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§10 二=G(双調)の陰旋法を作る     お箏を弾く人のための「初めての楽典」   

第10回 二=G(双調)の陰旋法を作る

今回は陰旋法の<宮商角徴羽>で、「宮音」をGにした音階を作ります。

今回もまず「五=D(壱越)」に合わせた平調子に調絃したお箏を用意します。

さて、ここからこのお箏の箏柱13個を左方向移動させて「五=G(双調)」に合わせ、全体の音が低くなった平調子を作ることができます。流派によってはこの調絃を「低平調子(ひくひらちょうし)」と呼ぶことがあります。お箏を地歌から勉強なさっている方にはおなじみの調絃です。光崎検校作の「五段砧」は高音と低音の二面のお箏のための合奏曲として作曲された最初の音楽ですが、この曲の「低音」(流派によっては「本手」とも)も「五=G(双調)」の平調子です。

しかし、ここでは全体の音を低くした平調子は調絃しません。最初に「五=D(壱越)」に合わせた平調子にはもともと「G(双調)」の音が存在しますので、そこを起点としてみます。

「五=D(壱越)」の陰旋法で各絃に割り当てられる音は

このようになっていました。「五」から「九」に完全な陰旋法の5音が並んでいます。

この「平調子」では「二」「七」「為」に「G(双調)」が見つかります。そこで今回は「二」を起点、つまり「二」を「宮音」に決めて箏柱を移動しながら陰旋法の5音を見つけてみます。

<宮音がG(双調)である陰旋法を作る>

宮音を「G」にした陰旋法を歌うための練習をもう一度聞いてください。

それでは、いま聞いた練習の音を忘れずに、同じ手順で「二」から始めて音を合わせていきます。ここでは正しい調絃をすることが目標ではありませんから頭に思い浮かべた音と、それぞれの絃から鳴る音がだいたい同じになるように箏柱を移動してみましょう。

「五=D(壱越)に合わせた平調子」に調絃されていたお箏の「二」から「六」に新しく陰旋法の5音を作ることができました。

上にある表も書き換えてみましょう。

「三」と「四」の二箇所で箏柱を移動すると「二=G(双調)」を「宮音」とする陰旋法を作ることができました。

次回は第8回から第10回までをまとめてみます。

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