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KHRUANGBINのメドレーに驚愕した話

アメリカ・テキサス州ヒューストン発のバンドKHRUANGBIN
世界中のグルーヴィーな音楽を下敷きにした現代的かつエキゾチックな音楽性は世界中で注目を集め、今最もハイプなバンドの1つとなっています。

そのKHRUANGBINのライブがとにかく凄かったのです。
参加したのは11/16のZEPP HANEDAでのライブ。

序盤のバレアリックなオリジナル楽曲たちの数々だけでも最高にグルーヴィーで気持ちよかったのですが、驚愕だったのはライブ中盤から始まったヒップホップを中心としたメドレーの数々。バンドによるメガミックスとも言っていいそのメドレーに会場はぶち上がる、ぶち上がる。音源で聴いているだけではとても想像できないその最強のパーティーバンドっぷりにさらに心を奪われてしまいました。

そのライブの興奮を伝えるべく衝動的にこのnoteを書いているのですが、
単にライブの感想を書くのではつまらないので、このnoteではKHRUANGBINがメドレーでメガミックス的に演奏した楽曲のオリジナルを紹介してこの興奮を共有していきたいと思います。


セットリストとメドレーの動画

まず当日のライブ動画をYouTubeのアップされている方がいたのでそちらの動画を紹介。(KHRUANGBINがライブの動画をアップすること許可していない場合は削除します)

次に当日のセットリストも紹介。

メドレーの他に Kool & The Gang - Summer Madness や YMO - Firecracker のカバーもしていますのでそちらも演奏順に紹介していきます。

メドレーでのプレー楽曲の紹介

それでは、このnoteのメインであるKHRUANGBINがメドレーでプレーした楽曲たちを紹介していきます。

・Grandmaster Flash & The Furious Five - The Message

メドレーのスタートはヒップホップ黎明期を代表する1曲 Grandmaster Flash & The Furious Five - The Message からスタート。
スタートにこの曲を持ってきている時点で分かっている感があります。

・MF DOOM - Rapp Snitch Knishes, Gazzillion Ear

The Messageに続くギターソロは20年の年末に惜しくも亡くなったアンダーグラウンド・ヒップホップのレジェンド MF DOOM の楽曲 "Rapp Snitch Knishes"。

このギターソロは90年代のサンプリング・ヒップホップの時代に多くのトラックメイカーにネタ元とされたジャズレーベル CTI から77年にリリースされた Dave Matthews のアルバム「Dude」に収録の David Bowie - Space Oddity のカバーをサンプリングしたモノになります。

"Rapp Snitch Knishes" に続いて同じ MF DOOM の楽曲 "Gazzillion Ear"をプレー。
楽曲の中盤部分の Giorgio Moroder - [Theme From] Midnight Express のサンプリング箇所を引用しています。

・Tom Tom Club - Genius Of Love

MF Doomから一転して80年代の大ヒット曲 Tom Tom Club - Genius Of Love をプレー。

近年でもCMに使われていたこの曲辺りから会場の反応も大きくなってきました。

・Pharoahe Monch - Simon Says

続いてカットインの要領?でぶち込まれた楽曲は Pharoahe Monch のソロでの代表曲 "Simon Says"。

サンプリングネタは誰もが知っている映画音楽の巨匠 伊福部昭 による"ゴジラのテーマ"。

ちなみに東宝はサンプリングの許可をしておらず、後に裁判沙汰となっています。

・Ice Cube - It Was A Good Day … G-Funk その1

ここから90年代中盤に流行したG-Funkの楽曲を3連発でプレー。
G-Funkはメロディアスでグルーヴィーな楽曲が多いのでKHRUANGBINもカバーで扱いやすいんでしょうかね。
G-Funk3連発の最初は Ice Cube の代表曲"It Was A Good Day"。

The Isely Brothers - Footsteps In The Dark をサンプリングした最高の楽曲です。

・Warren G - Regulate … G-Funk その2

続いては Warren G - Regulate

こちらは Michael McDonald のソロでの大ヒット曲"I Keep Forgettin'"がサンプリングされていますね。

・Dr. Dre feat. Snoop Doggy Dogg - 
  Nuthin' But A G Thang … G-Funk その3

G-Funk 3連発の最後は Dr. Dre feat. Snoop Doggy Dogg -   Nuthin' But A G Thang !!

今年2022年のスーパーボウルのハーフタイムショーに出演した Dr. Dre と Snoop Doggy Dogg の大ヒット曲ですね。スーパーボウルでは後年のヒット曲 "The Next Episode" がパフォーマンスされ、この曲は演ってないですけどね。

・Ol' Dirty Bastard feat. Kelis - Got Your Money

G-Funk 3連発の次は同年代にニューヨークで旋風を起こした Wu-Tang Clan のメンバーの中でもNo.1のヤバい人 Ol' Dirty Bastard の1998年のヒット曲 "Got Your Money"。

トラックを手掛けたのはキャリア最初期の The Neptunes !!
前年1997年の N.O.R.E. - Superthug と共に The Neptunes の出世作と言っていい楽曲です。

・A Tribe Called Quest - Electric Relaxation

Wu-Tang Clan の ODB に続いてはこちらも90年代のヒップホップを代表するグループの1つ A Tribe Called Quest の名曲の1つ "Electric Relaxation"

元ネタの Ronnie Foster - Mystic Brewも個人的にフェイバリットな楽曲の1つです。

・Beenie Man feat. Mya - Girls Dem Sugar

次はヒップホップから少し毛色が変わって?ダンスホール・レゲエのレジェンド Beenie Man の代表曲の1つ "Girls Dem Sugar"。
レゲエと言いつつもプロデュースは ODB - Got Your Money と同じ The Neptunes なので ATCQ でまたいでの The Neptunes 使いという形になってますね。

・Junior M.A.F.I.A - Get Money

The Neptunes 楽曲の次はまた90年代前半のサンプリング・ヒップホップ時代の楽曲 Junior M.A.F.I.A. - Get Money

こちらは Rare Groove 好きには外せない激レア盤 Sylvia Striplin「Give Me Your Love」収録の "You Can't Turn Me Away" をサンプリングした一曲。

この日のライブでは、The Neptunes の楽曲と90年代のサンプリング・ヒップホップの曲を交互にプレーする形になっていたんですね。
ここでヒップホップの楽曲は終了。
残り2曲は80年代のヒット曲が披露されます。

・Spandau Ballet - True

まずはイギリスのバンド Spandau Ballet の1983年のヒット曲 "True"。
Spandau Ballet はいわゆるニューロマンティックに分類されるバンドの1つです。ニューロマンティックに関しては通ってこなかったのであまり語ることがないですね…

・Chris Isaak - Wicked Game

そして、メドレーの最後は俳優としても活躍した Chris Isaak の1991年の最大のヒット曲 "Wicked Game"。
あまり映画を見ないので知らなかったのですが、David Lynch の映画でも使用された曲なんですね。

メドレー以降のプレー楽曲紹介

メドレー以降のライブ終盤の楽曲も " Summer Madness" のカバーに加えアクセントとしていろいろな楽曲をつまみ食い的に演奏しているのでそちらについても紹介していきます。

・Kool & The Gang - Summer Madness

メドレーの後にプレーしたのは Kool & The Gang の説明不要の夏の名曲 "Summer Madness"のカバー。

こちらのカバーは KHRUANGBIN が手がけたコンピレーション盤「Late Night Tales」に収録されています。

こちらのコンピレーションには和モノの定番 柳ジョージ - 「祭りばやしが聞こえる」のテーマ も収録されています。

・坂本九 - 上を向いて歩こう(Sukiyaki)

Summer Madness の途中でギターソロで演奏されたのは日本発の世界的なヒット曲 坂本九 - 上を向いて歩こう

ここら辺は日本向けのサービスもあるんでしょうかね。

・Maxwell - Ascension (Don't Ever Wonder)

"上を向いて歩こう" と共に "Summer Madness" の途中でギターソロで演奏されるのがネオソウル期のR&Bを代表する一曲 Maxwell - Ascension (Don't Ever Wonder)

久しぶりに聴きましたけど改めて最高ですね。

・Dick Dale & His Del-Tones - Misirlou

本編最後の曲 "María También" の曲中には盛り上がること間違いなしの楽曲を2曲演奏しています。
まず、飛び出したのが Pulp Function のテーマとして映画を見ない私でも知っている Dick Dale & His Del-Tones - Misirlou ですね。

これを聴いて盛り上がらない人なんかいませんよね。

The Black Eyed Peas が思いっきり引用した "Pump It" なんて曲もありましたね。

・Incredible Bongo Band - Apache

"Misirlou" の次にプレーされたのはB-BOYアンセムとしてお馴染みの Incredible Bongo Band - Apache!!

オリジナルは The Ventures などと同じ時代に活躍したインストロックバンド The Shadows ですが、他の演奏楽曲を考えても間違いなく Incredible Bongo Band のバージョンを引用していますのでそちらを紹介。
こちらも "Misirlou" 同様に盛り上がらないわけがないですね。

アンコールの楽曲の紹介

次にアンコールで披露した楽曲のオリジナルを紹介していきます。

・YMO - Firecracker

アンコールの3曲目に披露したのがこちらも説明不要の YMO - Firecraker のカバー。

オリジナルの Martin Denny - Firecracker も紹介しておきます。

・Haddaway - What Is Love

アンコールラストの "People Everywhere (Still Alive)" の途中でも80年代終わりから90年代前半のダンスヒットを3曲打ち込んでいるので最後にそちらを紹介。
まずは Haddaway の1993年のヒット曲 "What Is Love"。

Saturday Night LiveJim Carrey のせいでネタにされている曲でもありますね。

・Crystal Waters - Gypsy Woman (She's Homeless)

続いてプレーされたのは " LA DA DEE LA DA DA ♪ " のフレーズでお馴染み Crystal Waters の1991年のヒット曲 "Gypsy Woman"。

日本だと数年前に Cat Boys がフューチャリング・ボーカルに Asuka Ando を迎えた日本語カバーなんて7インチもリリースしていましたね。

・Inner City - Big Fun

最後はデトロイト・テクノのオリジナーターの1人 Kevin Saunderson のグループ Inner City の1988年のヒット曲 "Big Fun"。

noteにまとめ終えて…

ライブの最中には次々と飛び出す往年のヒット曲の数々に盛り上がりだけでしたが、改めてnoteにまとめてみるとその情報量の多さに驚かれますね。
しかも、その音楽性の幅の広さにも驚かされます。
皆さんもこのnoteでKHRUANGBINの音楽性の広さを改めて認識していただければ幸いです。

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