0121「まるで最初から分かっていたような」

日本代表はサウジアラビアとのアジアカップ決勝トーナメント1回戦を1-0で勝利した。この試合の後半は強い日差しの影響もあってか選手たちの足が止まり始め、相手へのプレスが甘くなり何度もノープレッシャーでクロスを上げさせてしまった上に、ポジティブトランジションの局面で前線の選手がボールを保持することができず苦しい時間帯が続いた。
日本代表と違いグループステージで完全なターンオーバーをすることなく、またこの試合も前半からアグレッシブに攻めていたサウジアラビアの選手たちの足も止まってくるかと思われたがさすがは勝手知ったる気候ということか、そんなことはなかった。

もちろん日本代表は攻められっぱなしだし、プレスもかからない、ドリブルで振り切られる回数も増えてくる、前線でタメも作れない、ボールキープもできない辛い状況が続く。前日のタイ代表の試合の再現を観ているようだった。

不思議だったのはそれでもベンチが交代カードを切らなかったことだ。最初の交代が78分、2枚目は88分、最後は90+1分と、終了間際までほとんど手を打たなかった。状況も悪かったし、このままでは怪我人が出てもおかしくないように見えた。そして実際終盤には脚をつる選手が何人か見られた。

しかし結果は相手に決定的なチャンスをほぼ作らせない勝利。そして試合後のインタビューでは選手が口々にプラン通りであったこと、このような戦い方ができることをプラスに捉えていることを口にしていた。まるでこの結果が最初から分かっていたような落ち着きぶりだ。観戦しながら軽くフラストレーションを貯めていた自分がちょっとカッコ悪かった。

今日の勝利は見た目に派手さはなかったが、選手やベンチにとってはプランを危なげなく遂行しただけなのかもしれない。だとしたら今の代表は自分の予想をはるかに超えて完成されている。
これから裏解説でその答え合せをしてこようと思う。楽しみだ。

ところで

ところでこんな記事を見つけた。まず両チームが同じホテルに泊まっていることも驚きだが、サウジアラビアの選手たちがバーで過ごしているという内容にも結構驚きだ。

宗教上の(あるいは政治的な)理由でお酒を飲めない選手が多いはずだし、過去には選手の飲酒が原因でサウジアラビア代表は対外試合を禁止される憂き目にもあっているようなので、なかなかセンシティブな内容な気がする。それとも最近は考え方がだいぶ変わってきたのかな...


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