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高齢者のトリセツ:免許返納はいつ?

まだ、高速道路実習もない時代だった。
早く車に乗りたくて18歳で免許をとり
20歳で働き始めてすぐに車を買った。
それから50年。
どこに行くのも車だった・・・・。
結婚して、夫について行った海外赴任の6年間も、勿論乗っていた。

もうすぐ車を手放すというタイミングで、高齢者講習を受けた時
教官に「きれいな運転ですね!」とお言葉をいただいた。
この言葉が、私の車生活の卒業証書となったと勝手に思っている。

そんな私が、70歳で車を手放した。
私の場合は、免許返納はもう少しだけ後になるけど。

友人・知人はみんな驚き、手放すのはやめた方がいい!
まだまだ大丈夫なのに、、、と大騒ぎになった。

あれからもう3年。
やめることにした経緯や心の変化を書いておこうと思う。


最近は少なくなったが、一時期、高齢者の車の事故ばかりをテレビがセンセーショナルに取り上げていた時があった。
今考えたら、あれは「免許返納を促すための策略」だったのかもしれな・・・と思ったりもするが
さすがに、私もそんなニュースを見ながらぼんやりと将来のこととして考えていた。

69歳になった時、ちょうど乗っていた車の車検が後一年と言うこともあり、真剣にどうするかを考えた。
その頃が、今考えると悶々と少しきつかったかも??
何度も何度も、頭の中でシミュレーションした。

まず一番は通勤の足は?
結構、移動が多い仕事はどうなる??
雨の日は、車がないと不便??
重いものやかさばるものの買い物はどうする??
山の上のお墓参りは??
何より、あれだけ好きだった車の運転を、本当にやめられるのか???
後悔はしないのか???(この最後の問いがきつかった・・・)

車を手放すのは、その人の置かれた環境が大きく影響すると思う。
だから、決してこれが正解!というものはなく、これを読んでくださった方も、それぞれの置かれた環境と自分の気持ちを確認して決めたらいいことだと思うし、それしかないだろう。

幸いにも、私は、それなりの都会に住み、公共交通機関もタクシーもある。
主人と二人の高齢者世帯だが、今はどちらも元気で自分の足で歩ける。
そして幸いにも、二人とも両親は見送っている。

頭の中でぐるぐる何度も考えながら出した結論は
「今、二人が元気で歩けるうちに、車依存の生活から、歩き依存の生活に変えよう!」
今の元気な時なら変えられる!
今のうちに変えないと、元気がなくなったら変えられないだろうと思ったから。

ディーラーから送ってもらって、車のない自宅に帰った日からもう3年が経つ。

結論から言えば、あの時から後悔したことは一度もない。
強がりでなく、これほどサバサバと生活スタイルって変えられるんだ、、、って、我がことながら不思議に思うこともある。

車を卒業すると言っていた頃、「もう少ししたら自動運転になるよ!」って言ってくれる人もあったが、自動運転の車には乗りたくなかったし。笑

車がなくなった翌日から、職場までは電車の乗り換え2回の通勤定期生活となった。

山の上のお墓は、時刻表を調べて、路線バスを乗り継いでクリア😉 

歩く生活になって、靴にはちょっとこだわるようになったかな?
リュックも、お気に入りを探し回って、これが通勤のスタイル。

ちょうどタイミングよく、市が高齢者のウォーキングを推奨するような事業を始めた。

高齢者の私も、その事業に参加して歩数計を持ち歩く日々になったが、私の生活の変化にいい刺激になったのかもしれない。

今でも、駅までの歩数、1日の歩数、、、そんな歩数と共に一日が過ぎる。

この記事を読んでくださった方の中には、
車の運転をいつまでにしよう??と思っている人や、親の運転をやめさせたい!と思っている人もおられるかもしれない。

でもこれは、本当に難しい問題。

ただ、自分の生活スタイルを変えて、新しいスタイルに挑戦できるチャンスと捉えてみるのはいかがだろう??

新しい人生を始めてみるのもなかなかいいもんだと、3年を振り返って、実感しながら思っている。
好きだった運転も、50年間で十分堪能したし・・・・(笑)







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