詩「笑顔だけの運動会」

 熱に囚われて、運動会前夜に涙を流した小さな君。
 覚えたての踊りを満面の笑みで披露してくれた君を、私と君で思い出す。
 運動会が、過ぎ去り際に君の熱を連れて行ってくれた。
 さあ、お家運動会の始まりだよ。
 すっかり良くなった君と一緒に、紙を切ったり貼ったり。君のハサミは早く真っ直ぐ走れる様になった。
 今度は君の胸が紙テープを切っていく。
 金紙にも勝った君の笑顔に抱きついた。
 笑顔しかない運動会、笑顔の優勝はごめんね、まだ君に譲れない。
 

#推し短歌

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