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中学生のカヌー18km:茅ヶ崎遠征

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小学生が強風の中、逗子〜江ノ島9km遠征を終えた翌日、中学生たちは逗子〜茅ヶ崎の18kmに挑戦しました。

約18kmの距離をノンストップで行くのは、初めてのこと。
子どもたちにとって、未知の領域に挑戦する冒険となりました。
今回は茅ヶ崎〜逗子、復路のレポートをお送りします。

▼11:33 茅ヶ崎西浜出発

昨日は波がある日で、茅ヶ崎西浜はサーファーでいっぱい。
長くて重いカヌーがうねりを食らったりすると大変。

「よーくタイミングを見てから出発するよ。セットで入って来ているのが通り過ぎて落ち着いたタイミングで “今!” と声をかけるから、そしたらみんな素早く乗り込んで、ガッと漕いで、一気にうねりの外に出る。スタートが肝心だからね」

そうたくちゃんに言われても動じる人は一人もなく、スムーズにうねりの外に出て、いざ出発。中学生のメンバーには頼もしさあるのみだが、混ぜてもらった私(40代母)は不安😂!後半にバテて足手まといにならないよう、「最初はゆっくりペースでお願いします...」と声をかけて漕ぎ出した。

T「逆潮と向かい風?全然大丈夫!なぜならエースの俺がいるから!」
Y「いやいや、ゆいこの方がエースだから」
T「俺はエースなだけじゃなく、逸材だから」
Y「じゃあ逸材、もっと頑張って漕いでよ」
T「うおおおおおー!」(ガチ漕ぎ。実際めっちゃ進む)

みたいな楽しい会話をしながら、前半、江ノ島をすぎるあたりまではのんびりとピクニックモード。

ステアのたくちゃんが丁寧に岸沿いの航路を選んで風とうねりをある程度避け、1&2番のMとOもまったく乱れないペースを作り、ひたすら楽しく漕ぐ。

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▼12:30すぎ 江ノ島

風よけの意味合いで、ここまではずーっと沿岸部に沿って進む。江ノ島を裏側からこんなに近距離で見たのは、初めて。江ノ島にも民家とかあるのね… 知らなかった。観光客も釣り人も島から溢れそうなくらいたくさんいたのも印象的。

▼13:00くらい 稲村ヶ崎ガチ漕ぎ

そんな江ノ島を越えて、稲村ヶ崎が見えたあたりで…

T「そろそろ、ガチ漕ぎしね?」
Y「いいねー!やろー!」
たくちゃん「どこまでやる?」
Y&T「稲村ヶ崎まで!」

って、えーっ!稲村ヶ崎、ここからめっちゃ距離ありますけど…(目測で2kmくらい) 

しかもそれ(ガチ漕ぎ)終わった後、稲村から逗子まで、まだ軽く5-6km残ってるんですけど…

あい「ガチ漕ぎ終わった後、わたし死んで漕ぎ手が一人減って、ただの重りになってもいいなら、いいよ…」

T「いいよ!そうなったらトレーニングになるし!」

たくちゃん「いや。そうなったら、あいちゃんは稲村ヶ崎から泳いで帰ってね!」

たくちゃんに明るい笑顔でそう言われて、はじまったガチ漕ぎ。そのペースが、は、は、は、早っ!!

「1秒間に2漕ぎ」のペース(逗子海岸ゴール前の動画を添付しました。その1.5倍速)と言ったら、速さが伝わるか。全力ダッシュの速さで、2kmをひたすら漕ぎ続けるユースたち。私が同じペースで漕ぐことができたのは、最初の100mくらいであった😅

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一人ひとりの雰囲気はというと...

●1番 M
 あのペースで延々2km、寸分の乱れもなく漕ぎ続ける耐久力。抜群の安定感。超高速なのに水もしっかり前から掴んでいるし、ペース落ちないし、ロボットかと思ったよ。
 後で「息あがらなかったの?辛くなかったの?」と聞くと、「うーん。とにかく、ハッ、ハッ、ハッて吐く息で水を掴むことでペース作ってたから、息が上がるとかそういう感じではなかったな」
 踏み込むことや、前から重く水を捉えることなど、「普段意識してることが保てるギリギリのペースがあのくらいだった」って… お化けか〜っ!!

●2番 O
 でも実は、そのお化けを支えていたのがOでした。Oはユースの間でも「2番の名手」として名高い、最高のペースメーカー。1番のMが「みんなキツい頃かな?」と思ってちょっとペースを落とすと、その度に後ろから「落ちた!」と声をかけ続けていたそうな。笑 1&2番の抜群のコンビネーションで、高速ガチ漕ぎでも全員ピタッと揃っていたよ。(私以外は…😅)
 出発前、「逆風・逆潮・初の18km」というコンディションに唯一ドキドキして「キンチョーするな…」と呟いていたOでしたが、持ち前の根性と本番力、しっかりと見せてくれたね。
 
●3番 Y
 チームのムードメーカー。楽しくお喋りして皆を盛り上げながらも、乱れることなく20回ごとに「ハップホー」のコール。水を深くしっかり捉えた漕ぎで、エンジン役としても完璧でした。去年まで小学生だったとは、思えなーい!鬼のガチ漕ぎでも全く乱れずに1&2番に合わせることができ、本当にすごかった。
 がしかし、後半は「おなかすいた…」「白いご飯が食べたい…」と可愛い感じもあり、それが逆にみんなをホッとさせてもいたかな。逗子海岸が見えたら元気が戻り、ラストの漕ぎはまた圧巻。着岸しておやつもらったらまたケロリと元気になる感じとか、さすがだな。

●4番 T
 陸上部で高みを目指すこの人はもう、いちばんの体力お化け!漕力も半端なくて、完全にチームのエンジンでした。ガチ漕ぎのあとの休憩中に「一人でどのくらい進むかやってみよ」といきなり漕ぎ出した時の推進力といったら!
 6年生の時、たくちゃんに「皆に合わせろ〜!」「軸を意識しろ〜!」と何度も怒られていたのが嘘のように、ゆっくりの時も、ガチ漕ぎも、ピタッと全体に合わせます。軸だって、もうまったくブレない。T… 成長した…(ホロリ)😭! 
 漕ぎながら、陸上の練習や行きたい高校の話もたくさん聞かせてもらい、あの真っ直ぐさはやっぱり「逸材」だなと感じました。

●5番 あい
 1秒間に2漕ぎのダッシュなんて、100mしか持たない。そのあとは、みんなが作る水流の邪魔だけはしないように、3漕ぎごとに1拍休みながら、なんとかタイミングを合わせるしかなかった…。みんなの半分も漕げないのにゼエハア言いながら2kmをやり過ごし、その後は完全に試合終了みたいになってました…😂

●ステア タクちゃん
 前日に小学生と9km、この日も中学生と往復で35km漕いで、なおあのパワーと明るさ。それでもさらに「明日からは波乗りウィークかな〜!」と翌日以降の遊びにまでワクワクしてたりとか、もう「さすが」以外の言葉がありません。みんなのカヌーの神様、今回もありがとう!!

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(写真:6年生のK。カヌー遠征前日に手首を捻って、漕ぎ手としては参加できなかった代わりに、走るのが好きな彼は茅ヶ崎までランで合流!今回の裏MVPは間違いなく、彼だったでしょう...!)

▼14:00 逗子湾!

Y「おなかすいたよ〜。もうガチ漕ぎできないよ〜」
T「帰ったら風呂入って、あったかい毛布にくるまってゴロゴロしてやる!」

なんて言いながら漕いでいたはずが、やっぱり最後、ホームの逗子湾が見えるとホッとする。大崎を越え、赤灯台が見えたあたりから、みんなパドルに力が入り直した。

見知ったホームだからというだけでなく、逗子湾に入るとうねりも風もグッと弱まり、ここがどれだけ守られた場所であるか、しみじみと感じる。

たくちゃん「最後、やっぱりカッコよく行こうか。さっきのガチ漕ぎペースだと、後半、揃っていない時もあったよね。ペースはあの半分でいい。少しだけペース上げ気味で、しっかり深く、合わせていこう」

そんな声かけで漕いだラスト200m、気持ちよかった!

パドルが水を掴むタイミングがぴったり揃う。
皆の脚が同時に踏み込んでカヌーを滑らせている感覚が、
全身に伝わる。

2時間半以上、ほぼノンストップで漕ぎ続け、
お尻から太腿の裏にかけてすでにピキピキの満身創痍。
にもかかわらず、ラストスパートは魂が喜んでいた。

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11:33に茅ヶ崎漁港の西側の浜を出発して、14:15に逗子海岸到着。距離17.88km、平均速度6.7km/hで、2時間42分の旅でした。(平均じゃなく、最高速度を知りたかった😂!)

今回同行させてもらい、カヌーの実力だけじゃなく、チームとしての阿吽の呼吸にも静かに感動しました。部活や学校がそれぞれに違っても、小学校のときからの仲間とこうして海で過ごせるのはかけがえのない時間です。

とにかくみんな素晴らしかった。混ぜてもらえて光栄でした。とびうおユースのみんな、そしてこの海に、ありがとう。  

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