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エリザベス女王杯2023全頭診断


◎アートハウス


前走の中山牝馬sでは比較的フラットな芝状態の中イン前につけ運んだが直線で少し進路を外に出すロスがあったとはいえ、上位2頭には伸び負けており
サトノセシルにすら差されて4着。ハンデ57キロやマイナス12キロだったことを考えても物足りない。

2走前もスタートから外に進路を求めているように内側が痛んでいた馬場で前目につけ、直線は5分どころの持ち出しうまく乗られて快勝した。
相手が大したことないうえに、前にいた馬がそのまま残りやすい馬場だったこともありそこまで評価しずらいレースだった。

クラシック路線でも1流どころより1歩足りないレースを続けていたし、人気先行型の馬。

サリエラに勝利したローズsも前が比較的有利なコンディションでスロー寄りの中、前につけて勝ったがレース内容でいえば後ろから追い込んだサリエラのほうが強く
ここも評価は微妙。

こうしてみていくと能力的には1流馬とはさがあるものの、今回はメンツ的に抜けた馬がおらず、更に有力どころは後ろから行く馬が多いし、スローにもなりがちな
京都2200mも向いている。そこでこの馬の先行力は魅力で器用に立ち回れるからこそ大崩れもしていない点を鑑みると、川田ではなくなり人気を
落とす今回は馬券的に買いたい要素がそろっているとも感じる。

骨折明けの8か月ぶりのレースも不安ではあるが、相手には入れておきたい3列目に少し程度か。

◎イズジョーノキセキ

ソダシを負かしたレースや有馬記念4着が光るが、その2走ともうまく乗られて展開にも恵まれたもの。ここ最近はどのレースも負けすぎており、後ろから行く
この馬にはここも展開が向きそうではないし手が出ない。

◎ククナ

前走っ倉記念はスムーズな競馬ができており、力負けの6着。2走前の七夕賞も前に行った馬で決まった低レベル戦の2着。相手関係も楽だった。
ここでは能力が足りない。軽視。

◎ゴールドエクリプス

前走の大原sは危なげない勝利もメンツは弱く過剰に評価は出来ないが、夏負けしていたとのこと。もっと圧倒してほしかったが同情の余地あり。

2走前の小倉記念は道中インをロスなく運び直線でもスムーズに進路を確保し好騎乗の中3着。マリアエレーナを交わしての3着は立派も、51キロのハンデで
恵まれた部分もあり、横綱競馬をしたマリアエレーナノほうが内容は良かったため、手放しで評価することはできない。

3走前のマーメイドsも前がやりあってペースが流れる中後方にいたこの馬に向いたが、4着まで。大外をぶん回す雑な競馬をしたとはいえ、4角で隣にいた
ウインマイティーに伸び負けており、そこまで評価することができない。

現状このメンツでは力が足りず軽視予定。

◎サリエラ

前走の新潟記念はスタートから行きっぷりが悪く、最後の伸びも案外でこの馬らしくない敗戦だった。ただ今年の新潟は暑くパドックからやけに悪く見せていたし、本調子じゃなさそうだった。

2走前の目黒記念ではスローで流れる中、終始外を回り直線では一旦ゼフィーロに前に出られたが差し返していい脚で3着まで追い込んできた内容は
強く評価に値する。競り勝ったゼフィーロはその後アルゼンチン共和国杯を制しており、そこもプラス材料。

3走前は白富士sは単騎で気持ちよく運んだ中山記念3着、リステッド勝ちもあるドーブネを直線詰まりながらも進路ができてからは33.7の
脚で交わした内容は1頭だけ力が違った内容。

4走前にはアートハウスに負けたものの、ここも前が比較的有利なコンディションでスロー寄りの中、レース内容でいえば後ろから追い込んだサリエラのほうが強く
評価できる。

新潟記念の負けをどうとらえるかだが、私には夏負けだったように映っており、この敗戦で人気が落ちるようなら買い時だと判断している。
あとは最終追切やパドックには注意を払って観察したい。能力はこのメンツなら十分足りている。

◎ジェラルディーナ

前走のオールカマーは前残りのスローで最初のポジションが悪く、最後はいい脚で追い込んでは来ているが届かなかった。最近はズブくなっているとのコメントもあるし、
スタートもよくない方で今回みたいにスローが予想されるメンバーだと取りこぼす恐れは大きい。

2走前は宝塚記念でも行き足がつかなく後方からになったが、前が飛ばすハイペースになり結果恵まれた展開になった。しかし3角からまくる様に進出して
あわやの見せ場を作ったのはさすがで、今回の舞台でも京都の坂を利用して進出すればチャンスはありそう。

この馬は有馬記念でも展開と馬場に恵まれ、昨年のエリザベス女王杯でも馬場に恵まれた。更に言うと昨年のオールカマーでも恵まれており、字面で見る実績ほど
強いわけではないが、さすがにこのメンツとなれば威張れる実績、能力であるのも間違いなく、人気が落ちるようなら積極的に買いたい馬の1頭。

ライアンムーアが乗れるならさらに買い要素は増す。

◎シンリョクカ

前走の府中牝馬sでは外を回されていたとはいえ負けすぎで評価は出来ない。この世代の牝馬はリバティアイランド、ブレイディヴェーグ、マスクトディーバ以外は
そこまで強くなくそれを証明してしまった形。得てして3冠馬が誕生する世代は弱い。更にこの馬は2歳時のg1で2着があるものの、インべたで道中を進み
後ろの馬が不発かつ破った相手も弱く評価がそこまでできないもの。

オークスもハーパーとほぼ同じ位置に居たが伸び負けていてパンチが足りない。これを買うならハーパーだろう。

ここでは厳しい戦いになるだろう。

◎ディヴィーナ

前走の府中牝馬sでは前に行く馬がおらず、かかり気味で逃げる形になったがこれが単騎逃げになり結果的には勝つことができた。正直展開に恵まれた
ところも大きいが、ミルコが乗るようになり素質が開花。成績が出る以前は気性面で課題を抱えていたらしく、返し馬で消費してしまい競馬にならずそこでおしまい
といった形だったと聞く。

特に強かったのはヴィクトリアマイルでメンツ的にもかなりのレベルに合った当レースを出遅れ気味のスタートから大外を回って3f最速の33.1でソングラインに
0.2秒まで迫る4着は評価に値する。
言わずもがなソングラインはこの後の安田記念を勝ち、2着のソダシ3着のスターズオンアースもg1レベルでも上位の馬たちでありレースとしても価値があった。

その後の中京記念はセルバーグが楽に単騎で逃げれて楽をしており、当馬もよく追い込んでいるが届かず2着で取りこぼしたが、内容は明らかにディヴィーナのほうが
強かった。

その証拠に次走の関谷記念ではセルバーグをとらえて下している。ただ早めに抜け出した分物見をしたらしく交わされてしまったし、勝った馬が強かった。
一方で、その勝ち馬のアヴェラーレがスワンs7着だった点を考えると勝ち切ってほしかった。

今回もヴィクトリアマイルくらい走れれば足りてくるはずだが、心配なのはやはり前走で逃げてしまったこと。もともと気性にもろさがあり、更なる距離延長で
しっかり折り合えるのかといった点、また右回りはどうなのか(調教師は問題ないと発言)。

ここ2走は前目で競馬ができており、不安点を克服できるならむしろ展開は向きそうでねらい目になる。個人的には期待のほうが大きくオッズ次第にはなるが
馬券は買っておこうと思う。

◎ハーパー

前走の秋華賞は比較的内前有利の中先行してスムーズにイン2を追走し、全力を出し切れた3着。これ以上を今の段階で臨むのは酷で、3歳である以上
伸びしろはあるものの、g1を全力で走った後のG1連戦は結構厳しいのではないか。
力関係的にもマスクトディーバに突き放されているし、ローズsを見るにマスクとブレイディヴェーグは互角レベルと推測しているのでここらとは2ランクほど落ちるにでは
ないか。

ではブレイディとこの馬の間に何頭入るか考えると2,3頭では利かなそうというのが個人的考えであり、馬柱が奇麗で川田が乗るとなると人気もしそうなので
軽視の方向で行くつもり。
シンリョクカのとこでも書いたが、3歳は3頭を除いて低レベルとみているのも軽視理由の一つ。

軽視といっててアレなのだが、今回の舞台はこの馬の先行力と持続力はかなり合いそうで、内枠に入って展開が向けば3着当たりにいても不不思議ではないので
その時は3列目に少し入れてもいいかも。

個人的には消して妙味を感じる。

◎ビッグリボン

前走の京都大賞典では道中こそスムーズに運べたものの、直線では前の馬がフララフらして不利があったが、それがなくても伸び負けていたように映るし
シンプルに力負けしている。

マーメイドsや福島牝馬sでは好走しているものの、牝馬限定g3レベルでありメンツも一息だし、opでディープモンスターあたりに負けているところと前走を
見るに、メンバー強化のここは厳しいか。

◎ブレイディヴェーグ

前走のローズsではまたも出遅れ気味でスタートし後方から。若干前有利の中後ろから進め、直線では前が詰まり追い出しが遅れるも進路ができてからは
凄い脚で追い上げ0.2秒差2着と強く、JRAレコードが出たレースであることを考えると評価できる1戦。
また、勝ち馬が秋華賞で唯一リバティアイランドに迫っておりG1級の素質を示していたとなると、その物差しから行ってもこの馬も相当なレベルにあると
推測できる。

ただこの馬はデビューから4戦まともにスタートを切れたことがなく、ここもまた出遅れるとなるとスローが予想される今回はいくら強くても取りこぼす
危険性はあるのではないか。

ルメールが乗り推定1番人気に推されそうで、能力は認めつつも4戦しかないキャリアの少なさも込みで頭はない馬券を組む予定。馬券圏内という意味では
好確率できそうではある能力。

◎マリアエレーナ

2022年小倉記念で覚醒前とはいえジェラルディーナに5馬身の差をつけ圧勝してその力を見せつけた上、平坦コースが向いているとも印象付けた。

その後は期待され続けるも勝つには至らず、2走前の小倉記念はメンバー的にも舞台的にも勝つかと思われたがスムーズな競馬ができたのに
直線伸びきれず4着と正直ピークアウトしたかとがっかりしたが、前走のオールカマーは急坂の中山を強敵相手にしっかり追い込んで4着。
負けた相手がタイトルホルダーにG1級のローシャムパーク、先日g2勝ちのゼッフィーロであるし、負かした相手も5着はガイアフォースと牡馬の1級線相手に
大健闘した。

このパフォーマンスを出せるならここでも当然力上位で、更に得意な平坦コース。前に行ける脚質も展開的に向きそうで買い材料ばかり目につく。
大阪杯でも5着、鳴尾記念でも5着と古馬のg1g2レベル男馬相手にも健闘している点もこのメンバーならと後押しできる材料に。

ほんと2走前の敗戦が不可解で気に入らないが、ここに目をつぶれば現状22倍のオッズはおいしく、積極的に買いたい。

◎ルージュエヴァイユ

前走はスタートで後手を踏んで後ろから追走し、前がゆったり流れて単騎で逃げれて恵まれたディヴィーナを交わし切れなかったが、32.7の脚で追い込んだ
この馬のほうが評価は出来る内容だった。しかもずっと外を回され、4角でも1番外をぶん回しており強かった。

2走前のエプソムカップでは今までのイメージとは一転して前に行き、1000m58.3で通過を2番手と少しハイペースで進み最後は展開が向いたジャスティンカフェの末脚に
屈して2着だったが内容的にはよく、脚質の幅が出た点も好印象。
今回の舞台ではむしろエプソムカップのような先行策がよさそうで、そこはジョッキー次第だろうがこの1戦が生きるのではないか。
また、今回ジャスティンカフェクラスの馬が何頭いるの?といったレベルでもあり、能力的にも足りてきそう。

3走前は直線包まれて終わり、4走前は馬場が悪く適性がなかったため度外視可能。

瞬発力もあり、持続力も兼ね備えていて強いのに、この人気なら妙味あり。本命候補。

◎ライラック

前走の府中牝馬sでは430キロから+18キロで出走と大きく体を増やして成長してきた。正直府中は適正的に合わないと思っていたが
今までにないような先行策で3着と健闘し、適正外で通用するくらい強くなったと捉えられなくもないが一方で、単騎逃げしたディヴィーナが平均ペースで逃げ
2番手以降はスローだったため展開に恵まれたとも捉えられる。
そんな中外から交わされたルージュエヴァイユのほうが内容は上だった。

大きく成長していれば昨年の2着馬でもあり通用してもおかしくはないが、3列目までが妥当な評価。

◎ローゼライト

前走の新潟牝馬では5ハロン目に13.8が入るようなスローで楽に先行し、内ラチぴったり回ってきたにもかかわらず伸び負け3着で、負けた相手も大したことなかった。
メンバーが急激に上がる今回はさすがに厳しい。

能力比較

レベル5 ジェラルディーナ
レベル4 サリエラ ブレイディヴェーグ マリアエレーナ ルージュエヴァイユ
レベル3 アートハウス ディヴィーナ ハーパー 
レベル2 イズジョーノキセキ ゴールドエクリプス シンリョクカ ビッグリボン ライラック
レベル1 ローゼライト ククナ

枠順確定後印

◎ルージュエヴァイユ
〇ジェラルディーナ
▲マリアエレーナ
△ブレイディヴェーグ、アートハウス、ライラック、サリエラ(パドック次第)

見解

今回は逃げたい馬が見当たらず京都2200mの舞台もありスロー想定。

◎はテンのスピードこそそこまで早くないが、2走前に前に行けたし意外に起用に立ち回れる面あり。遅ければ前目で競馬ができるし早い脚と持続力を
待ち合わせていてこの相手なら勝ち負けできる。
更に枠の並びもよく、ハーパーあたりの後ろを取れそうで内ラチぴったり回ってこれそう。馬柱が汚れた2戦は度外視が可能で、そこを潰すとずっと強い競馬を
している。

〇は実績最上位。正直TBや展開に恵まれることが多く好走しているのは事実も、宝塚記念3着、エリザベス女王杯1着、有馬記念3着は立派で
他のメンツが恵まれたら同じ成績残せるかと言ったら?で力は抜けているまである。
1枚評価を落としたのはスタートがよくなく最近ズブくなっていることから、後方追走になりそうな点で。京都の坂を利用して早めに進出してきても
スローになり取りこぼす懸念があるから。
それでも能力値は1番で2番手評価のした。

▲は小倉記念こそ案外だったか、前走は急坂があるコースでg1g2レベルの男馬相手に4着と好走した。それくらい走れればこのメンツなら足りるし、
スロー想定でもあるため前で進められることや、平坦なコースが得意な点、持久力なら1級品な点を考慮して3番手評価。外枠は若干マイナスで
内に入ったらもう少し評価上げてたまで。

△のブレイディヴェーグはやはりスタートは必ず出遅れているのでまた出遅れたら最内枠が災いし、包まれて身動きできず下手したら下げて後ろから
大まくりになりそうで、能力は認めつつも取りこぼす可能性大と思う。また、オッズ的にも美味しくないのでこの評価。

アートハウスは能力的に劣るも、前で競馬ができそうでこのオッズは過小評価。

ライラックは前走で成長のあとが見て取れ、苦手な舞台で好走でき、さらに今まで後方からの脚質だったのが前に行けるようになった点もプラス。
1発あるならこれか。

サリエラは新潟記念が調子悪すぎてそこをどれだけ戻してくるかに尽きる。能力は足りている。

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