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記憶の記録17

高校の授業で楽しかったことといえば、シンプルな平屋住宅の模型をつくったことだろうか。
地面に見立てたボードの上に、発砲スチロールのような板を基礎として立て、柱に見立てた細い木を製図に沿って切って、木工ボンドで組み立てていく。小学生でもできるものではあるが、立体のものを作る作業は案外楽しかった。器用ではないので細部は荒かったが、クラスメイトより早く仕上がった。

定時制全体の行事などもある。
3科合同、1~4年生と引率という形で教諭陣も一緒に映画を見に行った。県内の中心地、繁華街の端にあるミニシアターの1スクリーンを貸し切り、候補の作品の中から生徒のアンケートで選ばれた映画をみんなで見る。
現地集合、現地解散なので、映画のあとそのまま繁華街へ遊びに行く生徒もいる。事前に直帰しろとお達しは出るが、それを律儀に守る遊び盛りの生徒は多くない。
それも分かった上で、現地解散のままなのだ。繁華街に散る生徒たちを注意して回る教諭という、なんともいえない一見無駄のようにして、だがしかし確実に青い思い出になるような夜があった。
私は繁華街に用は無いのですぐ帰ったけれど。

県内の定時制と通信制全体の文化祭のようなものもあった。
書や絵、手芸品、授業で作った制作物などの展示や、バンドや楽器演奏、歌などのステージ発表、演説大会などいかにもといった文化祭だった。
もちろん出席を取られるし、部活としてなにか制作した気もするので参加した記憶がある。演説大会では、それこそ個性豊かな出場者たちが様々な経験を語り、その幅の広さが面白かった。
一般の人達も出入りできるため、在学生の家族、中学時代に世話になった教諭、ほかの高校に行っている友達などと再会していた場面も多く見た。

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