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日めくりカレンダーアプリ「 yottey(ヨッティ)」をリリースしました

去る2023年7月、ソフトディバイスは「日めくりカレンダーアプリ yottey(ヨッティ)」をリリースしました。
このアプリは、認知症の方の時間見当式障害を支援する目的で開発されました。以下の紹介ページにダウンロードリンクがありますので、ぜひダウンロードしてみてください。

この記事では、なぜこのアプリを我々ソフトディバイスが開発しているのか?というところからアプリの搭載機能、リリースと今後について、ご紹介したいと思います。


1. 認知症の方向けの「電子カレンダー」の開発に携わることに

softdevice(株式会社ソフトディバイス)は2011年より国立障害者リハビリテーションセンター研究所(以下国リハ)の「認知症のある人のための福祉機器開発研究」の1プロジェクトである「認知機能が低下した高齢者を対象とした電子カレンダー」の研究に、ソフト開発の面で協力させていただいていました。

「電子カレンダーを使ってみましょう」より
左下にあるものが、弊社が開発に関わった電子カレンダー

この電子カレンダーというものは、MCIまたは軽度認知症の方など、時間見当識障害が認められる方を対象ユーザとしたもので、以下のような機能があります。

日付や曜日を表示する機能
・支援者により入力された情報をもとに今日一日の予定を表示する機能
・表示する予定件数のカスタマイズ機能
・予定の時刻になったら音でおしらせする機能

いたってシンプルなツールです。どこが特徴なのかよくわからない気がするのが正直なところかもしれないのですが、日時の背景色には注目を惹きやすい黄色い色を用いていたり、昼と夜でその背景色が変わり昼夜の区別がつきやすくなっていたり、症状に合わせた情報量のカスタマイズが可能だったりなどなど、認知症の方へ情報が伝わりやすい機能やデザインが施されていました。このツールを使うことで、ご本人が自分で時刻や予定を確認できることで、ご自身でできることが増えたり、介護者の負担を軽減することが期待できます。

前述の研究では、電子カレンダーの使用による有効性が確認され、2019年に研究期間が無事終了しました

2.電子カレンダーをタブレットアプリにしたい!

効果が示されたその次のステップは「普及」です。ちょうど、コロナが流行り始めソフトディバイスでも在宅勤務が強いられ始めた2020年春ごろ、研究を担当されていた国リハの西浦裕子氏(2023年現在は名古屋大学在籍)から・・・

研究期間を終えた後も電子カレンダーについての問い合わせが何件か来ている。ソフトディバイスから電子カレンダーをアプリとしてリリースできないか?」

というお声がかかりました。もちろん、我々は「やりましょう!」とお返事したのはいいのですが・・・予想通り、それから2年ほどは通常業務に追われて、この電子カレンダーについてはほぼ進捗ゼロ、何も進められずに、時間だけが過ぎていきました。

このままではまずい!ということで、2022年の春、厚生省の「令和4年度障がい者自立支援機器等開発促進事業」に応募し、やらなきゃいけない状況に自らを追い込み、プロジェクトにドライブをかけていったのです。国リハで上記研究を経て、名古屋大学にて研究されている西浦裕子先生と連携しながら、ググッと進めて行きました。

3.アプリの主な機能とアップデートポイント

アプリとして開発する際に、西浦さんからリクエストをいただいたのは「独居で住まわれている両親を、通いで支援されているご家族も多いので、予定を遠隔で入力する機能を入れて欲しい」ということ。それをうけて、国リハさんと開発していた電子カレンダーから、いくつかの機能を削ったり追加したりしていきました。最終的に搭載されていた機能はざっくりと以下のようなものです。

基本機能
・日付や曜日をわかりやすく表示
・支援者により入力された情報をもとに今日一日の予定を表示
・時間になったらアラーム、音でおしらせ
・昼か夜かがわかりやすい時刻表示
・症状に合わせた表示する情報量のカスタマイズ

新機能(アプリ化するにあたって加えた機能)
・他のデバイスからの予定入力
・他のデバイスからアラームログをチェックできる

4.「電子カレンダー」から「日めくりカレンダーアプリyottey」へ

研究から流れで「電子カレンダー」という名前を使っていましたが、リリースするとなると、もうすこしキャッチーな名前がいるのでは?ということで、ネーミングを検討しはじめました。

予定→ヨッティ→yottey

意外といいんじゃない?そんなわけで日めくりカレンダーアプリ「 yottey(ヨッティ)」が誕生しました。

5. 認知症アプリのリリースと今後

2022年の一年間、厚生省の「令和4年度障がい者自立支援機器等開発促進事業」として進めてきたこのプロジェクトですが、3月に事業期間は終了しましたが、アプリのリリースはそのタイミングには残念ながら間に合いませんでした。アプリそのものは出来上がっていたものの、アカウント周り、課金周りなど、まだまだ練られていない部分が色々とあったためです。

そんな状況の中ご縁があり、なんとyotteyを朝日新聞で紹介していただくという話がもちあがりました。なんとか記事が公開されるタイミングには間に合わせたい、と考え「期間限定無料」とし、7月23日に公開しました。

なんと朝日新聞全国版の生活面にyotteyが!

なんとかアプリを公開したものの、バグチェックがままならぬままの公開となり、記事をみてインストールしてくださった方から、たくさんの不具合の問い合わせが来る事態となりました。一つ一つ対応していって、今に至ります。不具合情報、アップデート情報は以下のオンラインマニュアルをご覧ください!

まずは、不具合なく使っていただくこと、そして、多くの方にこのアプリを知っていただき、必要とされる方に試していただくことを目指して、活動を続けていきます。どうぞよろしくお願いいたします。


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