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§8 五=D(壱越)の陰旋法を作る     お箏を弾く人のための「初めての楽典」   

第8回 五=D(壱越)の陰旋法を作る

今回は、第7回で歌ってみた陰旋法を実際のお箏を使って再現してみます。歌うのではなく、頭に思い浮かべた(実際に声に出して歌いながらでももちろん構いません)音を、箏柱を動かしながら見つけていきます。

まず準備したのは「一(五)」を「壱越=D」にして平調子に調絃したお箏です。この時の調絃はみなさんが普段行っている方法で構いません。もちろんチューナーを使っても構いません。

<宮音がD(壱越)である陰旋法を作る>


いま用意したお箏は「五」が「D」になっていますので「五」を起点(宮音)として「五・六・七・八・九・十」の絃で陰旋法を作ります。

宮音を「D」にした陰旋法を歌うための練習も、もう一度聞いてください。

それではいま聞いた練習の音が頭から離れないようにしながら、同じ手順で「五」から始めて音を合わせていきます。ここでは正しい調絃をすることが目標ではありませんから頭に思い浮かべた音と、それぞれの絃から鳴る音がだいたい同じになれば良いでしょう。

もうお分かりだと思いますが、平調子に合わせた状態であれば「五・六・七・八・九・十」は箏柱を動かすことなく「陰旋法」が再現されます。

お箏の調絃として考えると「平調子」はもっとも馴染み深いものですが、日本音階の「陰旋法」という方向からこの調絃を考えてみると「陰旋法の<宮商角徴羽>が<五・六・七・八・九>に現れていて、十で1オクターブ高い宮音に至る調絃。<五・六・七・八・九>以外の音はそれぞれ<五・六・七・八・九>の各音と1オクターブ高低の関係にある」と考えることができます。

次回は今回と同じ「一(五)」を「壱越=D」にして平調子に調絃したお箏からA(黄鐘)を宮音とする陰旋法を作ってみます。

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