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令和(個人的)最高のアニメーション作品が現れたという話。

たまたま見た湯浅政明監督の新作アニメ『映像研には手を出すな!』1話(NHK総合)が凄かった、という記事です(毎週日曜24:10~放送中)。


□その出会いは突然だった……

とある深夜、ふとNHKを見ている時のことでした。みなさんふと見ますよね? NHK。

そしてテレビの画面に映し出されたのは『未来少年コナン』の1シーンでした。知らない方のためにさらっと概要をWikiからコピペします。

『未来少年コナン』(みらいしょうねんコナン)は、1978年4月4日から10月31日にかけて、毎週火曜日19時30分から20時00分(日本時間)まで日本放送協会(NHK)で放送された日本のアニメ作品である。全26話。製作会社は日本アニメーション。
 ーー<中略>ーー
宮崎駿が初めて監督を担当した作品として知られる。また、NHKが放映した最初のセルアニメーションシリーズでもある。 
「未来少年コナン」『フリー百科事典 ウィキペディア日本語版』。 2020年1月1日 (水) 13:05  UTC、URL: https://ja.wikipedia.org/

(作品の内容は、2008年に勃発した核兵器よりも強力な超磁力兵器が使われた戦争から20年後の「五大陸が変形し、都市部も海中に沈んだ2028年の地球」というなんともロマンあふれる舞台設定。さらに、小さな島に墜落した宇宙船(ロケット小屋)でコナン少年が「おじい」と2人で平穏に暮らしていたある日、海岸に少女が漂着するところから始まるロマンあふれる展開。こちらも布教したいのは山々ですが、とりあえずこのへんにしときます。)


とまあ、伝説のアニメ作品なので、再放送でもしているんだろうな、と思いました。ただ、見ているうちにあることに気づくのです。

「しかし再放送にしては、やけに画質がいい。ていうか画面端まで写ってるし、地デジ画角やん。なんか今っぽい作画だし。なんなんだろう」

そして番組表を見たのが『映像研には手を出すな!』との出会いでした。



□はじめに---『映像研には手を出すな!』1話を見る方法


まだ見てない方でFOD見れる方はこちらからどうぞ(NHKさん、再放送してくださいお願いします。日本のアニメ界の未来が変わります)。

さらに、原作コミックはこちらで3話まで無料で公式で読めます(アニメ1話は原作1話と同じ進行度です)。



□『映像研には手を出すな!』1話の何がそんなに凄かったのか


さて、そろそろ本題に入りましょう。

1話のあらすじは公式サイトから引用(脚本的には序章の序章なのでネタバレとかはないです)。

アニメーション制作を夢見る高校1年生の浅草みどりは、同級生の金森さやかとともにアニメ研の上映会へ。 すると、カリスマ読者モデルとして知られる水崎ツバメが声をかけてきた。水崎はなぜか黒ずくめの男たちに追われていた。 浅草と金森は彼女を助け、男たちを撃退する。そして2人は水崎が意外にもアニメーター志望であることを知る。 浅草と水崎の即興での合作が始まり、意気投合した3人の前に「最強の世界」が広がっていく…。
http://eizouken-anime.com/story/

まぁ、この通りです。一見ただの、普通に面白そうなアニメですよね。

何故「令和(個人的)最高のアニメーション作品」とか言っちゃってるのでしょうね。pv稼ぎ目的の煽り誇大表現ダメ、絶対。

この作品の何が僕にそこまで言わせたのかというと、「アニメーション作品としての(個人的)価値の高さ」です。


アニメーション作品の価値を決める評価軸は人によって違うのですが、主なものは以下のようになると思います。

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この4つの要素が絡み合ってアニメーション作品の世界観が構築されるわけですね。

そして、どの評価軸にも「正解・不正解」はなくて、あるのは「好き・嫌い」という好みの問題だと思います。なので、うざったいくらい「(個人的)」と付けています。好みは人それぞれ違うので。


『映像研には手を出すな!』は、これが(個人的に)最高なんです。

・キャラ立ちし、それぞれの輪郭がはっきりしている主要女性キャラ3人

・経緯不明の高低差とその階段、水上に建てられかつ増改築を重ねダンジョン化した校舎という世界観。そしてそれにマッチしすぎる映画『夜は短し歩けよ乙女』やアニメ『四畳半神話大系』、『ピンポン THE ANIMATION』などに代表される湯浅政明ワールド

・声優の演技も世界観にマッチしてるし、めちゃくちゃ上手い。特に主人公最高。



【脚本】 「アニメを作る話」


アニメを作る話といえば、そうです。みなさんご存知『SHIROBAKO』です。

え? 知らないって? ではサラッとWikiからコピペします。

『SHIROBAKO』(シロバコ)は、P.A.WORKS制作、水島努監督による、日本のオリジナルテレビアニメ作品。2011年制作の『花咲くいろは』に続く「働く女の子シリーズ」第2弾。2014年10月から2015年3月まで全24話が放送された。パッケージ版には劇中劇のOVA2話が追加されている。制作進行・アニメーター・声優・3DCGクリエイター・脚本家志望としてそれぞれアニメーション業界に入って夢を追う5人の若い女性を中心に、作品の完成を目指して奮闘するアニメーション業界の日常を描く群像劇である。 「SHIROBAKO」『フリー百科事典 ウィキペディア日本語版』。 2019年12月28日 (土) 12:40  UTC、URL: https://ja.wikipedia.org/

こちらも名作です。たくさん泣きました(同じクールで『四月は君の嘘』もやってましたね。タイトルだけで涙腺崩壊)。

『映像研』と『SHIROBAKO』は「アニメを作る話」という共通点があります。


『SHIROBAKO』は、実在するアニメ制作会社をモデルにしていて、登場するアニメーターや制作スタッフなど様々な登場人物ほとんどにそのモデルの人物がいるという作品です。

これを見たときに気付かされたのが「アニメを作る話をアニメーションで表現する」面白さです。なんとも言葉では説明しにくいのですが、「映画を作る話の映画」とか、「演劇を作る話の演劇」とか、「小説を作る話の小説」とか、想像してみてください。

登場人物がその表現方法への思いや熱意を語るさまを、まさにその表現方法をもってして受け手に伝えるわけです。

つまり、裏側を見せられるのです。

同じアニメーション映像でも、その裏方(登場人物)が作ったというように見せられると「ああ、あの登場人物の拘りがこうやって表現されてるんだな」とか感じさせられてしまうのです。

物語の登場人物と、その物語自体の表現方法が同じなので、「登場人物を語る文脈で、登場人物が作った作品を見せられる」面白さがあります。


さて、その『SHIROBAKO』と今回の『映像研』の登場人物が作る作品の見せ方の違いですが、

『SHIROBAKO』は、リアルです。
ここをこういう表現にしたいと監督が言ったから原画描く人にこう伝えて、作画監督にスケジュール変更してもらって……などなど。

一方『映像研』は、抽象的です。
主人公の「設定を考える力」にノせられて主要キャラ3人の相乗効果でどんどん「最強の世界」が構築されていくさまを映像で見せていきます。

3人のイメージ世界のようなもの。実際にはワイワイしながら1枚の紙に設定を描いているわけですが、その3人の頭の中には、広大で魅力的でとにかく面白い「最強の世界」が広がっているのです。

この映像表現が見事です。思い出しただけでもワクワクしてきます。


【作画】 「最強の世界」が最高


後半の「最強の世界」の演出は圧巻!
前半の『未来少年コナン』のアニメーション作品としての凄さを語る主人公の話を、映像的伏線として回収しながら「最強の世界」に没頭させられていく快感。見ていて気持ちいい。湯浅政明の真骨頂。

ああ、文字じゃ語りきれない。だからアニメーションとして見る価値がある。


□文字じゃ語りきれない。見るしかない。


はい。語りきれないです。

当たり前じゃないですか! 最高のアニメーション作品を理解するには、その作品を見る以外の方法があるわけないんです!

文字で最高のアニメーション作品の説明なんてできようか(いや、できるはずがない)


他にも、NHKでやる凄さとか、湯浅政明の凄さとか、サイエンスSARUの凄さとか、Twitter運営の上手さとか、夏に乃木坂主演で実写映画がやるとか、Adobe×ワコム×映像研でのコラボの凄さとか、海外を意識した宣伝の凄さとか、言いたいことは山ほどあるんですが、

とりあえず、見てもらわないと話にならない!!



□結局何が言いたいかというと


『映像研には手を出すな!』はNHK総合毎週日曜深夜24:10放送中!!見ましょう!


「すごいよ、これ」




ほんじゃーねー!
(そ・ω・へ)ノシ

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