身を委ねながら味わい楽しんだ。


最近の喫茶店もそれぞれ良さはあるが、

いわゆる純喫茶、レトロ喫茶などと言われる

喫茶店が好きだ。

近頃は、再開発や老朽化で、こういう喫茶店は

レアだ。

見付けると嬉しくなる。

次第にお客様も増えてきたが、静かにそれぞれの

時間を過ごしてらっしゃるのも、マスターの姿勢、

空間、雰囲気づくりの賜物ではないかと思う。

初めてで何かわかる訳ではないが

そう思わせてくれるだけで自分は満足だ。

お会計を済ませると、もう一つドアがあったので

そちらから出ると癒しと音楽の空間という

言葉の書かれたポスターが貼られていた。

なんとなく納得して晴れやかな気分で

また散歩を続けた。

                                                               No.22.2024.4.12.

                                                       No.22.2024.4.12.

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