#4「受容」
「脳腫瘍の疑いがあります。」
この段階では悪性なのか、良性なのか、どこまで病態が進行しているのかも分からない。
脳腫瘍というワードだけが一人歩きしています。
ましてや、脳圧が高すぎて視神経乳頭から出血?
これってマジでヤバいんじゃないの?
色んな考えが一瞬で頭を過りました。
医療の世界にはキューブラ・ロスの5段階モデルというものがあります。
人が、避けられない死を受容していく悲しみの過程を、否認・怒り・取引・抑うつ・受容の5段階で表したものです。
これは、死以外の悲しみや喪失体験(失恋や失敗等)から人が立ち直っていく過程にも当てはまるものです。
①否認
「何かの間違いだ!」「信じられない!」
②怒り
「なんで自分だけがこんな目に合うんだ!」
③取り引き
「治るためなら何だってします...」
④抑うつ
「もうだめだ...」
⑤受容
受け入れ。治療がスタート。
私の場合は、脳腫瘍疑いが浮上→受容までの過程が意外にすんなりしたものでした。
色々と調べたので、ある程度察しがついていたのもありましたが
「ああ、もう仕方がない。」
とすぐに割り切る事にしました。
医療ドラマの世界だと面談室で医師と対面し、そこで初めて
「あなたはこんな病気です。」
と告知されるのが一般的なイメージかなと思いますが
〜がん疑いとかで検査をするうちに何となく察しがついて来るものかなと思いました。
(もちろんそうでない場合もあると思います)
すぐに割り切れたのも
「まだMRIを撮っていないので他の病気(緑内障)とかの可能性も残っているし...確定じゃないよね」
「まだ確定もしてないのに脳腫瘍だなんて大袈裟な」
という気持ちもどこかにあったのかも知れません。
すぐに両親、彼女に連絡しました。
両親も彼女もとても驚いていましたが、まだMRI撮ってみないと分からないし
と励ましてくれました。
仕事は検査日の7月13日(月)と検査結果を聞きに行く7月15日(水)はお休みを貰うことになりました。
体力的にそろそろ別でお休みを貰わないとヤバいなと思っていた頃だったので、ちょうどいいタイミングだったとは思います。
午後から野球に行きたいと思っていましたが行けるはずもなく。
昼から大雨が降ってきたしどの道中止でしたが。
いよいよ迎えた7月13日(月)検査の日
人生初の造影MRIです。
まず、アレルギーや既往歴などの問診を取りました。
病衣に着替え、下着以外はコンタクトレンズまで全て外します。
その後、全身に金属製物質を身につけていないか金属探知機を当て行きます。
金属性物質を身につけているとMRIに吸着してしまう可能性があるのでここは念入りにです。
私の場合は造影MRIと言って造影剤を点滴してから行うMRIでした。
造影剤を点滴してから行うと、腫瘍が白くなってMRIで写りやすくなるようです。
放射線技師さん「ここに横になってください。撮影中は頭を動かさないようにしてくださいね。」
耳の横にクッションを入れて頭を固定した後、機械の中に体が移動していきます。
かなり狭い空間に30分程度いるので閉所恐怖症の方には少し怖いかもしれません。
これに関しても事前に問診があります。
機械の中に入ると「ヴォーン!!ヴォーン!!ヴォーン!!」と3秒間隔くらいで音が鳴り続けます。
なかなかの爆音
これが30分間くらい続くわけです。
一応、耳栓はしてはいますがそれでも音は大きいです。
私は病気の影響でかなり疲労感があったので爆音の中でも意外と寝ることができました。
しかし、起きた後の気分の悪さと言ったら、、
その後、通院で何度もMRIを撮りましたが気分悪くなったりは無かったので
その時はそれなりに病態が進行していたんだと思います。
そして、2020年7月15日(水)
検査結果判明
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?