容量が限られている頭の中のキャパシティをどうマネジメントするのか、という話

ベンチャーキャピタルという職業柄、上場・未上場含めていろいろなタイプの経営者に出会うわけですが、例えば、

・豪邸に住み、別荘を持ち、車も数台、そして事業もたくさん手がけているようなタイプの経営者

・お金は持っているけど実に質素な生活で、あまり遊ぶこともせず、目の前の事業や趣味に集中するようなタイプの経営者

など、いろいろな経営者がいます。

もちろん、幸せや欲求の方向性はひとそれぞれなので、どちらが良いとか悪いとかいう話ではないのですが、先日懇意にしていただいている経営者が面白いことを言っていました。

「一度お金をそれなりに持つといろいろ手広くやりたくなる。株もそうだし不動産もそう。新しい事業も含めていろいろとやりたくなる。でも、実際にいろいろやってみると、頭の中のキャパシティがいろいろなところに取られてしまってね。一番成果が出る部分にあまり集中できなくなってしまった。だから、資産とか全部整理して、会社の近くにマンションを一部屋借りて、目の前の事業だけに集中しようと思っているんだよね。」

この話は少し極端な例で、組織をうまくワークさせたり、仕組み化することでキャパシティを拡げて(若しくはマネジメントコストを下げて)、事業拡大を図っている素晴らしい経営者もたくさんいるので一概には言えないのですが、容量が限られている頭の中のキャパシティをどうマネジメントするのか、っていう話はとても重要だと思うんですよね。

成功している人は持ち物が少ないとか、行動原理や判断原理がシンプルとかよく言いますが、それって「容量が限られている頭の中のキャパシティを本当に必要なものにしっかり使うことの重要性を認識している」、ということも一つの大きな理由なんだと思います。

世界中からありとあらゆる情報が溢れるように入ってくる時代なので、いろいろな興味や欲求が湧いてきますが、しっかりした自分としての軸を持ちつつ、頭の中のキャパシティ・マネジメントは改めてしっかり実践していこうと思います。

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