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MID環境スタンダードデッキ分析:ジャンド編

こんにちは、そこー(@uNemrit)です。

ツイッターのTLに気持ちのいいデッキが流れてきたので、紹介します。

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圧倒的なパワーを感じる…
赤黒だけで組んでいたときのあの線の細さが、このリストには感じられません。

しかし、私ももう歳なので、他人の多色デッキを見たときにまず思うことは「それ事故らねえか?」になってしまいました。
さっそく、デッキのカードに適正な土地配分がなされているのか検証してみましょう。

ざっくり、次のような仮定を置いてみます。
①すべてのカードを出したいターンに87%以上の確率で出せるなら、私が喜ぶものとする。
②《小道》から出る色マナは、それぞれ3ずつとする。
③《カザンドゥのマンモス》を土地として使うのは1ターン目のみとし、2枚合わせて《森》1枚分のカウントとする。

使用したデータや計算ツールは以下。
金子と塚本の「勝てる!マジック」 第11回:マナバランス その2
【MTG アリーナ】初心者向け 何ターン目に何マナがだせるか 確率テーブル
複数のカードのドロー・デッキ存在確率(マリガン対応)

パッとみた印象では「黒マナすっくね」でした。
メインには《隠棲した絵描き、カレイン》、サイドには1BBや2BBのカードがあるため、それなりに黒マナの量を求められる構成です。

前回の記事を見ていただいた方は分かると思いますが、ひとまず今回も87%を嬉しさの基準として駄弁っていこうと思います。

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まずは《血の長の渇き》です。
このカードを唱えたいと思う最速のターンは後攻1ターン目ですので、《沼》は15枚以上が望ましいということに一見なりそうですが、このデッキの場合は少し事情が違そうです。
このデッキはBO3を想定しており、リストを見る限りでは、メイン戦でオールイン系のビートダウンに勝つ気がなさそうに見えます。
ですので、どちらかと言えば「2t《隠棲した絵描き、カレイン》or《裕福な亭主》→3t《墓地の侵入者》or《茨橋の追跡者》or《カザンドゥのマンモス》+《血の長の渇き》」といった動きを想定しているのではないかと思います。これだとほぼ3マナのカードであり、土地配分の影響を受けるカードではないでしょう。

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さて、問題の《隠棲した絵描き、カレイン》です。
前回で述べたとおり、私の基準では《沼》と《山》がそれぞれ16枚ずつ必要です。さっそく、このデッキの色マナの数を数えてみると…

《沼》: 13
《山》: 15
《森》: 14(+《カザンドゥのマンモス》2枚、《古き神々への拘束》4枚)
  宝物 :《カレイン》3枚、《亭主》4枚、《黄金架》4枚

ひぃん

試しに確率を計算したところ、このマナ基盤だと先行2ターン目の《隠棲した絵描き、カレイン》は80%程度の確率で参上できるようです。

これを妥協できるかどうかですね。
カレインを出した次の動きが強くなるには《血の長の渇き》が必要ということもあり、まぁまぁ怪しいカードにも見えてきました。
せっかく三色をやっている、2マナ→4マナにジャンプできるテンポアドバンテージも活かせるということで、除去呪文のツラをした《月の帳の執政》も採用圏内なのではと思います。どうでしょうか。

画像2

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続いて、《カザンドゥのマンモス》《秋の占い師》を見ていきましょう。

先行3ターン目に87%以上の確率で《カザンドゥのマンモス》を出すには、20枚以上の《森》が必要です。ダブルシンボル、とんでもねえ。

デッキには《森》ソースが14枚、《カレイン》《亭主》で7枚あるため、21枚の《森》ソースがあると言えるでしょう。なんなら、少し多いくらいです。
(初手に《カザンドゥのマンモス》をセットランドすると2ターン目に《カレイン》が唱えられなくなる関係上、面倒なので土地としてカウントしていません)

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サイドボードの《素晴らしき復活術師、ギサ》はどうでしょうか。

先行4ターン目に87%以上の確率で《素晴らしき復活術師、ギサ》を出すには、18枚以上の《沼》が必要です。ダブルシンボル、きつい。

デッキには《沼》ソースが13+7で20枚もあるので、こちらも問題なさそうです。

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さて、このデッキのパワースパイクである5マナの皆さんのお時間です。
黄金架のドラゴン》《レンと七番》いずれもダブルシンボルなので、同じ計算式を用いることができます。

先行5ターン目に87%以上の確率で《黄金架のドラゴン》《レンと七番》を出すには、それぞれ17枚以上の《山》《森》が必要です。ダブルシンボル、やばい。

先行2ターン目に出した宝物を4ターン目に使える相手は比較的悠長な人たちで、こればかりは自前で用意できた方がいいような気がしますが、宝物を使わないなら余裕のあるマナベースになっています。このあたりは、実際のプレイングで意識すべきポイントかもしれません。
ちなみに、現状の土地基盤だとそれぞれ83%程度の確率で唱えられるようです。

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3GGGのカードなんて使ったことねえよ…ということで、《収穫祭の襲撃》です。

これは場合分けが大事そうなので、簡単に5パターン。
①先行6ターン目に唱える。
②先行5ターン目に宝物を1つ含めて唱える。
③先行4ターン目に《古き神々への拘束》を発動し、先行6ターン目に唱える。
④先行6ターン目に《黄金架のドラゴン》産の宝物を1つ含めて唱える。
⑤先行6ターン目に《レンと七番》の+1忠誠度能力を発動させて唱える。

①では、《森》が21枚以上必要です。トリプルシンボル、えぐい。この唱え方は、できると思わない方がいい。

②では、結局ダブルシンボルの5マナを唱えるのと同じなので、17枚以上の《森》が必要です。アリかな。

③では、先行6ターン目にダブルシンボルの5マナを唱えるのと同じなので、15枚以上の《森》が必要です。まともに唱えられそうな感じ。

④もやってることは③と同じなので、省略します。

⑤では、結局先行10ターン目に唱えるのと同じなので、16枚以上の《森》が必要になります。足らんのかい。

本題ですが、このデッキの土地基盤(《森》15枚)では、どの程度の確率で《収穫祭の襲撃》を唱えられるのでしょうか。
①の場合、63%の確率で《収穫祭の襲撃》を唱えられます。無理。
②の場合、83%の確率で《収穫祭の襲撃》を唱えられます。まぁアリ。
③の場合、87%の確率で《収穫祭の襲撃》を唱えられます。ここから許せる。
⑤の場合、84%の確率で《収穫祭の襲撃》を唱えられます。イメージと違う。

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3色ってそう簡単にはいかないんだなぁと感じられます。マナクリ多めの構成は、後半のマナクリ死にドローに耐えなくてはいけないとも言われている。

メイン戦での緑系テンポデッキ(特に後攻)に勝てるビジョンはまったく見えませんが、しばらくこれで回していきたいと思います。対戦よろしくお願いします。

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