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§9 三=A(黄鐘)の陰旋法を作る     お箏を弾く人のための「初めての楽典」   

第9回 三=A(黄鐘)の陰旋法を作る

今回は陰旋法の<宮商角徴羽>で、「宮音」をAにした音階を作ります。

前回同様、普段通りに「五=D(壱越)」に合わせた平調子に調絃したお箏を用意します。

さて、ここからこのお箏の箏柱を全体的に左方向に移動させて「五=A(黄鐘)」に合わせてから調絃を始めても良いのですが、「五=D(壱越)」の平調子にはもともと「A(黄鐘)」の音が存在しますので、そこを起点としてみます。

「五=D(壱越)」の陰旋法で各絃に割り当てられる音は

このようになっています。「五」から「九」に完全な陰旋法の5音が並んでいます。

この「平調子」では「三」「八」「巾」に「A(黄鐘)」が見つかります。そこで今回は「三」を起点、つまり「三」を「宮音」に決めて箏柱を移動しながら陰旋法の5音を見つけてみます。

<宮音がA(黄鐘)である陰旋法を作る>

宮音を「A」にした陰旋法を歌うための練習も、もう一度聞いてください。

それではいま聞いた練習の音が頭から離れないようにしながら、同じ手順で「三」から始めて音を合わせていきます。前回と同様に、ここでは正しい調絃をすることが目標ではありませんから頭に思い浮かべた音と、それぞれの絃から鳴る音がだいたい同じになれば良いでしょう。

「平調子」に調絃されていたお箏の「三」から「七」に陰旋法の5音を作ることができました。

上にある表も書き換えてみましょう。

「六」と「七」のふたつの箏柱を移動することで「三=A(黄鐘)」を「宮音」とする陰旋法を作ることができました。

次回は「一(五)」を「壱越=D」にして平調子に調絃したお箏からG(双調)を宮音とする陰旋法を作ります。

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