ベンチャーキャピタルって?
ベンチャーキャピタル(以下 VC)とは、スタートアップに対して成長のための投資を行う会社です。この投資はスタートアップの株式を購入するために行われます。
VCのビジネスモデル
VCのビジネスモデルは以下の通りです。
(1) VCはスタートアップに投資するためのお金を投資家から集めます。
(2) 集めた資金を元手にスタートアップに投資し、そのスタートアップの株式を取得します。
(3) スタートアップがIPOやM&Aを行った際に株式につけられる評価額と(2)の投資額の差分をVCは儲けとして獲得できます。
*IPO(Initial Public Offer):新規上場
*M&A(Mergers and Acquisitions):合併買収
👉会社にとって株式とは
「スタートアップがVCから資金調達を行う。」といった事象は「スタートアップが自社の株式をVCに買い取ってもらう。」と同義です。そこで、会社にとって株式とは何かを理解しておく必要があります。株式とは、会社の意思決定権であり、会社そのものです。すなわち、株主(株式の所有者)=会社の所有者となります。ここで注意すべきなのは経営者(起業家)=会社の所有者ではないという点です。しかし、この株式は数千、数万と分割可能であり、会社の意思決定は多数決(一株一票)によって行われるので、実際には会社の所有者、意思決定者が誰であるのかを一言で表すのは容易ではありません。
起業家にとってのVC
多くの場合において、起業家は自分の会社を成長させるために必要なお金を外部から調達してきます。この資金調達は大きくデット・ファイナンスとエクイティ・ファイナンスの2種類に分けられ、VCに関係するのはエクイティ・ファイナンスとなります。
• デット・ファイナンス:銀行等からの借入れによる資金調達で返済義務がある。
• エクイティ・ファイナンス:株式の発行による資金調達で返済義務はない。
起業家にとって資金調達は重要ですが、もちろん日常的に資金調達を行っているわけではなく、会社にとって必要であると認められたタイミングでのみ行われます。資金調達は毎回に名前がつけられており、
シード
アーリー
シリーズA
シリーズB
シリーズC
シリーズD
:
以上のように続きます。また、これらのステージでは全て同じVCが担当するわけではなく、それぞれのステージに専門的な知見を持ったVCに担当してもらうのが一般的で、VC側もステージごとに棲み分けがなされています。そして、ステージが上がるごとに、会社の価値も上昇するため資金調達額も上昇します。
それぞれのスタートアップによって資金調達の目的は異なりますが、シード段階では「初期プロダクトを実際にローンチし、PMFを目指す。」などを資金調達の目的の例としてあげられます。幾度かの資金調達を繰り返した後は、スタートアップがExitすることによってVCに利益が還元されます。ExitとはIPOやM&Aのことです。よって、VCから資金調達を行うことはIPOやM&Aをゴールの一つとして設定することが強制されます。
*PMF(Product Market Fit):プロダクトに対する需要が市場にある状態。
VCにも種類がある
独立系
• DCMベンチャーズ
• ジャフコ
• グロービス・キャピタル・パートナーズ
• グローバル・ブレイン
金融系
• ニッセイ・キャピタル
• SBIグループ
• 大和企業投資
大学系
• 慶應イノベーション・イニシアティブ
• 京都大学イノベーションキャピタル
• 東京大学エッジキャピタル
事業会社系
• KDDIオープンイノベーションファンド
• Zベンチャーキャピタル
• NTTドコモ・ベンチャーズ
• 博報堂DYベンチャーズ
• GMOベンチャーパートナーズ
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